【鳥取】大山と日野川を巡る、山と海の絶景とグルメで癒される旅
鳥取県西部から中部に広がる大山山麓・日野川流域エリアには見どころが満載。本記事では西から東へ、境港市、米子市、日吉津村、伯耆町、琴浦町、倉吉市を巡る観光プランを紹介します。水木しげるゆかりのスポットや海辺の温泉、大山の麓の景観、歴史情緒あふれる街並みを満喫できます。
大山山麓・日野川流域は、日本海と中国山地に挟まれ、山と海の絶景を一度に楽しめるエリアです。JR山陰本線と国道9号線が西から東へと通っており、岡山や島根方面からのアクセスも良好。鉄道やレンタカーで巡りやすいのも魅力です。

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この地域を象徴する存在といえば、日本百名山のひとつである「大山(だいせん)」と、その源流から注ぐ「日野川」です。日本海から山あいへと続くこのエリアには、山や川、集落の暮らしが広がり、豊かな自然とともに育まれてきた歴史ある風景が残っています。
また、この地域は四季折々の自然に恵まれています。登山や温泉、海岸散策に加え、地域のお祭りなども楽しめます。訪れる季節によって異なる表情が見られるのも魅力。また、水が清らかなため、地酒文化や酒蔵、郷土料理も多様な発展を遂げてきました。
本記事では、JR山陰本線と国道9号線をメインルートに、境港市、米子市、日吉津村、伯耆町、琴浦町、倉吉市の見どころをご紹介。西から東へ日本海沿いを中心に進みながら、絶景と地元の美食を堪能しましょう。
【境港エリア】漫画文化と港町グルメが楽しめる海辺の街

境港市は日本有数の漁港を擁する港町であり、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者である漫画家・水木しげる氏の故郷としても知られています。水木氏が生み出した「妖怪文化」が街に賑わいをもたらし、日本海直送の新鮮な海鮮料理が味わえるのもこの街らしさです。異世界への想像力と日常の風景が自然に溶け合い、ここでしか感じられない港町情緒を醸し出しています。

水木しげる記念館は、水木しげるの作品世界を楽しみながら知ることができる施設です。代表作「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめ、漫画や妖怪画、水木しげるの言葉などを映像や立体物も交えて紹介しており、貴重な原画をほぼ年間を通して鑑賞することができます。

入館チケットは一枚ずつデザインが異なり、水木氏の名言が印字されています。これらは館内の第6章の「水木しげるの言葉」の展示でも見ることができるため、チケットと展示を照らし合わせながら鑑賞するのもオススメ。
その他にも、第4章にある「妖怪洞窟」では、妖怪たちが絵の中から飛び出し、まるで生きているかのような立体展示も見られます。薄暗い照明が空間をミステリアスに演出しており、ぜひ現地でその臨場感を体感してみてください。
【水木しげる記念館】
住所:〒684-0025 鳥取県境港市本町5番地
営業時間:9:30〜17:00まで(最終入場は16:30まで)
公式HP:https://mizuki.sakaiminato.net/

記念館から続く商店街「水木しげるロード」には、妖怪たちをモチーフにした可愛らしいブロンズ像が並びます。ブロンズ像は全部で178体にものぼり、フォトスポットとしても人気。なお、夜はライトアップされるので、昼とは違う幻想的な表情に出会えます。

水木しげるロードには、カフェや鬼太郎をモチーフにしたお菓子やグッズを販売するお土産店に加え、老舗の飲食店や専門店が立ち並びます。スタンプラリーもあるので、散策がいっそう楽しくなるでしょう。運が良ければ、駅前でゲゲゲの鬼太郎のラッピング電車に出会えるかもしれません。

「境港水産物直売センター」は、日本海直送の海の幸が集まる直売所です。冬は紅ズワイガニや松葉蟹が並び、旬の味覚に出会えるのも楽しみのひとつ。素材をそのまま並べる直売スタイルは活気に満ち、港町の暮らしを肌で感じられます。
水木しげるロードを歩いたあとに立ち寄ると、妖怪の世界の「想像力」の余韻を残したまま、市場の「日常」に出会えます。この二つが共存する独特のバランスが、この地の最大の魅力だと感じさせてくれます。

