ライター Keishi Kawakami
京都・白龍園 - 1日100人限定、知る人ぞ知る秘密の庭園

11月の1ヶ月間しか公開しておらず、しかも1日100人限定という超限定スポット

京都にある白龍園という場所をご存知ですか?
おそらく知らない人が多いのではないでしょうか。それもそのはず、白龍園は2012年に初公開となったばかりの場所。なにがすごいかと言うと、新緑が芽吹く春の1ヶ月半と、紅葉の見頃である11月の1ヶ月間しか公開しておらず、しかも1日100人限定という超限定スポットなのです。
秋の京都の観光客数は500万人以上とも言われているなかで、1日100人限定という稀少さ。なぜそこまで人数制限をする必要性があるのか。どんな素晴らしい景色が待っているのか。この記事ではその秘密に迫ってみましょう。
1日100人、その秘密は?

着いてすぐ、なぜここが1日100人しか入れないのか、その片鱗を感じ取れるのではないかと思います。
それはこの石柱の回りや、

敷地内の階段、

階段の隙間や、

石畳の道など……
そう、白龍園の素晴らしさと人数制限の秘密、それはずばり苔にあります。通常、ここまで苔が広範囲に渡って生えることは珍しく、隙間なく辺り一面を覆っているという状態はなかなかありません。京都には数多くの日本庭園が存在しますが、ここまで量と質の良い苔が広がっている庭園はそうそう拝めないのです。
つまり、この苔の育成と保護のため、白龍園は来場者を1日100人に制限しているのです。
実は、白龍園は公開まで約50年もの歳月をかけて作られた庭園なのです。庭師が毎日欠かさず手入れをし、丹誠込めて造り上げられている場所です。積み重ねられた年月や、こだわりにかける強い想いが見事体現されているのだと、白龍園からはしっかりと感じとることができるのではないでしょうか。