おでんは 冬(ふゆ)に 日本(にほん)に 来(き)たら ぜひ 食(た)べてほしい 料理(りょうり)です。東京(とうきょう)の 浅草(あさくさ)・隅田川(すみだがわ)の 近(ちか)くに ある「浅草おでん大多福(おたふく)」では、スカイツリーを 見(み)ながら 100年(ねん)の 歴史(れきし)を 持つ、とても いい 香(かお)り(scent)の おいしい おでんを 食べることが できます。
おでんは、冬に よく 食べる、日本の 煮込み料理(※)です。
おでんは、日本の 室町時代(1336–1573年)に 生まれました。
はじめは 竹串(※)に 刺した(※) 豆腐に、味噌を つけた「豆腐田楽」でした。
江戸時代(1603–1868年)に、東京や そのまわりで 醤油(※)が たくさん 作られるように なりました。そして、煮込み料理にも 醤油を 使うように なりました。それが 今の「おでん」に なったそうです(いくつか 説(※)が あります)。
「浅草おでん大多福」は 浅草の ビルに ある 昔からの おでんの店です。心まで 温めてくれる おいしい 料理を 食べることが できます。
店の 名前「大多福」について
店の 名前は、商売繁盛(※)の ご利益(※)が あると 言われる「おたふく」と 同じです。
この店は 大阪で 生まれました。どうして 店を 作った 人は「おでん」の 店を 始めたのでしょうか?
明治時代(1868-1912年)に、店を 作ったとき、大阪では レストランが 増えていました。
しかし おでんは あまり 有名ではありませんでした。店を 作った 人は、ほかの レストランと 違う 料理を 出そう と考えて、おでんの 店を 作りました。1915年頃、店の 場所を 大阪から 東京・浅草に 変えました。
関西風? 関東風? ふたつの 味の いいところを あわせた おでん
おでんは 2つの 味に 分けることが できます。
鰹節(※)と 醤油を 使う 関東風の 味と、 昆布(※)と 塩を 使う 関西風の 味です。
「大多福」は はじめ、大阪の 人が 好きな 関西風に 近い 味の おでんを 作っていました。しかし、店の 場所を 東京に 変えてから 味を 変えました。それは、関東と 関西の 味を 合わせた より おいしい 味の おでんに なりました。
おでんに 使う 食べ物を 選ぶときの ルール
約40種類の 具材(※)を 使っている 大多福には、「具材を 選ぶときの ルール」が あります。
それは、「出汁(※)の おいしさを 楽しむことが できる 具材だけ 使う」という ルールです。
例えば、カレー団子(カレー味の 練り物(※))や 紅生姜(※)、しいたけなどは、そのまま 食べると とても おいしいです。
でも、それらは 味が 強すぎるため、おでんの 具材には 使っていません。
また、店の スタッフや 料理を 作る人たちは お客さんとの コミュニケーションを 大切にしています。これも おでんが さらに おいしくなる 理由の 1つかもしれません。
大多福で 人気の 具材
写真の 真ん中が 大根。後は 左から ちくわぶ、にんじん、フキ、がんもどき
大根(※)は おでんの 具材のなかで 一番 人気です。大多福でも 大根の おでんは 人気です。
出汁が 染み込んだ(※) 大根は、箸で 簡単に 切れるぐらい 柔らかいです。大根を 食べると、出汁の 味が とても よく わかります。
大根:税込(※) 330円豆腐や にんじん、れんこん、ごぼうなどで 作った がんもどきも、必ず 食べてほしい 人気の 具材です。柔らかい 豆腐と、にんじん、れんこん、ごぼうの 食感(※)が よく 合います。
がんもどき:税込 330円
にんじんや フキ、ちくわぶ(※1)なども 人気です。何を 食べたら いいか わからない 人は、ぜひ これらを 食べてみて ください。
にんじん:税込110円、フキ:税込280円、ちくわぶ:税込170円※1:ちくわぶ……小麦粉(※)だけで 作った 食べ物
お酒が 好きなら 必ず 食べてほしい 料理
大多福には、お酒に 合う 料理も あります。そのなかで、一番 人気の 料理が 「牛すじ(※)の 煮込み」(税込1,000円)と 鮪(※)ぬた(税込1,100円)です。
牛すじの 煮込みは 甘めの 味で、たくさん 食べたい と思う 味です。牛すじは、口に 入れると すぐに 溶けて(※)しまいます。
鮪ぬたは さっぱりとした 鮪の 赤身(※)を 使っています。味の ついた ワケギと 味の 濃い(※) 赤味噌と 一緒に 食べます。
なめらかな 鮪、ワケギの さっぱりとした 味、そして 赤味噌の 濃い 味……3つの 味が 一緒に なると、より おいしく なります。
帰るときは 木の 札を 忘れないで ください
入り口の 近くに ある レジは、とても レトロな 雰囲気(※)です。100年前の 店を 再現しているそうです(※)。
レジの 前に ある 丸い 木の 札は、店の 席の 名前です。
席に 座ると、スタッフが 木の 札を 席まで 持って来て くれます。お金を 払うときは、この 木の 札を レジに 持って 行きましょう!
まとめ
「おでん」は、日本の 伝統的な 食べ物で 昔から 変わらないものだ と思うかもしれません。
しかし「浅草おでん大多福」にとって、おでんは 時代(※)に 合わせて 変わり、日本に おいしい 料理を 広めた(※)ことの 象徴(※)でも あります。
その誇り(※)が あるので、100年以上 おいしさが 続いているのかもしれません。