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【東京/歌舞伎座】1人で13役を演じ分ける!華やかな衣裳を大公開♪
7月の歌舞伎座では、昼の部で『星合世十三團』を上演します。 6月11日に取材会が行われ、当演目で主演を勤める市川團十郎さんが登壇。 実際に着る衣裳も展示される中、公演への思い、そして海外のお客様へのメッセージも語りました!
7月昼の部『星合十三團』とは?
1747年に初演された、古典歌舞伎の三大名作の一つ『義経千本桜』。
本作は1180~1185年に勃発した源平合戦(源氏と平家という2つの武士のグループの政権争い)をもとにした、壮大な歴史ファンタジーです。迫力満点の宙乗りや、主役13人を一人で演じる早替り(衣裳を素早く替える技)をご覧いただけます!
取材会の様子🎤👀
『星合世十三團』で主演を勤める市川團十郎さん
2019年7月の歌舞伎座での初演から5年、その間も「演じたい気持ちが強かった」と明かす團十郎。
今回は歌舞伎をご覧になったことのないお客様にも楽しんでもらえるよう、「せりふに至るまで、わかりやすさを意識したい」と、再演への意欲を見せました。
取材会の会場に並ぶ衣裳の話題になると、
「ここには私が演じる13役を象徴する衣裳が飾られていますが、ここにある衣裳だけではなく、さらにほかの衣裳もありますし、早替り用に同じ衣裳が複数用意されてもいます。早替りのときの舞台裏は、まるでF1のピットインのようです。スタッフさんたちが、本当にプロフェッショナルだからこそできることだと思います。そういうところも感じていただけるとうれしいです」と、微笑みました。
『星合世十三團』チラシ表
『星合十三團』チラシ裏
また、公演チラシに英語も併記したことについては、「最近は海外のお客様も多く、歌舞伎のみならず、このような対応が必要とされているのではないかと思います。口上に英語を入れることも相談しています」と、新たな挑戦も検討しているとのこと。最後に、「歌舞伎を観たことがない方も、気軽にお越しいただきたいと思います。現代では敷居が高く感じられるかもしれませんが、歌舞伎は元来敷居の高いものではありませんでした。日本の文化を気軽に楽しんでいただきたいです」と、熱く語りました。
プロの技が光る13役の衣裳✨
▲「佐藤忠信」源義経(源氏のリーダー)の家臣。しかしその正体は…!
▲「源九郎狐」佐藤忠信の正体は、親を亡くした子狐でした…
下半身の白い糸は、すべて職人がひとつひとつ手作業で縫い付けています…!
▲「武蔵坊弁慶」源義経の家臣
手や足の赤い模様は、血管や筋肉を大げさに表現したもので、この役の力強さを象徴しています。胸元の三升柄と牡丹は、成田屋(團十郎さんが属するグループ)の象徴です。
▲「川越太郎」源義経の妻・卿の君の父。源義経と敵対する、兄・頼朝の家臣
▲「卿の君」源義経の妻。実父が源義経の敵であるため、板挟みになって苦しみます
着物には様々な季節の花があしらわれています🌸
▲「渡海屋銀平 実は 新中納言知盛」源氏と敵対する平家の武士
着物の下に鎧を着ています。
▲「入江丹蔵」平知盛の部下で、普段は漁師に身をやつしています(扮しています)
スカートのような部分は、アイヌ民族の文様があしらわれています。
▲「弥助 実は 三位中将維盛」源氏との戦いに敗れ、すし屋の弥左衛門に匿われています
▲「主馬小金吾」平維盛の家臣
▲「すし屋弥左衛門」すし屋の主。平維盛の父に恩があり、平維盛を匿っています
紋の部分が白いのは、町人や百姓の印。
▲「いがみの権太」弥左衛門の息子。いつも賭博や盗みばかりしていますが…
▲「横川覚範 実は 能登守教経」僧侶。実は源義経を狙う平家の武士
足袋の柄はとんぼ。とんぼは前にしか進まないので、「勝虫」として武将に好まれたようです
▲「左大臣藤原朝方」後白河法皇の側近。源義経と兄・頼朝の仲を引き裂こうとする悪役
團十郎さんから海外の皆様へのメッセージ💌
最後に、今回海外の皆様へ向けて團十郎さんからメッセージが届きました。ぜひご覧ください!
7月大歌舞伎 公演情報
日程:2024年7月1日(月)~24日(水)
昼の部 午前11時~午後3時30分頃 夜の部 午後4時30分~午後8時30分頃
※昼の部と夜の部は違う演目です。それぞれ2回休憩をはさみます
【休演】10日(水)、16日(火)
場所:歌舞伎座(〒104-0061 東京都中央区銀座4丁目12−15)
都営浅草線・日比谷線 東銀座駅3番出口すぐ
英語対応:字幕ガイド、チラシ
松竹株式会社は、主に演劇事業・映像事業・不動産事業を柱とする総合エンタテインメント企業です。1895年の創業以来、日本文化の伝統を継承・発展させ、世界文化に貢献してまいりました。 中でも、日本の伝統芸能である歌舞伎に深く関わり、民間企業として唯一、その製作と興行を担っています。 歌舞伎座・新橋演舞場・南座・大阪松竹座で上演される歌舞伎公演の情報や、歌舞伎の魅力をわかりやすく、タイムリーにお伝えします。