[大分県南部(臼杵・佐伯)]発酵と伝統を旅する。大分サステナブル・ガストロノミー
海と歴史が醸す大分サステナブル・ガストロノミー。臼杵・佐伯エリアの発酵文化、生姜、牡蠣、お酒を紹介します。江戸時代の知恵の復活や自社有機栽培の挑戦など、海と山、人と微生物が共に作り上げる「奥深い食文化の物語」を深く知る旅へご案内します。
「大分サステナブル・ガストロノミー」とは、食材の産地から食卓に至るまで、その土地ならではの歴史や環境を守り、持続可能な食の未来を育む考え方です。城下町の面影が残る臼杵や、世界へひらく「麹(こうじ)の町」佐伯では、職人たちが伝統を現代へと繋いでいます。
江戸時代の文献から復活した魔法の調味料「塩こうじ」。自社で有機栽培した生姜から生まれる伝統の「煎餅」。そして、一度途絶えた日本酒の復活や、太陽と潮風が育む島の「牡蠣」。海と山、そして人と微生物が共に作り上げる奥深い物語に触れる、食文化を深く知る旅へご案内します。
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目次
- 1. 後藤製菓(臼杵市):生姜のぬくもりが、まあるくめぐる町で
- 2. 久家本店(臼杵市):土地の食と歩幅を合わせる、誠実な酒造り
- 3. 新栄丸(佐伯市):海を耕し、太陽と潮風で育てる大入島オイスター
- 4. ぶんご銘醸(佐伯市):途切れた伝統を地域と蘇らせた「佐伯飛翔」
- 5. 糀屋本店(佐伯市):江戸の知恵を未来へ繋ぐ「塩こうじ」の力
1. 後藤製菓(臼杵市):生姜のぬくもりが、まあるくめぐる町で
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かつて生姜の一大産地だった臼杵市で、創業から100年以上にわたり「臼杵煎餅」を作り続けているのが後藤製菓です。
Eat to Support:有機の畑を4倍に広げる挑戦
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代表の後藤さんは、失われつつあった「臼杵生姜」を復活させるため、2022年から農薬や化学肥料を使わない自社栽培を始めました。有機栽培は手間がかかり、必要な農地も通常の4倍必要ですが、それは「オーガニックな農地を4倍に増やせる」ということでもあります。この製品を選ぶことは、美しい里山の景観と安心な土壌を守る支援につながります。
Process & Passion:伝統を守る、刷毛の手仕事
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臼杵煎餅の表面にある木目のような模様は、今も職人が一枚ずつ刷毛(はけ)で生姜蜜を塗って描いています。この丁寧な手仕事が、噛むほどに広がる優しい香りと味わいを生み出しています。
ここに行けば食べられる
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後藤製菓 本店「石仏会館」:伝統の煎餅はもちろん、自社有機生姜を別府の温泉蒸気で仕上げた『有機ジンジャーショット』などの新ブランド「生姜百景」も購入できます。
〒875-0064 大分県臼杵市深田118
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TEL:0972-65-3555
営業時間:8:00~16:30
定休日:無休
アクセス:JR臼杵駅からバスで約20分、臼杵石仏バス停下車すぐ
Instagram:@usukisenbei_gotoseika
2. 久家本店(臼杵市):土地の食と歩幅を合わせる、誠実な酒造り
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1860年の創業以来、城下町・臼杵の食卓に寄り添う「土地の酒」を醸し続けている酒蔵です。
Eat to Support:効率よりも誠実さを選ぶ「自社醸造」
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久家本店は、効率的な「桶買い(他所から酒を仕入れること)」を一切行わず、すべての酒を自社の蔵で仕込んでいます。それは、どんな水と原料で、誰が造ったかを自分の言葉で語れる責任を持つためです。この酒を味わうことは、嘘のない誠実なものづくりを支えることでもあります。
Process & Passion:地層をくぐり抜けた「中軟水」
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酒造りの要となるのは、太古の石灰石層をくぐり抜けた井戸水です。カルシウムなどのミネラルを適度に含むこの水が、酵母の働きを活発にし、臼杵の料理にぴったりのキレと深みのある酒を育みます。
ここに行けば食べられる
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アンテナショップ 満寿屋(ますや):城下町の古い建物の中で、清酒や焼酎、リキュールを気軽にテイスティングしたり購入したりできます。
〒875-0041 大分県臼杵市 大字臼杵413番地(横町2組)
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TEL:0972-64-7122
営業時間:10:30〜16:30
定休日:月、火
3. 新栄丸(佐伯市):海を耕し、太陽と潮風で育てる大入島オイスター
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佐伯湾に浮かぶひょうたん形の島・大入島(おおにゅうじま)で、自然のリズムを味方につけた牡蠣養殖を行っています。
Eat to Support:海をきれいにし、資源を大地へ還す