市場では、厳選された新鮮な魚介類を堪能でき、近隣のレストランでは地元の料理人が腕を振るう料理が楽しめます。海鮮好きにはたまらない、贅沢なひとときです。
なお、市場には魚介加工品を販売する小さなお店も並ぶので、お土産選びにもオススメです。
【境港水産物直売センター】
住所:〒684-0034 鳥取県境港市昭和町9-5
営業時間:8:00〜16:00頃
公式HP:https://sanmaki-direct.jp/index.html
【米子エリア】温泉、歴史、海と山が共存するまち

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米子市は鳥取西部の中心で、商業施設や宿泊施設が充実しています。旅の途中に立ち寄るにも、周辺観光の拠点にするにも便利なまちです。日本海に面しながら、大山を望める立地にあり、海と山の両方を身近に感じられます。

Picture courtesy of 華水亭
「皆生(かいけ)温泉」は、山陰を代表する海辺の温泉地です。日本海のすぐそばにあり、海に最も近い温泉地のひとつとして知られています。波音や潮風を感じながらゆったりと温泉を楽しめるのが魅力です。
温泉街には足湯や飲食店が点在しています。地元の人々の日常を感じながら、心身をリフレッシュさせることができるでしょう。
【皆生温泉】
住所:〒683-0001 鳥取県米子市
公式HP:https://www.kaike-onsen.com/index.php

©︎Yuichi Oka
「米子城跡」は、歴史的な城跡であると同時に、絶景を望める展望スポットでもあります。市街地の高台に位置していて、360度の大パノラマが広がり、晴れた日には日本海と大山まで見渡せます。
絶景で特に注目したいのが、「オレンジロード」と「ダイヤモンド大山」です。5月中旬〜下旬と7月下旬〜8月上旬の夕暮れ時には、湖面に一直線の光が伸びる「オレンジロード」が現れます。また、2月20日頃と10月22日頃には、気象条件が良ければ、大山山頂から朝日が昇る「ダイヤモンド大山」が見られることもあります。米子を訪れたら一度は目にしたい、季節と時間が織りなす、米子屈指の景観です。
【米子城跡】
住所:〒683-0824 鳥取県米子市久米町
営業時間:24時間営業
公式HP:https://yonagocastle.com/
【日吉津エリア】地元の暮らしに触れながら買い物も楽しめる、寄り道スポット

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米子市郊外に位置する日吉津村(ひえづそん)は、地元の暮らしに触れながら買い物が楽しめる旅の立ち寄りスポットです。大型ショッピングモールや地元の人でにぎわう市場があり、ドライブの合間の休憩やちょっとした買い出しに最適。

イオンモール日吉津に隣接する「新鮮市場」には、日本海近海で獲れた旬の魚介類や干物が並びます。また、海鮮丼、てんぷら、牛骨ラーメンなどこの地域の味覚を堪能することができます。
【新鮮市場】
住所:〒689-3553 鳥取県西伯郡日吉津村日吉津1026-1
営業時間:9:30〜17:00
定休日:水曜日、1月1日休
各店舗URL:ひえづマルシェtulipana、天ぷらまさお、山芳亭、牛骨ラーメンだいざん、木村鮮魚店

Picture courtesy of 日吉津村総務課
日吉津村では、ここならではの春の風景も見逃せません。満開のチューリップ畑と河川敷の桜並木が彩りを添え、その奥にはまだ雪をまとった大山が重なります。山陰の春を象徴する、短くも美しい絶景です。
【伯耆エリア】山麓で浸る、高原温泉とアート

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日本海沿岸から内陸へと向かうにつれ、標高が上がって視界が開けてきます。高原地帯に入ると、「伯耆富士(ほうきふじ)」と称される大山の雄大な姿を、より間近に望めます。この一帯は名水が湧く土地としても知られ、美味しい料理と美しい景観を合わせて楽しめるエリアです。

