松風園

福岡市中央区平尾の高台に、和を感じられる庭園があります。かつて福岡にあった百貨店の創業者・田中丸善八(たなかまる ぜんぱち)の邸宅跡地を整備し、2007年に開園した「松風園(しょうふうえん)」。数寄屋造りの茶室「松風庵(しょうふうあん)」は当時のまま保存され、隅々まで手入れされた庭園では、文化人の遊び心と“粋”が随所で感じられます。茶道具の模様・形をあしらった「棗(なつめ)灯籠」や、広間茶室には月日を重ねるほど深い黒色に変化する「聚楽壁(じゅらくかべ)」、小間茶室の精緻な細工を施した「網代(あじろ)張り」の天井ーー味わい深い庭園を見ながら、季節の和菓子と抹茶のセット(300円)も楽しめます。質素な中に、もてなしの心と美しさを見出した、日本文化の「わび」「さび」を感じてみて。