グルメから観光まで!1200年の歴史が息づく福島・岳温泉おすすめ観光ガイド

東京から約3時間で到着する福島県二本松市にある岳温泉。開湯1200年の歴史を持つ岳温泉は、全国でも珍しい酸性の温泉で、全国から慢性皮膚炎やアトピーで悩む方が入浴しにくるそう。本記事では、岳温泉の魅力と周辺の観光スポットを詳しくご紹介します。
岳温泉とは

東京から新幹線で1時間半。従来線を乗り継いだ先にある福島県二本松市にある岳温泉は、平安時代に発見されたと伝えられている温泉です。
源泉の温度は70度超えと、温泉にしてはかなりの高温。このままでは“源泉掛け流し”の温泉として入浴できませんが、約8kmにわたって引き湯される間に天然の“湯もみ”がされ、適温のお湯になるのです。

温泉成分は全国でも珍しい酸性泉で、慢性的な皮膚炎や切り傷などに効果があると人気を博しています。
岳温泉のもう一つの特徴に、“ミルキーデイ”という特別な日があります。普段は無色透明のお湯ですが、週に1日だけ白濁したお湯に入ることができるのです。
これはお湯が通る約8kmのパイプを守り、管理している“湯守”という人たちが関係しています。お湯の番人である湯守がするのは、パイプに付着した湯の花を掃除する“湯花流し”のお仕事。湯の花をそのままにしておくと、パイプが詰まり、温泉が温泉街まで届かなくなってしまうため、何より重要なお仕事です。

湯守の方々が湯花流しをするため、週に一度だけの“ミルキーデイ”が楽しめるというカラクリなのです。
ミルキーデイはいつもよりも硫黄の香りが立ち、肌触りもまろやかに。11時ごろから徐々にお湯が白濁するため、運が良ければミルキーデイの始まりにも立ち会えるかも⁉︎
効能たっぷりのお湯と、豊かな自然に恵まれている岳温泉は、国民保養温泉地としても評価されており、健全な温泉地として認められていますよ。
岳温泉の名物スポットはココ!
岳温泉は温泉街を中心として、観光・グルメスポットが半径500mほどに集結しているエリア。そのため自家用車ではなく、電車やバスでアクセスしても、十分観光が楽しめます。
ここからは、徒歩で巡れる岳温泉の名物スポットを詳しくご紹介します。
【グルメ】観光スタート地にぴったり!最初の腹ごなしは「蕎麦処 本多屋」で決まり

昭和29年に創業した「蕎麦処 本多屋」は、昔ながらの優しい料理がいただけるお店です。

紺色の暖簾をくぐると、ログハウスのような安心する雰囲気がお出迎え。筆者が訪れた冬の時期はストーブで店内が温められており、入店した時のアットホーム感がより一層感じられました。
蕎麦屋さんですが、お店のイチオシメニューは「ニコニコラーメン」とのこと。勧められるがまま注文し「どんなラーメンだろう?」と考えているとラーメンが到着し、すぐに納得。ラーメンにはたまごとナルトで笑顔が描かれており、ニコニコラーメンが表現されていました。

思わず写真を撮りつつ、スープを一口啜ると、身体に染み渡る温かさと、あっさり醤油味にほっこり。どこか懐かしく、定期的に食べに帰ってきたくなる優しい味に落ち着いてしまいます。

ニコニコラーメンは、岳温泉が地域おこしとして名乗った「ニコニコ共和国」のコラボメニューとして、昭和57年に誕生。ニコニコ共和国が終わった後でも、看板メニューとして地元の方やスキー客、観光客に愛されているそうです。

地元に根付いた営業をしている本多屋は、お蕎麦以外にも要望に合わせてタンメンや親子丼、天丼などを提供。店主手作りの昔懐かしい料理が食べられるお店として、岳温泉街の人々に親しまれているのです。
11時から15時までのお昼営業のため、温かいランチを食べたい時や、小腹が空いた時に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
【グルメ】70年間も変わらぬお菓子を販売している「玉川屋」

