東京都唯一の名神大社、物忌奈命神社と阿波命神社を参拝しよう
東京に2つしかない格式高い神社が両方とも神津島にあるって知ってましたか? 島民に大切にされてきた信仰は伝統や神事と共に島の暮らしに今でも根付いています。
東京に2つしかない格式高い神社がどちらも神津島にある
神津島は、その昔「神が集まる島」とされ、伊豆諸島の神様を集めて相談事をするために、2番めに作られた島と言う言い伝えが残っています。神話は伝説は人々に語り継がれ、神事は漁師さんを中心に受け継がれることで、今でも島の生活に根付いています。今回はそんな神津島の歴史の中心となる「神社」についてご紹介します。
神津島の「名神大社」って、すごいの?
式内名神大社とは古代神社の社格の1つで、古来より霊験あらたかとされる名神様を祀る神社とされています。
西暦927年に完成したとされる「延喜式神名帳」に記載されている日本全国の神社2861社のうち、名神大社の社格を与えられたのは220社ほど。さらに東京都にある名神大社は、神津島にある「物忌奈命神社」と「阿波命神社」2社のみとされています。
つまり、わかりやすく言うと、神社のカタログ(延喜式神名帳)にのっている全国の神社のうち、すごいパワーを持つ神様がいる神社が「名神大社」と格付けされていて、東京には2つしかないが、そのどちらも神津島にある!ということ。
それはぜひ、旅で訪れたらご挨拶に行かねばなりませんね。
物忌奈命神社
物忌奈命神社は島の鎮守である「物忌奈命」が祀られています。
村の中心にあることからも、島の中で「神社」といえば、この物忌奈命神社のことを指します。
次に紹介する夏の例大祭の他にも、節分や七五三といった現代に残る行事もこの神社で執り行われます。
残念ながら最近消滅して今った神事「くじ祭り」もこの物忌奈神社で行われていました。くじ祭りとは、タカベ漁の漁場や順位を「くじ」を引いて決める漁師さんの神事でしたが、タカベを獲る漁師さんが激減し、網組(漁師さんのグループ)が成り立たなくなってしまっため、この神事も無くなってしまいました。
夏の例大祭と重要無形民族文化財「かつお釣り神事」
神津島の夏のお祭りといえば、毎年7月31日から8月2日にかけて物忌奈命神社を中心に行われる例大祭とカツオ釣り神事のことを指します。漁の安全と豊漁を祈願したお祭りで、中でも「カツオ祭り神事」は重要無形民族文化財に指定されています。船を模した竹を持った漁師さん達が「ヤシ!ヤシ!」と元気な掛け声と共に、カツオ釣り〜市場へ卸すとことまで昔の所作と言葉をもとに再現します。撒き餌に見立ててお菓子や現金が撒かれ、それに群がる観客は餌に群がるカツオに見立てられて、釣り上げられる様子はとても賑やかで楽しく、観光客も、島の人も一緒になって盛り上がります。
阿波命神社
阿波命神社は村落からは少し離れた長浜海岸の近くにあり、「長浜さま」とも呼ばれています。
祀られている阿波命は、鎮守である物忌奈命の母であり、夫である事代主命の本后というとても格式の高い女神さまです。
伊豆諸島を作ったと言われる、事代主命は他の后を他の島においたとされていますが、阿波命は嫉妬し、他の后の宝石を奪い集めたといわれているのが、長浜海岸の玉石です。神津島の中でも長浜海岸にだけ、赤、青、黄色、白…と色とりどりの石が集まっていて、「五色浜」とも呼ばれています。とても綺麗ですが決して持って帰ってはいけませんよ!もしも持っていってしまうと、阿波命の恨みをかってしまうといわれています…!
「潮花」をお供えする
少し変わったお参りの風習が根付いているのが、阿波命神社です。
長浜海岸で波に洗われ清められた砂を、平らな石の上に盛ったものを「潮花」と呼び、これを鳥居や本殿前の階段などに供えます。
毎年4月15日の例大祭「長浜まつり」の日には、島民が集まり、まずは潮花を作ってお供えし、本殿へお参りをします。このお祭りも漁の安全と豊漁祈願とされ、大切に受け継がれている神事です。阿波命神社が村落から離れていて、昔から家族揃って出かけたためか、この日はお参りの後、ピクニックのように家族で食事を楽しむ習慣があり、今でもお参りの後はみんなで集まってバーベキューをするのが定番になっています。
まとめ
いかがでしたか?神津島には他にも小さな神社が残っていたり、神話や伝説がたくさん残っています。
神社へご挨拶を済ませたら、島の人に詳しく聞いてみるのも楽しいですね!
何か叶えたいお願いがある方は、名神様のパワーにあやかることもできるかも…!
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合同会社FamiliAは、神津島で「みんなの別荘ファミリア」を営みながら、地域の魅力を伝え、文化を残すため、宿の領域を超えた活動をしています。 2024年1月には、神津島の観光アプリ【まるっと!神津島】をリリース! 旅マエから島のことがよくわかる<神津島すごろく>と現地を訪れた人だけが体験できる<ドラマチック音声ガイド>2つの機能を持つ全く新しい観光体験をアプリで提供します。もちろん、このアプリは英語対応。日本だけでなく、海外のお客様にも神津島の本当の良さを知ってもらい、島の人と仲良くなるきっかけづくりを目指しています。