「メルキュール鳥取大山リゾート&スパ」は、大山と日本海に挟まれたこの地の魅力を満喫するのに最適な宿泊施設です。山あいにありながらも、米子駅からは毎日送迎バスが運行されています。さらに大山博労座(だいせんばくろうざ)へ向かう登山者やスキーヤー向けの送迎サービスも用意されています。

12Fのラウンジでは、お菓子やコーヒー、お茶を楽しみながら広大な景色を独り占めできます。共用エリアだけではなく、一部の客室からも雄大な大山の景色を望め、景観に浸りたい人には特にオススメです。
館内では、ハンドドリップ体験ができたり、快適なワークスペース、整備された森林遊歩道など多彩な施設がそろっています。多くのサービスが宿泊料金に含まれる「オールインクルーシブ」形式のため、追加料金を気にせず、ホテルでゆったりと贅沢な時間を満喫できます。

Picture courtesy of メルキュール鳥取大山リゾート&スパ
料理には地元の食材がふんだんに使われ、山陰らしい素朴で温かみのある郷土の味が表現されています。朝食・夕食ともにビュッフェスタイル。和食や洋食、創作料理まで幅広くそろいます。
温泉は大山の地熱を利用したもので、広々とした大浴場や露天の壺湯を楽しめます。湯上がりにはサウナで汗を流したり、ソファエリアで飲み物を片手にのんびり過ごすのもいいでしょう。
【メルキュール鳥取大山リゾート&スパ】
住所:〒689-4108 鳥取県西伯郡伯耆町丸山字中祖1647-13
公式HP:https://mercure-tottoridaisen-resortandspa.jp/

Picture courtesy of Daisen Resort 沢田ベース
また、アウトドア派の人には、近くにあるグランピング施設「Daisen Resort 沢田ベース」もオススメです。滞在を快適にしてくれる設備が整っていて、家族やグループで大自然を満喫するのにぴったりです。
【Daisen Resort 沢田ベース】
住所:〒689-4214 鳥取県西伯郡伯耆町岩立
公式HP:https://sawadabase.com/

Picture courtesy of 植田正治写真美術館
「植田正治写真美術館」は、構図の美しさで知られる植田正治の世界を、シンプルでモダンな建物の中で楽しめます。美術館は風景を邪魔しないミニマルな建築で、展示空間そのものが写真の世界観を引き立てています。特に2階の大きな窓から見える「大山」は絶景で、窓枠がそのまま写真のフレームのようになり、外の自然をひとつの作品として映し出します。写真と自然が共存する芸術空間が広がります。
【植田正治写真美術館】
住所:〒689-4107 鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3
営業時間:10:00-17:00(入館は閉館の30分前まで)
公式HP:https://www.houki-town.jp/ueda/

※リニューアル前の外観です。Picture courtesy of 大山まきばみるくの里
「大山まきばみるくの里」は、大山乳業農業協同組合が運営する観光施設です。大山放牧場内にあり、タイミングが合えば放牧されている牛を見られることも。眼下には弓ヶ浜半島、見上げれば大山を眺められる絶好のロケーションの中で、白バラ牛乳を使用した特製ソフトクリームを食べるのがオススメです。施設には、自慢の牛乳や乳製品を使ったメニューを提供するレストランや、大山乳業の牛乳・乳製品、お土産にぴったりなお菓子などが購入できるショップもあります。また、4月下旬のリニューアルオープン後にはテイクアウトコーナーが新設され、天気の良い日には芝生広場でのピクニックもオススメです。
※施設改装工事のため4月下旬ごろまで休業中です。詳細のリニューアル情報は公式HPをご確認ください。
【大山まきばみるくの里】
住所:〒689-4101 鳥取県西伯郡伯耆町小林2-11
営業時間:10:00〜17:00
公式HP:https://dainyu.or.jp/home-of-milk/
【琴浦エリア】海岸線に広がる穏やかな自然景観

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琴浦一帯は、港町や宿場町の歴史的な風情が残り、落ち着いた懐かしい雰囲気が漂っています。海岸線に沿って変化に富んだ絶景が続き、自然が満喫できる魅力的なエリアです。