岳温泉街は、源泉が湧き出る安達太良(あだたら)山の麓に、1本道になってお土産店やグルメスポットが密集しています。その1本道の坂の中腹にあるのが、昭和24年創業の菓子処「玉川屋」。

3代目店主・渡辺さんの祖父が戦争から帰還し、お菓子作りを始めたのが創業のきっかけだそう。店内には、温泉まんじゅうや羊羹といった和菓子がずらりと並んでいました。
同店の名物メニューは「くろがね焼」。昭和30年代には、スキーにおいでになった高松宮殿下への献上品にもなっていたといいます。
今回は特別にくろがね焼の製造工程を見学させていただき、ゆっくりと話を伺いました。

「くろがね焼を含め、現在作れる人は私1人しかいないため、他の仕事と調整しながらお菓子を作っています」と店主の渡辺さん。
生地作りや火加減もすべて渡辺さんがこなし、熟練技によって一つひとつ手作りで仕上げているのだとか。接客をしながらお菓子を作ることもあるそうで、言葉で表せない感覚と経験によって、70年間変わらぬ味を守り続けていることが伺えました。

渡辺さんのご厚意でいただいた作りたてのくろがね焼は、あんこのやさしい甘みが際立ち、ほくほくとした口当たり。生地がきめ細かく、ふんわりとしているため、どんどん口に運びたくなる魅力がありました。

運が良ければできたてのくろがね焼を食べられるかもしれないので、岳温泉観光をしている間に一度は立ち寄りたいお土産店です。
8:00から18:00までと営業時間が長いため、出発の日の朝や、宿に泊まる前にも来店しやすいですよ。
【グルメ】老舗和菓子店での修行から誕生!うぐいす餅から着想を得た和菓子に出会える「丸井菓子舗」

「玉川屋」を出て坂を登っていくと、その隣にあるのが「丸井菓子舗」。店頭にある「温泉まんじゅう」ののぼりや「銘菓あだたら餅」のポスターに惹かれて入店すると、店主の佐藤さんが優しく迎えてくれました。
昭和27年に創業し、現店主の佐藤さんがお店を継いだのは50年ほど前だそう。それまで佐藤さんは、六本木にある和菓子店「青野総本舗」で修行をしており、和菓子作りに精を出していたのだとか。

その頃得意としていた「うぐいす餅」から発想を得て、丸井菓子舗の看板メニュー・あだたら餅ができたといいます。
岳温泉を支えている安達太良山に由来するあだたら餅は、1袋に4つのお餅が入ったお菓子。黒糖が入ったお餅に、香ばしいきな粉をまぶした同店のオリジナルお菓子です。
一口食べてみると、ふんわりとしたお餅の食感と、噛むごとに広がるきな粉の香ばしさにほっこり。もっちりとした口当たりが楽しくなり、4つのお餅をすぐにパクパクと平らげてしまいました。

店内には他にも、1つから購入できるできたて温泉まんじゅうや、1ヶ月日持ちするカステラなど、食べ歩きやお土産にぴったりな和菓子がずらり。8:00から18:00まで営業しているため、旅の合間にふらりと立ち寄れば、お菓子との素敵な出会いができるかも…?
【グルメ】岳温泉街の夜は「よろずや」一択!

岳温泉街で唯一の居酒屋さん。それが日が暮れた温泉街にポツンと灯りを灯している「よろずや」です。18:00から22:00まで営業しており、ガッツリとした夕食にはもちろん、ちょい飲みの場にもぴったりの大人のグルメスポットです。

元々は小料理屋として営業していましたが、昭和54年に居酒屋形態にチェンジ。以降地元の人はもちろん、毎年岳温泉に遊びにくる観光客たちの憩いの場として定着しています。
よろずやの名物は野菜がメインのボリューミー餃子。1つひとつ手作りで仕込んでおり、ひと口で頬張れないほどの大判餃子が魅力なのだとか。

