長崎・島原半島の温泉旅!雲仙&小浜で楽しむ名湯、グルメ、観光、ホテル

長崎県の島原半島にある雲仙温泉と小浜温泉は、それぞれ山と海で異なる魅力を持つ温泉地として「国民温泉保養地」に登録されています。本記事では温泉旅のヒントになるような、グルメスポット、観光スポットをたっぷり解説します。
雲仙温泉・小浜温泉とは?
雲仙(うんぜん)温泉と小浜(おばま)温泉は、どちらも島原半島の西岸深くにあるマグマだまりを熱源とした源泉をもつ温泉地です。
ふたつの温泉の特徴を紹介します。
山間の避暑地「雲仙温泉」
日本初の国立公園「雲仙天草国立公園」内にある雲仙温泉へ行くには、バスや車で山道を登っていきます。標高700メートルの高地にあるため、麓より4~5度も気温が低く自然環境が豊か。

周辺は春にはミヤマキリシマが鮮やかなピンクの花を咲かせ、夏は新緑、秋は紅葉、冬は霧氷*と、日本らしい四季の自然を満喫できます。
街を歩くと、どこからともなく漂ってくる硫黄の香りに気づくでしょう。
雲仙温泉に湧き出ているのは、強酸性の硫黄泉。殺菌作用が高く、皮膚病にも効果が期待できるといわれています。
*霧氷...氷点下まで気温が下がることで樹木が氷で覆われる幻想的な現象
高温で湯量豊富な「小浜温泉」

小浜温泉があるのは、島原半島の西側。海岸に沿うように温泉街が広がっており、景色自慢の温泉宿が多いです。
泉質は塩分が多い塩化物泉。高温で湯量が豊富なため、街のあちこちから真っ白の湯気が立ち上っています。
記事の後半では、温泉の特徴を活用した蒸し料理スポットも紹介します!
温泉スポット
1.人も猫もくつろぐ「雲仙地獄」の魅力(雲仙温泉)

雲仙地獄は、地中から立ち上る蒸気と硫黄の香りが漂う独特の景観が広がる場所。ルートは複数あり、徒歩で1周約40分。
地獄という恐ろしい名前がついていますが、地熱の影響で地面が暖かいため、実は地域猫たちがくつろぐスポットとしても知られています。最近では「猫を見るために訪れる」観光客も増えているとか。


雲仙地獄を見学しながら温泉たまごを楽しめる 「雲仙地獄工房」では、もうひとつの名物「温泉(うんぜん)レモネード」もお忘れなく!
100年前の訪日旅行者たちに親しまれたレモネードの味を再現しており、爽やかな甘さが歩き疲れた体にしみわたるようです。
※地元の人々が猫の世話をしているため、訪問者は適度な距離を保ち、エサを与えないようにしましょう。
2.100年以上の歴史がある「湯の里温泉共同浴場」(雲仙温泉)

「湯の里温泉共同浴場」は地元の人々が管理・運営する温泉。(入浴料、大人200円)
以前は子ども連れで来るお母さんも多かったそうで、レトロな脱衣所には赤ちゃんを世話するためのベッドも健在です。

3.食事をしたら温泉無料!サービス満点の「よしちょう」(小浜温泉)

「よしちょう」は1Fが温泉、2Fがレストランになっており、食事をすると入浴料(大人400円)が無料になる嬉しいサービスがあります。
温泉は浴槽が驚くほど広く、たっぷり湧き出る湯を心行くまで満喫できます。
レストランのメニューについてはグルメの項目で詳しく紹介します!
3.路地裏に湧き出る冷たい温泉「炭酸泉」(小浜温泉)

小浜温泉街の裏手は細い路地が入り組んでおり、曲がった先に何があるのか、わくわくしながら歩くのも小浜の楽しみ方のひとつ。
この「炭酸泉」も路地裏の珍しいスポット。見た目はまるで熱湯のようにぼこぼこと湧いていますが、触るとひんやり。
飲泉や足湯はできませんが、自然の不思議を体験できるスポットです。
4.絶景の足湯「ほっとふっと105」(小浜温泉)

海岸線を歩いていると、「あら、もう帰り?」「いいお天気ね」など親し気な会話が聞こえてきます。
「ほっとふっと105」は、すぐ目の前に海が広がる絶景の足湯。
買い物袋を片手にやって来る方や、足湯でお喋りを楽しむ若者も多く、気軽に休憩できる温泉スポットとして地元の人に愛されているんですね!
グルメスポット
1.「力~RICKY~」で雲仙ハヤシに出会う(雲仙地獄)

雲仙温泉は100年以上前に、海外からの避暑客で賑わった歴史があります。
「雲仙ハヤシ」は、そのころに大流行した「洋風かつ丼」の味を受け継ぎ進化させたご当地グルメです。
雲仙温泉の名宿「雲仙福田屋」の総料理長が生み出した「雲仙ハイカラハヤシ」は長崎和牛と雲仙の黒糖のうま味がきいたソースが特徴。和風の味付けで炊き込んだご飯との相性が抜群です!

