ライター Keishi Kawakami
熱くても冷たくても美味。一年中ぐいっと飲みたい「日本酒」とは

日本に来たなら、五感をフル活用して楽しみたいものです。無形文化遺産に登録された、本格和食も存分に味わっていただきたいもののひとつです。
そしてアルコールが好きな方にとっては、食事の席で嗜むお酒も、メインディッシュと同じくらい大事なポイントかもしれません。しかし、せっかく日本に来たのであれば、お酒を飲まれる方にはいつもと違ったものを試していただきたいと、私は思うのです。
いつもと違ったお酒。ワインでもビールでもなく、そう、日本酒です。

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「SAKE」という言葉は知っているけれど、本物の日本酒は飲んだことがないという方へ。どこで飲めて、どこで手に入るのかを含め、日本由来の技術と風土が活かされたお酒、日本酒について、ご紹介します。
そもそもなにが「日本酒」とされているの?

写真:昔ながらの大衆酒場「浅草ホッピー通り」でほろ酔い気分より
まず何が「日本酒」と呼ばれるお酒の部類に入るのかというところから見ていきましょう。
米に麹(こうじ)を加えて糖化させ、それを酵母で発酵させてつくられる日本酒は、米を主食とする日本民族の伝統酒。(引用:コトバンク)
簡単にいうと米から作っているのが日本酒ですね。ちなみに麹とは、お米や大豆を蒸して寝かせ、コウジカビという菌を繁殖させたものです。日本酒といっても、水や米、麹や酵母などの要素の組み合わせによって、さまざまな味に変化します。その組み合わせが各都道府県や多数の蔵元それぞれの味を作り出すのです。
ワインはブドウから、日本酒は米から。わかりやすい。
ちなみにモノによっては清酒と表記されているものもありますが、これは日本酒の呼び名のひとつであるため、清酒も日本酒と考えて間違いありません。
日本酒の種類

一言に「日本酒」といっても、使用する材料によって呼び名が違います。日本酒は大きく分けると2種類で、使用される材料が、「米・米こうじ・醸造アルコール」か、「米・米こうじ」かで変わってきます。
つまり、醸造アルコールが入ってないものが「純米」と名乗ることができるのです。味の善し悪しは個人の味覚にもよるため、どちらのほうが美味いかは個人の好みにもよりますので、実際飲んで比べてみるのが良いかと思います。
簡単に日本酒の種類の例を挙げておきます。
- 吟醸
精米歩合60%以下の白米、米こうじ、水、醸造アルコールが原料。香味及び色沢が良好なもの。
- 大吟醸
精米歩合50%以下の白米、米こうじ、水、醸造アルコールが原料。香味及び色沢が特に良好なもの。
- 純米
白米、米こうじ、水が原料。香味及び色沢が良好なものです。米こうじの総重量が白米の総重量にたいして15%以上でないといけない。
- 純米吟醸
吟醸酒のうち,精米歩合60%以下の白米、米こうじ、水が原料。香味及び色沢が特に良好なもの。一般に、他の吟醸酒に比べて穏やかな香りです。
- 純米大吟醸
大吟醸酒のうち,精米歩合50%以下の白米、米こうじ、水が原料。香味及び色沢が特に良好なもの。一般に、他の大吟醸酒に比べて穏やかな香りで味わい深いです。
「……難しい! 全然わからないぞ!」という声が聞こえてきそうです。
辛口なものからフルーティなもの、サラッと淡白なものから甘口なものまで、日本酒の味は様々です。「純米大吟醸」が一番高級かと思われますが、食べる料理や好みによって嗜好が変わるため、味や香りは皆さんの舌で確かめてみてください。
日本酒が飲める、買える場所は?
日本酒は、全てとは言えませんが、ほとんどのラーメン屋から立ち飲み屋、居酒屋や高級料亭まで色んなところで飲めます。
街中のコンビニから空港の免税店まで、購入する際に年齢確認(日本でアルコール類を購入、飲酒できるのは20歳以上)をすることはありますが、基本的にありとあらゆるところで手に入ります。「日本酒を飲みたいけど、レストランや外食して飲むと高そうだな」と感じる方は、コンビニで買って宿泊先で飲む、なんてのも良いのではないでしょうか。
ただし、ひとつ注意点が。日本酒は飲みすぎると二日酔いがツライので、ご注意を。
■【SHITAMACHI】ディープな東京を理解する入り口は「立ち呑み屋」にある
例えば京都の日本酒は何があるの?
日本酒といえど、京都の日本酒だけでも山ほどあるのですが、ほんの2つだけご紹介します。興味があれば試してみてくださいね。
- 月の桂(つきのかつら)

ブランド名は「月の桂」で、銘柄も「月の桂」です。(ブランド名は日本酒の分類を指し、銘柄は商品名ですので違っていることもあります。)
にごり酒と呼ばれる発泡性のある日本酒で、炭酸のさわやかさとフルーティーなのどごし。この銘柄は元祖米のシャンパンと呼ばれるもので、その違いを比べてみるのも面白いかもしれません。
- 古都千年(ことせんねん)

「英勲(えいくん)」というブランドで、銘柄は「古都千年」。
少し辛口で口当たりスッキリ。香りもよく、飲みやすさ抜群です。私のおススメです。なお、この銘柄には「純米吟醸」と「純米大吟醸」の2種類があります。どちらも非常に美味しいので、まずは試してみてください。