ひと口食べてみると、餃子とは思えないほどの軽くてふんわりとした口当たりにびっくり!パリッと焼かれているにも関わらず、皮よりも野菜の主張が強く、口いっぱいに野菜のシャキシャキ食感が広がりました。
あっという間に餃子6個が胃袋に消えてしまうため、ついつい追加注文しちゃうかも。

餃子のお供にぴったりなのが、二本松の地酒がセットになった「4種飲み比べ吟味セット」。二本松が誇る4つの蔵の地酒が飲み比べでき、写真映えもバツグンです。
この日は日本酒初心者でも比較的飲みやすいとオススメいただいた「竹」の飲み比べセットをオーダー。香りやフルーティーさが楽しめたり、喉越しの余韻を感じたりと、贅沢なちょい飲みを満喫できました。

他にも、地元豆腐店の手作り豆腐を使った冷奴や、二本松の郷土料理「ざくざく」の塩もつ煮など、よろずやでしか食べられないオリジナルメニューが盛りだくさん。お酒を注文すると、お通し代600円で、3品ほどのおつまみが出てくるところもお酒好きにはたまらないポイントです。

英語のメニューも充実しており、簡単な日本語しか分からなくても、店員さんとコミュニケーションを取りながら注文もできますよ。何度でも帰りたくなる居心地の良い居酒屋をお探しの方は、ぜひよろずやの暖簾をくぐってみてくださいね。
【温泉】岳温泉で一番熱い⁉︎ホットな入浴体験ができる「岳の湯」

岳温泉街の入り口付近にある「岳の湯」。昭和49年に創業した岳の湯は、湯元から引いたままの温度のお湯をそのまま掛け流ししている温泉施設。なんと湯口付近の温度は49度にも上るといいます。

赤い「ゆ」の文字と暖簾を目印に、岳の湯の扉を開けると、番台から「いらっしゃい」と優しい声が。木村さんの父が創業した岳の湯は、元々奥岳の山小屋でやっていたそう。しかし火事で小屋が燃えてしまったため、いまの場所に移ってきたと教えてくれました。

日帰り入浴は大人400円、小学生以上の子どもは150円と、天然温泉施設の中でも破格の安さ!10:00から19:00までが受付時間です。火曜日が定休日となっているのでご注意を!

温泉は内風呂のみのシンプルな造り。とはいえ、じっくりと身体を温め、水分休憩を挟みながら入浴するには十分な広さです。
どれほど熱いのかビクビクしながら、まずはふくらはぎまで入水。しばらくはジンジンと足先が脈打ちますが、そのうち痺れるほどの熱さが心地よい加減になってきます。次は腰まで、次は胸まで、とゆっくり身体を慣らしていくと、サウナに入っているような爽快な気分に切り替わってきました。
もちろん熱さが不安な人は、お水を入れながらの入浴もOK。筆者が訪れた際も、常連さんが「お水入れても良いからね」「まずはかけ湯から慣らすと良いよ」と初心者さんにアドバイスする優しい光景も見られました。

岳温泉は、アトピー性皮膚炎や糖尿病、切り傷などに効果があると言われています。岳の湯では日帰りだけでなく、宿泊や個室を貸し切った日帰り休憩プランもあるため、じっくり岳温泉の恩恵に預かりたい方はぜひ足を運んでみてくださいね。
【温泉】眺望の良い露天風呂が魅力の「ながめの館光雲閣」

「ながめの館光雲閣」があるのは、岳温泉街の最も高いところ。「眺望の良い場所で温泉を楽しんでいただきたい」という思いから、温泉街よりも50m高い地にオープンしたのが昭和38年のことです。