「力~RICKY~」は、山照ー別邸ー宿泊客専用のバーラウンジですが、ランチの時間帯は一般客も利用できる穴場スポットです。
メニューは英語、韓国語、中国語(繁体字・簡体字)で表記されています。
2.名物・蒸し料理専門店「海鮮市場 蒸し釜や」(小浜温泉)


小浜温泉の高温蒸気を活かした蒸し料理を堪能できるのが、「海鮮市場 蒸し釜や」です。
塩化物泉の塩分が自然な調味料となり、食材の美味しさを最大限に引き立ててくれます。特に、2月頃の名物・瑞穂のカキは絶品。

蒸し料理以外にも、海鮮丼(1,320円〜)や天ぷら(1,320円)などのメニューも充実しています。
3.「よしちょう」で小浜名物のちゃんぽんはいかが?

小浜温泉の「よしちょう」は、名物の麺料理「小浜ちゃんぽん」が楽しめる人気店。
ひと口にちゃんぽんと言っても、地域ごとに味わいが異なりますが、なかでも小浜ちゃんぽんは長崎・天草と並んで「日本三大ちゃんぽん」のひとつ。
こちらのちゃんぽんは、豚骨や鶏ガラをベースに魚介出汁を加えたまろやかなスープと太麺が特徴。
お店によっては殻付きエビや卵をトッピングしたり、スープの味も違うので食べ歩きも楽しいですよ!
立ち寄りスポット
1.デザインの物語を知る「刈水庵」(小浜温泉)

近年、小浜温泉の自然や穏やかな暮らしに魅了され、移住するクリエイターが増えているそう。「刈水庵」のオーナーもそのひとり。デザイナーとして活動する傍ら、ショップ兼喫茶を運営しています。

扱うのは、オーナーの師匠でもあり、移住者の先駆けでもあったデザイナー・城谷耕生さんの作品や、学生と共同開発した器など、背景に物語のあるプロダクトばかり。

2階からは海へと続く絶景を見ることができ、なぜ多くの人々がこの地に惹かれたのか、その理由がわかることでしょう。
2.自然の色と手仕事の温もりを感じる「アイアカネ工房」(小浜温泉)

「アイアカネ工房」は、草木染の作品を展示・販売する小さな工房です。
オーナー自身が植物の栽培や加工も行っており、作品は大量生産にはない手作業の温かさや、自然の美しさを思い出させてくれます。

また、日本で古くから薬草として用いられてきた藍に着目し、染料としてだけでなくお茶としても販売。
衣と食の両面から、自然とともに生きる感覚を呼び覚ましてくれるお店です。
3.温泉の神様を祀る小濱神社(小浜温泉)

「小濱神社」は地域の守り神として、また温泉の神様として信仰されており、温泉で体を癒す湯治の文化がこの地に古くからあったことがわかります。

拝殿の天井には、作者不詳の龍の絵があり、一夜で描き上げたという伝説が残っています。
宿泊はここ!小浜温泉の老舗宿「伊勢屋」

小浜温泉にある温泉宿「伊勢屋」は、創業350年の老舗宿です。長崎で最も歴史のある宿ながら近年、モダンなインテリアと快適な設備を兼ね備えた宿へとリニューアルされました。伝統と利便性が融合した居心地の良さは、長期滞在にもぴったりです。

高温の自家源泉は日帰り温泉(大人1,000円)でも楽しめます。
実際に滞在してみて心に残ったのが、スタッフの温かなもてなしです。
もちろん、すべてのスタッフが流暢に外国語を話せるわけではありませんが、伝えようとする姿勢や誠実なサービスが「また訪れたい」と思わせてくれます。
アクセス情報
雲仙温泉や小浜温泉へは、長崎空港を起点に車またはバスで向かいます。
東京・大阪から長崎空港へ
東京(羽田空港)→長崎空港 約2時間
大阪(伊丹・関西国際空港)→長崎空港 約1時間20分
長崎空港からのアクセス
バス:長崎空港→諫早駅前(30分)→小浜温泉(50分)→雲仙温泉(25分)
長崎空港から諫早駅前まで行き、雲仙行きのバスに乗り換えます。雲仙温泉までは乗り換えなしで行くことができます。
長崎空港から諫早駅前までのバスの時刻表はこちら
諫早駅前から小浜温泉方面のバスの時刻表はこちら
車:長崎空港→小浜温泉(60分)→雲仙温泉(20分)
バスは本数が少ないため、利用する場合は事前に時刻表を確認するのがおすすめです!
国民保養温泉地とは、温泉利用の効果が十分期待され健全な保養温泉地として、「温泉法」に基づき環境大臣によって指定されています。全国に79箇所の温泉地が指定されています。(2024年10月現在) 国民保養温泉地の選定は、おおむね以下の基準によって行われています。 第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件 (1)利用源泉が療養泉であること。 (2)利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。 第2 温泉地の環境等に関する条件 (1)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。 (2)医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。 (3)温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。 (4)災害防止に関する取組が充実していること。