【2023年春】桜好き必見!大渋滞を避けて有名な身延の桜を楽しむ方法

山梨県の西部にある日蓮宗の総本山である身延山は、桜の名所として全国的にも有名です。特に久遠寺本堂にあるシダレザクラは樹齢400年の古木で、その佇まいはまるで桃色のシャワーのよう。桜のシーズンになると、その光景を見るために日本全国から多くの観光客が訪れます。そのため、身延山への山道は毎年車で長い渋滞が…。最悪、桜を楽しむ時間より待ち時間が長くなってしまうかも。この記事では、そんなことにならないように、現地身延の人に聞いた裏ワザをご紹介。まだ海外旅行客も知らない映えスポット「身延の桜」を上手に満喫しましょう。
まだ海外旅行客が知らない、日本中で有名な身延の桜

身延地方は山梨県の西部に位置し、同県の甲府や河口湖から車で1時間ほどの距離にあります。この場所は仏教の一宗派、日蓮宗の総本山である久遠寺を中心に寺町が栄え、戦国武将の武田信玄が傷を癒したと言われる下部温泉や、ヴィーガンに人気のあけぼの大豆といった特産品も有名な地域です。

ここには以前、全国から日蓮宗の信徒が多く訪れていましたが、徐々に客足が遠のき、コロナウィルス蔓延の追い討ちによって、かつてのような賑わいが見られなくなりました。しかし、春になると観光客で溢れる一大観光スポットとして復活し、日本全国から多くの観光客が訪れます。それが身延山の桜です。

身延山は、久遠寺を中心として、今も20を超える宿坊が点在する寺町です。宿坊とは、元々は信徒の方向けに宿泊機能を持ったお寺のことですが、近年では観光客も滞在でき、海外の旅行者にもTemple stayとして人気となっています。そんな寺町の中心である久遠寺の境内では、春になるとたくさんの桜が咲き誇り、まるで桃源郷とも呼べるような美しい景色が現れます。

特に祖師堂脇の樹齢400年にもなるシダレザクラは、満開になるとまるで桃色のシャワーを降らせるような幻想的な光景を見せてくれます。また、その下の池には、落ちた桜の花びらが水面に浮かび、合間を悠々と泳ぐ錦鯉の姿も見ることができます。そこには日本の自然によって育まれた鮮やかな色彩と美を感じられるでしょう。

そのほか、久遠寺から徒歩圏内の西谷と呼ばれる場所でも、立派な桜を見ることができます。これらの桜自体も立派なものですが何より、日本では鎌倉時代、世界史ではチンギス・ハンの時代から続く日蓮宗の総本山である久遠寺です。その荘厳ながら重厚な木造建築の数々、天国への梯子と書く「菩提梯」など、見どころが凝縮された場所なので、信徒の方のみならず日本全国から多くの観光客が訪れるのも納得ですね。

ところが、この場所も桜を見る上で困ったことがあります。それは毎年起こる車の大渋滞。久遠寺へ続く山道は主に東谷と西谷の二つがありますが、山の中腹で二つに別れるまで道が限られています。また、桜の見どころへの近さや観光バスなどの発着の関係から西谷方面の道は混みやすく、特に渋滞が起きてしまいやすいのです。

どうやって回避する?現地身延の人に裏ワザを聞いてみた

身延山は同じ山梨県で世界的な観光地の河口湖や地方都市の甲府から、車で約1時間の距離にあるものの、公共交通機関で行く場合には1日の便数が少ないなど不便さを感じるかもしれません。そのため、アクセスが車という移動手段に限られやすく、まだまだ外国人観光客にも知られていないレアな地域だといえるかもしれません。
しかし、それだけ立派な桜が見られるなら、ぜひ車で行ってみたくなりますよね。とはいえ、せっかく限られた休日の時間を使って、身延の桜を見に行ったのに、渋滞待ちに使うのはあまりにも勿体無い。そこで現地身延の人に何か良い方法がないか聞いたところ、渋滞に巻き込まれない一番の方法は「宿坊に泊まること」だそう。先ほど紹介した通り、身延山には20を超える宿坊があり、久遠寺を囲むように点在しています。