温泉街から少し離れているため車でアクセスする方がほとんどですが、宿泊であれば、予約をすれば二本松駅までの送迎も利用OK。温泉街からは、坂道を登って10分ほどで到着します。
旅館名の通り、ほとんどの客室からは阿武隈(あぶくま)の山脈が眺められるのだとか。
フロント管理長の木戸さんが「阿武隈川という大きな川があるおかげで、二本松市内は雲海の多発地帯になっているんです。うちの旅館ではその雲海を上から眺められるので、雲海から登る朝日が見れますよ。9〜10月にかけては、雲海が見れる確率もグッと上がります」と教えてくれました。

日帰り温泉の受付時間は11:00から14:30まで。受付では、入浴とランチがセットになったお得なプランも販売しています。
大人は900円、3歳〜小学生までは600円で入浴できますよ。

受付を済ませて館内を進んでいくと、瓦屋根を模した温泉入口が登場!

男湯と女湯の間には、安達太良の名水が流れており、入浴前後に自由に飲んで良いのだとか。十分な水分補給をして、いざ入浴です。

広々とした内風呂は、思わず足を伸ばしたくなるような開放感。寒さで縮こまった体を伸ばし、首元までじっくりと浸かれば、スーッと疲れが抜けるような感覚に。
体の芯からじんわりと温まる気持ちの良い入浴ができました。

また、露天風呂には1人専用の小型のお風呂も。プライベート感たっぷりのお風呂は、ぼーっとするのにうってつけです。手や足をマッサージしながら、至福のリラックスタイムを過ごせました。
予約をすれば50分3,000円の貸切風呂に入れたり、ランチで腹ごしらえができたり、広々とした売店でお土産を見繕ったりと、楽しみどころが満載の「ながめの館光雲閣」。

中国語・英語・インドネシア・フィリピン語の対応もあるため、岳温泉に初めて来る外国人の方にもおすすめの温泉施設です。
【温泉】無料で何回でも入り放題!旅疲れのふくらはぎを包み込む「岳温泉足湯」

岳温泉街から鏡ヶ池公園へ続く坂道・桜坂。桜の季節になると桜のトンネルができるこの道の中腹に、岳温泉足湯はあります。
年末年始の数日を除いて、毎日9:00から17:00まで新鮮なお湯が絶えず流れている足湯。ここでは誰でも無料で足湯が楽しめ、ゆっくりと岳温泉の四季に思いを馳せることができます。

大人4〜6人が座れるこじんまりとした足湯ですが、湧き出してくるお湯は岳温泉そのもの。冬場でも湯口付近は少し熱いくらいの温度で、しっかりと足元を温めてくれますよ。

また、運が良ければ“ミルキーデイが始まる瞬間”にも立ち会えるかも。11:00ごろに足湯に浸かりに行けば、一気にお湯が白濁する様子も見れるでしょう。
足湯は誰でも利用できるため、お酒を飲んで入ったり、騒いだりしながら入るのはNG。ルールを守りながら、足湯の恩恵に預かってみてくださいね。
旅の拠点「陽日の郷あづま館」でゆったりタイム

さまざまなグルメ・温泉スポットを回った後は、一晩お世話になる宿に到着。今回は「陽日の郷あづま館」に宿泊しました。

昭和9年に創業した同ホテルは、3度の移転やリニューアルを経て、現在の姿になっています。2024年には温泉街側に足湯や、福島県のお土産をそろえたセレクトショップ、日本酒の試飲ができる「Kula」などが入った施設「Dake Peak」が完成。

中でも「Dake Peak」に入っている「Umeii Bakery」は、同ホテルの自慢ポイントなのだとか。メゾンカイザーの小麦粉、酵母、バターを使用した自家製パンを毎朝焼き上げ、地元の方からも愛される存在になっていると言います。

朝食にクロワッサンとパン・オ・ショコラ、パン・オ・レザンが食べられる宿泊プランもあり、宿泊客からも大好評だそう。

朝食のパンはお部屋に持ち帰っても、道中で食べても良いため、旅先での時間を有意義に過ごしたい人にはぴったりです。

館内には、誰でも利用できるハンモック付きの「森の図書館」や、卓球スペース、サウナ、フリードリンクのラウンジなど、ゆったり過ごせるスペースが満載。家族や恋人、友人との宿泊だけでなく、1人旅の拠点としても居心地の良い空間が広がっています。
大浴場は露天風呂と内風呂の2種類。

