美しい石垣の上に建つ見事な木造建築「篠山城大書院」

1609年、篠山城と同時に建てられ、篠山藩の公式行事などに利用されてきた大書院。1944年に火災で消失するも、2000年に市民の熱い願いによって復元されました。こだわりと格式の高さが感じられる大書院の魅力をご紹介します。

「篠山城大書院」の歴史

1598年、当時日本を統治していた武将・豊臣秀吉が死去すると、代わって有力諸侯の徳川家康が権力を握り始めます。政争や戦争を勝ち抜いた徳川家康でしたが、豊臣秀吉の子、秀頼はいまだ油断出来ない力を維持していました。そこで1609年、秀頼の拠点・大坂に近い「笹山」の地に城を建設。総勢8万人を投じて築かせた城が篠山城です。

それから約260年間、大書院は篠山藩の公式行事などに使用され、後に小学校などとしても利用されていました。1944年に火災で焼失してしまいましたが、半世紀の時を経て、篠山城の二の丸(城の中核となる本丸を囲む城郭)の大書院が、丹波篠山市民の熱い願いによって、2000年に復元されました。

「篠山城大書院」の建築

大書院の屋根は、格式の高さが表現された「入母屋造り」で、木の板を重ねる「こけら葺き」という技法で造られています。北正面には、屋根の装飾の「唐破風」のあるひさしが付いた「車寄せ」(格式の高い玄関)もあり、古式の建築様式と広さからも、格式の高い城郭建築であったことがうかがえます。

篠山の藩主(領主)が利用するもっとも格式の高い部屋「上段の間」には、飾り棚となる「違棚」、絵の描かれた襖を用いた部屋飾りである「帳台構」、出窓に似た「付書院」といった、書院造り定番の内装が施されています。さらに、幅6.9メートルの「大床」に設置された障壁画は、江戸時代初期の有名な絵師が描いた屏風絵を転用したもので、当時の雰囲気が忠実に再現されています。

その他、築城当時の様子が分かるビデオ上映や、篠山城の模型、城下町についての資料などが展示され、江戸幕府と篠山藩の歴史をうかがい知ることができます。

information

名称:篠山城大書院
住所:丹波篠山市北新町2-3
TEL:079-552-4500
URL:http://www.withsasayama.jp/REKIBUN/osyoin_top.htm
アクセス:JR福知山線「篠山口駅」から神姫グリーンバス篠山営業所行「二階町」バス停下車 徒歩5分
料金:大人400円、高校・大学生200円、小・中学生100円(団体30名以上は大人300円、高校・大学生150円、小・中学生50円)
※天守台・本丸・二の丸は無料開放
休日:月曜日(祝祭日は開館、翌日休館)、年末年始(12/25~翌年1/1)

丹波篠山市の観光に関するお問合せ先

篠山観光案内所
079-552-3380
篠山口駅観光案内所
079-590-2060
丹波篠山市役所 商工観光課
079-552-1111
丹波篠山観光協会
079-506-1535