村内全て源泉かけ流し!雄大な自然に癒やされる奈良県・十津川温泉郷
1000m級の山々とエメラルドグリーンの川が生み出す独特な地形が美しく、世界遺産・熊野古道の「小辺路」が通う十津川温泉郷は、その泉質の素晴らしさから「国民保養温泉地」に登録される温泉地の1つ。その魅力を探っていきましょう!
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目次
- 村内全域、源泉かけ流し!3種類の温泉を楽しめる十津川温泉郷
- 【日帰り温泉】 滝を眺めながら露天風呂を満喫!「滝の湯」
- 【日帰り温泉】飲泉や足湯と一緒に、十津川村らしい絶景を楽しむ「庵の湯」
- 【宿泊】宿泊は、温泉ソムリエのいる「ゑびす荘」へ
- 十津川温泉郷をさらに楽しむためのポイント
- アクセス情報
十津川温泉郷のグルメや観光スポットについてはこちらの記事もご覧ください。
村内全域、源泉かけ流し!3種類の温泉を楽しめる十津川温泉郷
2004年に全国に先駆けて「源泉かけ流し宣言」
十津川村の温泉が、国内外の温泉ファンを魅了する一番の理由は、村内のすべての施設が「源泉かけ流し」であること。これは、温泉のお湯を薄めたり、循環させたり、沸かしたりせずにありのままをそのまま使っている状態を指します。十津川村の豊富な湯量があってこそ実現する贅沢な温泉体験なのです。2004年には、日本で初めて「源泉かけ流し宣言」をし、その泉質の素晴らしさや周辺環境の良さからも癒やしの温泉地として国民保養温泉地に登録されています。
魅力的な3種の泉質
地域によって異なる種類の温泉を楽しめるのも十津川村だからこその魅力。各種温泉の特徴について見ていきましょう。
最も歴史があるのが渓谷沿いにある「湯泉地(とうせんじ)温泉」。単純硫黄泉と呼ばれる種類の温泉で、全般的な病や怪我に効能があるとされています。
最も民宿や商店などが集まった二津野ダム湖畔にあるのが「十津川温泉」。ナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉に分類され、美肌効果、湯冷めのしにくさが特徴です。「十津川温泉」は飲泉をすることができ、村内では温泉を使った料理を味わえる宿もあります。
「上湯温泉」の特徴は、地元の方の言葉を借りれば「まるで美容液に浸かっているような」温泉。含硫黄ナトリウム炭酸水素塩泉と呼ばれる分類で、美肌効果が強いと言われています。
公衆浴場や旅館など20箇所ほどの温泉施設がある十津川村。以下では、その中でも特におすすめのスポットをその魅力と合わせてご紹介していきます。
【日帰り温泉】 滝を眺めながら露天風呂を満喫!「滝の湯」
十津川村の中央に位置する公衆浴場「滝の湯」。こちらは流れ落ちる滝を眺めながら、温泉を楽しむ事ができるスポットとして有名です。内湯と露天風呂2つの温泉があり、内湯から階段を降りて、露天風呂に向かう流れとなります。
内湯へ向かう廊下や、内湯の壁、露天風呂へ向かう通路も温かみのある木材で作られているのも滝の湯の特徴です。余談ですが、十津川村は村の9割以上が森林で、林業の盛んな土地でもあります。以前は、村を流れる川に材木を浮かべて運んでいたのだとか。とても興味深いですね。
湯泉地温泉である滝の湯は、ほのかな硫黄の香りが特徴。かけ湯をしてからゆっくり温泉に入ると、温泉の効果が身体に染み渡っていくかのような感覚になります。
内湯でしっかり温まったあとは、露天風呂でゆっくり。風呂のすぐ脇には、緩やかな滝が流れています。アツアツのお湯に浸かって、鳥の鳴き声や水音を聴いていると、なんだか自分も自然の一部になったかのような感覚になり、日々の疲れも消えていきます。
【日帰り温泉】飲泉や足湯と一緒に、十津川村らしい絶景を楽しむ「庵の湯」
二津野ダム湖畔にある「十津川温泉 庵の湯」も地元民や観光客に人気の公衆浴場の1つ。入り口には、「飲泉(いんせん)」スポットもあります。一口飲んでみると、若干の塩気と苦味を感じますが、まろやかで飲みやすく、身体の中からポカポカ温まります。
階段を降りて、券売機でチケットを買ったら受付の人に渡して、いざ温泉へ!木材がふんだんに使われた浴室の温泉は、木の香りとほのかな鉄分の香りがする、入りやすいお湯でした。そして浴室の大きな窓からは、山々と川の織りなす雄大な景色を堪能することができます。この景色を見ると「十津川村に来たのだな」と感じられます。
