ライター Osawa Kumi
伝統とモダンアートの町、金沢「アートアベニュー」のパブリックアートまとめ

歴史と伝統を受け継ぎつつ、モダンアートへの深い理解でも知られる「金沢」。あちこちで見かけるパブリックアートからも、その心意気が伝わってきます。今回は金沢駅から繁華街の香林坊にいたる「アートアベニュー」から代表的な作品をいくつかご紹介します。
歴史と伝統の街というイメージが強い古都・金沢ですが、金沢21世紀美術館に代表されるように、モダンアートへの理解が深い街でもあります。あちこちで見かけるパブリックアートからも、その心意気が伝わってきます。
今回は金沢駅から繁華街の香林坊(こうりんぼう)にいたる「アートアベニュー」から代表的な作品をいくつかご紹介します。
JR金沢駅周辺で出逢える作品

三枝一将 『やかん体、転倒する』
金沢駅東口を出て左手に少し歩くと、バスターミナル内の緑地に大きさ2mほどのユニークなオブジェが姿を現します。三枝一将氏の鋳金作品『やかん体、転倒する』です。

ふたは反対側に! 大勢の人の目に触れるパブリックアートにはこうしたユーモアが欠かせません。

米林雄一 『微宇音・微宙音・微界音』
東口を右手に進んだところには、彫刻家米林雄一氏の作品『微宇音・微宙音・微界音』があります。高さ約2m、幅4mのブロンズ作品です。

さて、パブリックアートというよりは建築作品に入るかもしれませんが、金沢駅の『鼓門』は今や街のシンボル。高さ13.7mの巨大な木造りの門の前では、写真を撮る観光客でいつも賑わっています。

鼓門は、金沢で盛んな伝統芸能である能楽やお囃子で使われる楽器「鼓(つづみ)」をモチーフとしています。
後ろに見える、アルミとガラスを使用したモダンなもてなしドームと不思議な一体感を生み出しています。現代アートにも伝統工芸にも理解の深い金沢の風土を表しているようです。
参考記事:金沢駅の鼓門(つづみもん)と、もてなしドームの魅力・コンセプトを紹介!
駅から香林坊へ向かう道で出逢える作品

J・K・ヴィルックネン 『CORPUS MINOR #1』
さて、駅からメインストリートを進むと、大きな赤茶色の塊が目の前に。フィンランド人アーティスト、ヴィルックネン氏による作品『CORPUS MINOR #1』の特徴は、年月を経て変化した赤錆の色とその大きさ。高さは3.8m、重さは6.5tあります。
「錆による風合いの変化は、町の発展や時代の変化を象徴するもの」との注意書きがあり、色の変化を意図した挑戦的なアートであることがわかります。

『FUGA』 阿部守
安江町の緑地には、丸い塊が三つ。阿部守氏の作品『FUGA』です。幅は約2m、鉄製のため重さは4tもあります。

郡 順治 『走れ!』
金沢市の中心にある香林坊という商業地域にある彫刻『走れ!』は郡順治氏の作品。躍動感に溢れ、今にも駆け出していきそうな作品です。自然の緑を背景とした設置場所にも注目。人工物と自然が上手くマッチしています。
ご紹介した作品はどれも撮影自由。思い思いのアングルや設定でユニークな写真を撮ってみてはいかがでしょう。伝統文化とは少し違う金沢の思い出となるでしょう。
Information
金沢パブリックアートマップ
公式HP:金沢アートアベニュー