600年受け継がれる堺の刃物文化を体感する、刃物作り見学と鍛冶体験
本記事は、日本のものづくりや伝統技術を学びたい方に向けて、世界の料理人から高い評価を受ける日本の伝統的工芸品「堺打刃物」を、フランス出身のエリック氏から直接学び、鍛冶体験と刃物作り見学を通して、職人技の奥深さを体感できるツアーを紹介します。
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目次
- 堺打刃物とは?600年受け継がれる鍛冶屋の伝統技術
- フランス出身のエリック・シュヴァリエ氏とは
- ツアーを覗いてみよう!
- 鉄製キーホルダーづくり体験|鍛冶の技を気軽に体感
- 施設見学|堺打刃物の歴史を感じる建物と庭
- ツアーの詳細
- 問い合わせ方法
堺打刃物とは?600年受け継がれる鍛冶屋の伝統技術
大阪・堺に伝わる伝統的な刃物「堺打刃物」は、柔らかい鉄と硬い鋼を組み合わせて鍛え上げる鍛冶技術により、耐久性と鋭い切れ味を兼ね備えています。この製法は長年にわたり職人へと受け継がれ、世界中の料理人から高い評価を受けてきました。現在では、国の伝統的工芸品にも指定されています。

堺の鍛冶屋では、炉で熱した鉄を何度も打ち延ばしながら刃を形作る「鍛造(たんぞう)」の工程が行われます。一打一打に集中し、微妙な温度や力加減を見極めながら金属を鍛え上げていく様子からは、職人の経験と勘、そして高い技術力を間近で感じ取ることができます。
今回のツアーでは、こうした堺打刃物の製造現場・鍛冶屋を見学するだけでなく、実際にハンマーを振り下ろし、鉄を打つ鍛冶体験が可能です。力強い作業の迫力と、長い歴史の中で磨かれてきた伝統技術の奥深さを、五感で体感できる貴重な機会となっています。

フランス出身のエリック・シュヴァリエ氏とは
堺で修行を積んだフランス出身のエリック・シュヴァリエ氏は、日本の言葉や文化に魅了され、2012年に来日しました。堺の老舗鉄鍛冶「佐助」で修行を重ね、日本の伝統的な鍛冶技術と堺打刃物の製法を学びます。その技術と取り組みは高く評価され、2015年にはフランス政府から「希望の星」賞を受賞しました。
約5年間の修行を経た後は、堺市産業振興センターの海外販路開拓コーディネーターとして活動。現在は、観光客への案内や講演活動、海外向けPR事業にも携わり、堺打刃物の魅力を国内外へ発信する架け橋として、日本のものづくり文化を世界に伝えています。

ツアーを覗いてみよう!
見学ツアーの様子をご紹介します。ツアーの流れは、以下の通りです。
火づくりから一連の準備 ⇒ 鍛冶体験+刃物作り見学
ここからは、鍛冶体験ツアーの様子をご紹介します。鍛冶の第一歩は、すべての工程の要となる「火起こし」から始まります。鍛冶場では、煙やにおいの少ない備長炭と、通気性の良い炉を組み合わせて火を起こします。火の勢いを細かく調整できるよう、使用するオガ炭は中が空洞のものを選んでいるのも特徴です。

さあ、いよいよ火をつけます。炭に炎が移ると、「パチパチ」と心地よい音を立てながら赤く燃え上がり、鍛冶の世界の幕開けを感じさせます。

現在ではガスを使った加熱が主流ですが、この工房では、エリックさんが自作した道具を使い、昔ながらの製法と同じく手動で風を送り込む方法を採用しています。左の装置から炉へ風を送り、炭の温度を少しずつ高めながら、火を育てていきます。

炭は次第に色を変え、やがて赤く輝き始めます。その変化を間近で見ていると、温度の上がり方や炭の状態を見極める職人の工夫と経験に、自然と引き込まれてしまいます。
十分な温度に達したところで、いよいよ鉄を炉に入れます。見た目以上に炉の中は高温で、800度を超えることもあるのだそうです。こうして、刃物作りの本格的な工程が始まります。

