鳴門市賀川豊彦記念館

　賀川豊彦は1888年に神戸で生まれ、4歳の時に両親を亡くし、父の家がある鳴門市大麻町に引き取られました。孤独、家の破産、病苦など、多くの苦難を乗り越え、神戸神学校の学生だった21歳の時に、神戸のスラムに自ら飛び込み、救済活動を開始します。しかし、スラムでの自らの活動を通じて「救貧」活動の限界を感じ、貧困に陥らないための「防貧」活動に軸足を移していきます。アメリカへの留学を経験して帰国した賀川豊彦は、労働運動、協同組合運動、農民運動、共済運動など、「一人は万人のために、万人は一人のために」の精神で、様々な社会運動を展開していきます。さらに平和活動にも熱心に取り組み、戦前、ガンジー、シュバイツァーと並んで世界3大聖人の一人と称されるようになりました。戦後は世界連邦運動を提唱するなど世界各地で講演活動を行い、ノーベル平和賞候補にも4回選ばれました。 　しかし、現代社会において、多くの方が生協、農協、共済、労働組合などと様々な関りを持っていますが、それらの運動のルーツである賀川豊彦のことをほとんど知りません。 　賀川豊彦の偉業を顕彰・継承し、多くの方に知ってもらうために、2002年3月21日に「鳴門市賀川豊彦記念館」が設立されました。鳴門の生んだ世界の偉人、賀川豊彦の様々な資料、直筆の書など展示しています。11分程度の簡単な紹介DVDも上映しています。是非ご来館ください。