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牡蠣は海水をろ過し、海を浄化する力を持っています。さらに新栄丸では、収穫後の牡蠣殻を粉砕して地域の農家へ肥料として提供し、ミネラル豊富な土作りを助けています。あなたが牡蠣を食べることは、海と陸を繋ぐ美しい循環の一部になることなのです。
Process & Passion:ニュージーランド直伝の「反転」技術
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日本で初めて導入した「フリップファーム方式」は、バスケットを定期的にひっくり返して牡蠣を日光と風にさらす方法です。太陽と風の力で殻が磨かれ、牡蠣は自らの身をぎゅっと太らせ、生命力あふれる一粒へと成長します。
ここで食べられる
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大入島食彩館:島のレストランで、目の前の海で育った蒸したての「大入島オイスター」を贅沢に味わえます。
〒876-0008 大分県佐伯市久保浦1059-11
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TEL:0972-24-8550
営業時間:9:00~17:00
定休日:水曜日(要確認)
アクセス:佐伯港からマリンバス常栄丸に乗船、「堀切」目の前
4. ぶんご銘醸(佐伯市):途切れた伝統を地域と蘇らせた「佐伯飛翔」
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山あいの清流に恵まれた直川(なおかわ)地区で、明治時代から酒造りを続けています。
Eat to Support:地域の農家と歩む、日本酒の再出発
一度は途切れた日本酒づくりを、「地元の酒をもう一度飲みたい」という人々の声に後押しされ、37年ぶりに復活させました。原料には地元産の「山田錦」などを使用し、酒を造ることで地域の米作りを守っています。この一本を選ぶことは、佐伯の豊かな田園風景を守るエールになります。
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Process & Passion:焼酎にも活かされる「吟醸」の技
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日本酒復活で磨かれた「低温でじっくり発酵させる」技術は、麦焼酎『杜谷(もりや)』シリーズにも注ぎ込まれています。原料を丁寧に磨き、焼酎でありながら吟醸酒のような華やかな香りと透明感を実現した、唯一無二の味わいです。
ここで食べられる
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ファクトリーショップ 麹の杜(こうじのもり):甘酒工場の見学ができるほか、無添加の甘酒や限定の酒、甘酒を使ったスイーツなどが揃っています。
〒876-0045 大分県佐伯市上岡 字船河内2810番28
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TEL:0972-48-9386
営業時間:10:00~17:00
定休日:木曜日
5. 糀屋本店(佐伯市):江戸の知恵を未来へ繋ぐ「塩こうじ」の力
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元禄2年(1689年)創業。「こうじ屋ウーマン」こと浅利妙峰さんが、忘れられかけていた「こうじ」の力を再び台所へ呼び戻しました。
Eat to Support:みんなの宝として「分かち合う心」
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かつては各家庭で作られていた味噌作りが減り、糀屋が岐路に立たされた時、浅利さんは江戸時代の文献から「塩糀」を調味料として再発見しました。この知恵を独り占めせず、レシピ本や講習会を通じて広めることで、人と人を再び繋ぐ「分かち合う文化」を大切にしています。
Process & Passion:酵素が生きる、魔法の調味料
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こうじ菌が作り出す「酵素」は、食材のタンパク質などを分解して旨味を引き出し、消化を助けます。糀屋本店の塩糀は、酵素の力を壊さないよう丁寧に作られており、ただ「おいしい」だけでなく、食べる人の体も整えてくれます。
ここで食べられる
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糀屋本店:江戸時代の風情を残す店舗で、生きた酵素たっぷりの塩糀や、海外旅行にも便利なパウダー状の『キスケ糀パワー』シリーズが購入できます。
〒876-0831 大分県佐伯市大手町3-4-11
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営業時間:9:00~17:00
定休日:日曜、祝日
TEL:0120-166-355
南部(臼杵・佐伯)エリアでは、海と山、そして歴史が織りなす「発酵の物語」を深く味わう旅が待っています。大分の他のエリアでも、独自のサステナブル・ガストロノミーの物語が続いています。
お皿の上には、食を支える人々の工夫や知恵、 そしてこの土地の風土や歴史が凝縮されています。 昔ながらの味、どこか懐かしいのに新しい味、 風景や人の顔が思い浮かぶ味、 おどろきや発見に満ちた味。 時代の移り変わりに合わせて変化し続ける、 その味わいの向こうにある文化を 未来へとつなげていくこと。 それが私たちの目指す サステナブル・ガストロノミーのかたちです。