とめどなく流れる源泉を眺めて寝湯に浸かるも良し、四季折々の姿を見せてくれる自然に包まれて露天風呂を堪能するも良し。贅沢な温泉タイムが待っていますよ。

リフレッシュできる施設が充実した「陽日の郷あづま館」は、2024年に創業90周年を迎えました。老舗旅館ならではの安心感やきめ細かなおもてなしと、リニューアルした新施設との融合がリアルに感じられるのは、「陽日の郷あづま館」ならではの魅力です。

歴史と進化がミックスした新旧混在のホテルで、普段と違う宿泊体験をしてみてはいかがでしょうか。
朝や食後の腹ごなしにぴったりのお散歩コースも!

岳温泉街周辺は、徒歩でも移動しやすいこじんまりとしたエリア。その中でも、朝のお散歩にぴったりなのが、温泉街の終着地点にある鏡ヶ池公園です。

鏡ヶ池公園には、鏡ヶ池と緑ヶ池の2つの池があります。鏡ヶ池は名前の通り、鏡のように安達太良山を映し出す澄んだ水面が美しい池。冬場は水面が凍って、カモが休憩している姿なども観察できますよ。

鏡ヶ池よりも奥に進むと見えてくるのが、三角屋根の小屋とエメラルドグリーンの池・緑ヶ池。ここはミルキーデイの日に、白濁した温泉が最終的に流れ着く場所でもあります。

そのため毎週月曜日には、徐々に池の水が白く濁り、緑から白への美しいグラデーションが観察できるのです。緑ヶ池は遊歩道が整備された歩きやすい公園のため、朝のお散歩にもうってつけです。

また、岳温泉街の高台方面には、地元の人から温泉神社と呼ばれている「岳温泉神社」も建てられています。これまで3度にわたって変遷があったにも関わらず、どこの地でも温泉の守護神として崇敬されてたのだとか。

歴史を感じる本殿や鳥居へ参拝し、厳かな気分に浸る旅も一興です。

温泉地帯は端から端まで歩いても、10分程度で行き来ができる規模感。気分が赴くままに散歩をしたり、自然に触れたりと、ゆったり旅にはうってつけの温泉地帯です。
アクセス情報
岳温泉へのアクセスには、高速バスを利用する方法や新幹線とJRを利用する方法があります。
観光の目的や季節によってもアクセスの良し悪しが異なるため、詳しい順路をご紹介します。
東北新幹線+JR東北本線
まず、東北新幹線を利用して郡山駅まで移動します。東京からは1時間半ほどで到着します。
郡山駅からはJR東北本線に乗り換え、岳温泉のある二本松駅まで乗車。二本松駅からは福島交通の路線バスやタクシー、宿泊旅館が手配した送迎バスなどで岳温泉までアクセスできますよ。
高速バス+JR東北本線
東京からアクセスする場合、バスタ新宿や東京駅八重洲口から、高速バスを利用する方法もあります。
多くの高速バスでアクセスできるのは、福島駅や郡山駅まで。バス会社にもよりますが、東京からは3時間半〜4時間半で到着します。
福島駅や郡山駅からは、JR東北本線に乗り換え、岳温泉のある二本松駅まで乗りましょう。
国民保養温泉地とは、温泉利用の効果が十分期待され健全な保養温泉地として、「温泉法」に基づき環境大臣によって指定されています。全国に79箇所の温泉地が指定されています。(2024年10月現在) 国民保養温泉地の選定は、おおむね以下の基準によって行われています。 第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件 (1)利用源泉が療養泉であること。 (2)利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。 第2 温泉地の環境等に関する条件 (1)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。 (2)医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。 (3)温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。 (4)災害防止に関する取組が充実していること。