庵の湯には足湯もあるので、入浴前後にぜひ楽しみたいですね
【宿泊】宿泊は、温泉ソムリエのいる「ゑびす荘」へ
十津川村に来たのなら、公衆浴場と合わせて旅館の温泉も楽しみたいもの。そんな方におすすめなのが、庵の湯から徒歩5分程の場所にある、旅館 えびす荘です。地産地消の絶品野菜料理と源泉かけ流し温泉を楽しめる宿で、ご主人の玉置さんは温泉ソムリエの資格も保持しています。
温泉は、露天と内湯(家族風呂)2種類があり、チェックインからチェックアウトまでいつでも気軽に入れるところが魅力です。天気が良ければ、夜には満点の星空を眺めながらゆったり温泉を楽しむこともできますよ。
ゑびす荘の魅力は、その温泉と十津川村で取れた季節の野菜を使った絶品料理。「野菜ってこんなに美味しかったのか」と感じる手の込んだメニューばかりで、一泊した後には心も身体も癒やされるような旅館です。
十津川温泉郷をさらに楽しむためのポイント
温泉だけじゃもったいない!飲泉や足湯も一緒に楽しもう
十津川温泉郷はいたるところに、足湯や飲泉(※十津川温泉のみ)スポットがあります。温泉巡りや観光もいいですが、時には足湯でゆったりするのおすすめです。地元の方と話が盛り上がることもあるかもしれませんよ?
・道の駅 十津川郷:特産物の販売や観光案内はもちろん、大きな足湯もあります
・平谷地域交流センター いこら:足湯、手湯、飲泉が揃った地域交流センター。日替わりで地元産野菜や、特産品販売、カフェなどが開かれる
入浴のマナーや、急激な温度の変化に気をつけて!
温泉に入るときは、皆が気持ちよく入浴できるように、入浴前にかけ湯や、湯船にタオルや髪の毛をつけない、脱衣所に戻る前に水分をタオルで拭き取るなどの入浴マナーに気をつけましょう。
また、冬場などは外気と温泉の温度差により、立ちくらみがしたり、体調が悪くなるなどのヒートショックになることもあります。入浴前にかけ湯をしたり、飲酒後の入浴はなるべく避けるようにしましょう。
アクセス情報
十津川温泉へのアクセスは、車かバスのみとなります。(村内はタクシーを使って回ることも可能)
東京から新幹線と鉄道、バスを使って行く場合
十津川村へのアクセスはバスか車のみ。東京駅から東海道新幹線で京都駅へ向かい、そこから近鉄奈良線で大和八木駅へ。大和八木駅から特急301系統新宮行き(バス)に乗り、十津川村役場で下車。バスの乗車時間は5時間ほどで途中に2回休憩が入ります。(全体でかかる時間は7時間程です)バスは一日に3本しかないため、運行表を確認の上、利用しましょう。
大阪から車で行く場合
阪和自動車道の松原JCTから、美原JCTで南阪奈道路に乗り換えます。そこから葛城ICまで向かい、京奈和自動車道で五條ICへ。国道310号、国道168号を経由し十津川温泉へ向かいます。国道168号は、山道のためカーブが多く、冬場は道路が凍結することもあるので休憩を取りながら、十分に気をつけて運転しましょう。
国民保養温泉地とは、温泉利用の効果が十分期待され健全な保養温泉地として、「温泉法」に基づき環境大臣によって指定されています。全国に79箇所の温泉地が指定されています。(2024年10月現在) 国民保養温泉地の選定は、おおむね以下の基準によって行われています。 第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件 (1)利用源泉が療養泉であること。 (2)利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。 第2 温泉地の環境等に関する条件 (1)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。 (2)医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。 (3)温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。 (4)災害防止に関する取組が充実していること。