Picture courtesy of PIXTA
「鳴り石の浜」は、丸い石が幾重にも重なってできた珍しい海岸です。波が打ち寄せるたびに石同士がぶつかり合い、「カラコロ」と音を立てることから名付けられました。軽やかな石の音と海の景色が寄り添い、心を落ち着かせてくれる癒やしのスポットです。「よく鳴る」と「(運気が)良くなる」をかけて、石に願い事を書いて海に投げ入れる観光客の姿も多く見られます。
【鳴り石の浜】
住所:〒689-2501 鳥取県東伯郡琴浦町赤碕1929-11
公式HP:https://www.kotoura-kankou.com/spot/nariishi_beach

Picture courtesy of 一向平キャンプ場
「一向平(いっこうがなる)キャンプ場」は、2020年に国立公園内に整備・リニューアルされたキャンプ場です。大自然を身近に感じられる滞在拠点として利用され、日本の滝百選に選ばれた「大山滝」へのハイキングコースの起点にもなっています。春・夏・秋と季節ごとに楽しめ、静かな環境でゆったりとした時間を過ごしたい人に最適。
公式HPでは英語版も用意されていて、外国人観光客にも利用しやすいのが特徴です。
【一向平キャンプ場】
住所:〒689-2336 鳥取県東伯郡琴浦町野井倉688-130
公式HP:https://tottori-camppark.jp/ikkoganaru/
【倉吉エリア】風情ある歴史的街並みと買い物スポット

倉吉市の歴史地区には伝統的な建築物が多く残り、レトロな雰囲気が漂います。白壁と赤い瓦の建物が連なる景観は、どこを切り取っても絵になります。レトロな街並みを歩きながら撮影を楽しめる、人気のフォトスポットです。

「鳥取県立美術館」は、鳥取の新たな芸術文化の拠点として2025年3月に開館しました。館内には多彩な展示に加え、カフェやミュージアムショップも併設され、展望テラスなど無料で楽しめるフリースペースも数多くあります。作品鑑賞にとどまらず、だれでも気軽にアートを感じられる場所です。
【鳥取県立美術館】
住所:〒682-0816 鳥取県倉吉市駄経寺町2-3-12
営業時間:9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
公式HP:https://tottori-moa.jp/

Picture courtesy of 倉吉市観光交流課
中心市街地のほど近くに広がる「白壁土蔵群(しらかべどぞうぐん)」は、倉吉の象徴的な風景です。江戸時代から明治時代にかけて建てられた白い壁と赤い瓦の蔵が川沿いに並び、歩いていると、時の流れがゆるやかな別の時代に迷い込んだような感覚に包まれます。

白壁土蔵群の付近には、古い蔵を改装したショップやカフェが18店舗ほど点在し、和雑貨や伝統工芸品をのぞきながら、和スイーツ巡りも楽しめます。なかでも赤瓦一号館は、大正時代に建てられた醤油の仕込み蔵を改装した施設です。太い梁が交差する五重構造の屋根組みは、見応えがあります。

1Fでは地元の特産品やお土産を販売し、2Fには伝統工芸品の展示に加え、休憩スペースも設けられています。
【赤瓦一号館】
住所:〒682-0861 鳥取県倉吉市新町1-2441
営業時間:9:00~17:00
公式HP:https://akagawara.jp/list/ichigokan/
散策の合間には、静かに佇む大蓮寺や大岳院へ足を運ぶのも良いでしょう。落ち着いた空気の中で、歴史の重みを感じられます。
大山山麓・日野川流域エリアを巡って景色や食、歴史を堪能
鳥取県西部から中部へと広がる大山山麓・日野川流域を巡るルートは、日本海の海岸美や大山の雄大な景色、地元の豊かな食、そして歴史ある街並みを一度に楽しめます。鉄道や幹線道路沿いに見どころが点在しているため分かりやすく、旅程も柔軟に組めます。
レンタカーでも公共交通機関でも無理なくゆったりと巡ることができるこのエリアで、大山山麓・日野川流域ならではの魅力をぜひ体感してみてください。