鹿野・吉岡温泉

　鹿野温泉は、戦国大名であった亀井茲矩（かめいこれのり）公の居城である鹿野城下の風情を、今なお、色濃く残している。約400年前の水路や格子戸の町屋が残る風情ゆたかな景観は、「えもいえぬ気品」と作家の司馬遼太郎に表現されたことでも知られている、温かみと懐かしさを併せ持つ温泉地である。 　近年、観光地として注目されており年間18万人が訪れる。美人湯として評判の｢鹿野温泉｣をはじめとして、桜の名所として知られる｢鹿野城跡公園」、城下町ガイドの受付や、観光・交流の拠点施設である鹿野往来交流館「童里夢（ドリーム）」をはじめ、「ゆめ本陣」や「夢こみち」など古民家を活用した町屋スポットがある。また、そば打ち体験が楽しめる「鹿野そば道場」や女性に大人気の橋本牧場イタリアンジェラートアイス工房などがあり、温泉と様々な観光スポットが観光客を楽しませてくれます。 　吉岡温泉は、約1000年前に薬師如来のお告げで、葺岡長者が発見したと伝えられている歴史のあ温泉地。日本一大きな池「湖山池」を見下ろす山間に位置する閑静な温泉で、江戸時代には藩主池田家の湯治場として栄えた。 　現在では12軒ほどの温泉宿が小ぢんまりと建ち並び、いかにも温泉地らしい、ひなびた雰囲気が漂う。肩肘を張らず、ゆっくり滞在ができるアットホームさが心地いい、知る人ぞ知る｢隠れ家｣的な温泉地だ。また｢ホタルの里｣としても有名で、毎年6月頃、近くの河川周辺を散策すれば源氏ボタルの乱舞に出会うことができる。