それらの宿坊に宿泊し、そこから徒歩で久遠寺に向かい、桜を満喫するのです。宿坊はいずれも久遠寺から徒歩圏内にあるため、歩きやすい靴であれば問題ありません。むしろ、門内商店街や寺町を歩き、日本の歴史や伝統が今を息づく町を感じるアクティビティとして楽しみが増えるかもしれませんよ。
渋滞を回避する方法が宿泊だなんて「なんだ、そんなことか」と思ったアナタ。

安心してください。ここからが地元の人に教えてもらった裏ワザです。多くの旅行客は宿の予約にBooking.comやAgodaといったOTAを利用します。この記事を読んでくれているアナタもそうではないでしょうか。例えば山梨県の身延地方で調べて、泊まれそうな宿を探す。でも、そこで満室になってしまっていたら、諦めていませんか?
実は宿坊の中には、自社施設だけではなく他の施設と連携して、宿泊場所をそちらに変更。食事などは目当ての施設で楽しめるという分宿(temple sharing-stay)を行っているところがあります。そういった宿坊なら、アナタのためにまだ空いている施設を探してくれ、渋滞に巻き込まれずにゆっくりと桜を満喫するチャンスがあるかもしれません。
どこの宿坊がいいの?アルベルゴディフューゾの考えを知ろう

それなら一体どこの宿坊なら分宿(temple sharing-stay)をしてくれるのでしょうか。その調べ方のひとつに、アルベルゴ・ディフューゾ(albergo diffiso)の考えに共感しているか、というものがあります。これはイタリア語で「広がった(diffiso )ホテル(albergo)」を意味し、地域全体に点在する施設やサービスと結びつけて観光客をもてなそうという考え方です。

簡単にいうと地域やサービス同士が「助け合えるところは手を取り合ってお客さんを迎えよう」というもので、まだ空きがある宿泊施設にお客さんを案内し、その施設で食事の提供などが難しい場合は別の施設がその役割を受け持つといった、先進的な観光の考え方です。この考え方を取り入れている宿坊が身延山の覚林坊です。
分宿に対応、オープンテラスで桜も見れる海外旅行客に人気の宿坊「覚林坊」

先進的なアルベルゴ・デフューゾの考え方は、実は日本ではあまり浸透していません。特に、宿坊だけで見ると、全国では2023年3月時点で、その認定がまだ2箇所のみ。そのひとつが身延山にある宿坊「覚林坊」です。同宿の女将である樋口純子氏は、かつての栄華から衰退の一途をたどる身延の寺町をなんとか盛り上げようと、以前から外国人観光客の取り込みに力を入れてきました。

そのため、アルベルゴ・ディフューゾにもいち早く挑戦し、宿坊では全国で二番目となる認証を受けることができました。もちろん、海外からのお客様の様々な要望にお応えするため、ヴィーガンやコーシャにも優しい精進料理や身延の伝統・文化を体験できるアクティビティなどにも力を入れています。



そんな同宿は施設改修にも力を入れており、宿自慢の桜を見ながら、お酒や歓談が楽しめる桜テラスもご用意しています。特に夜のライトアップは美しく、夜遅くまで笑い声が絶えない素敵な場所としてお客様に喜んでもらえているそう。

そんな噂が噂を呼び、海外からのリピーターもたくさん来てくれています。海外からも多くのお客さんが訪れるので、海外旅行客でも安心して宿泊できます。

また覚林坊では、宿坊ながら一棟貸しのスイートルームである「迎賓館えびす屋」も用意しています。混み合う花見の後に家族やパートナーとゆっくりしたいなら、こちらのお部屋もおすすめです。

通常、身延の桜の季節は三月末から咲き始め、四月上・中旬が見ごろとのこと。Booking.comやAgodaで予約がいっぱいでも諦めずに、覚林坊のHPにアクセスして、ぜひ身延の桜を満喫してくださいね。