いよいよハンマーを手に取り、実際に鉄を打ってみます。真っ赤に熱せられた鉄にハンマーを振り下ろすと、「ガンッ!」という重く響く音とともに、少しずつ形が伸びていくのが分かります。ハンマーの重みと鉄の反発、立ちのぼる熱気を全身で感じながら作業を進めるこの瞬間は、まさに職人の仕事を体で理解する時間。ものづくりの現場に立つ臨場感と、鍛冶の奥深さを実感できます。

鉄製キーホルダーづくり体験|鍛冶の技を気軽に体感
鉄を使ったキーホルダーづくりに挑戦してみましょう。叩いたりねじったりしながら、自分だけのオリジナル作品を完成させていきます。ものづくりの楽しさを存分に味わえる時間です。

作業中もエリック氏がそばで火の状態を丁寧に確認してくれるので、初めての方でも安心です。また、鉄にまつわる話や日本語の豆知識なども交えた説明があり、体験だけでなく会話も楽しめる和やかな雰囲気が広がります。

実際にハンマーを手に取り、鉄を「カーン!」と打つと、思わず「こんなに簡単なの?」と驚く場面も。鉄はすぐに冷えて硬くなるため、一打一打が真剣勝負。「鉄は熱いうちに打て」という言葉の意味を、体で実感できる瞬間です。

ハンマーで何度も叩きながら細かな調整を重ねていくと、少しずつ形が整っていきます。作業は想像以上にスムーズに進み、やがて達成感とともに作品が完成します。

仕上げには表面に油をなじませて完成です。塗った直後に黒く変化することもありますが、これは鉄粉や酸化皮膜による自然な現象で、品質には問題ありません。油膜が落ち着くと美しい風合いに仕上がり、完成したキーホルダーはそのまま持ち帰ることができます。

施設見学|堺打刃物の歴史を感じる建物と庭
江戸末期に建てられた堺打刃物商店をリノベーションした建物の奥には、宿泊者だけが楽しめる一棟貸しの特別な宿泊空間があります。歴史ある建築の趣を残しながら現代的に整えられた空間は、ものづくりの町・堺ならではの魅力を感じさせてくれます。

また、庭のデザインに込められた工夫や、そこに育つ植物の魅力についても、エリック氏が丁寧に案内してくれます。鍛冶体験とはまた異なる視点から、日本の美意識や空間づくりの考え方に触れられる、落ち着いたひとときです。

ツアーの詳細
本ツアーでは、エリック氏が自身の体験を交えながら、堺の鍛冶の歴史やその魅力を分かりやすく紹介してくれます。炭の選び方や鉄の温度の見極めといった専門的な話に加え、実際にハンマーを手に取り鉄を打つ鍛冶体験や、刃物作りの工程見学も可能です。さらに、包丁選びのポイントや手入れ方法についても丁寧な解説があり、日常生活にも役立つ知識を学ぶことができます。大人から子どもまで楽しめる、体験と学びが融合したツアーです。
・料金:1時間あたり 25,300円(税込)~/団体料金
※対応言語により料金が異なります。
・人数:1名~20名 ※見学のみの場合は最大20名まで受付可能
・時間:約60分~約90分
・内容:鍛冶体験・刃物作り見学・鉄製キーホルダーづくり体験(2名まで)
※キーホルダーづくり体験を3名~7名希望の場合:
団体料金:50,600円(税込)~/所要時間:約2時間
・申込受付:1か月前まで
・対応言語:英語・フランス語・日本語
※上記以外の言語をご希望の場合は、別途通訳の手配が必要です。

本格的な鍛冶体験だけでなく、堺の歴史に触れたり、施設全体をじっくり見学することもできます。日本語・英語・フランス語を自由に操るエリック氏が案内してくれるため、海外からのお客様にも人気があり、言語の不安なく安心してご参加いただけます。海外からのご見学も大歓迎です。

問い合わせ方法
1.下記フォームから、必要事項を記入し、お問合せください。
2.3営業日以内に "industrial.tourism@nankai.co.jp"からご連絡させていただきます。
空き日程のご相談から、ツアーの詳細情報まで、お気軽にお問合せください!
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