【金沢】九谷焼の器に宿る、美と物語

ホテルリソルトリニティ金沢

金沢市内の観光スポットはいずれも徒歩圏内。

近江町市場は徒歩1分圏内と金沢観光の拠点として便利なロケーション。

色彩豊かな花々と加賀手毬のアートでお迎えいたします。

• 目次
• 九谷焼の始まりと、現在へ繋がれたバトン
• 大胆な文様に込められた願い
• 九谷焼を活用したロビーサービス

九谷焼の始まりと、現在へ繋がれたバトン

石川県が誇る伝統工芸「九谷焼」。その始まりは、江戸時代初期の1655年頃、大聖寺藩（加賀藩の支藩）の初代藩主前田利治が、有田で陶磁器製造を学んだ後藤才次郎に窯を開かせたことにあります。この時期に生まれた「古九谷」は、五彩（緑・黄・紫・紺青・赤）を大胆に使った力強い絵付けが特徴で、器という枠を超えた芸術として人々の心を魅了しました。

しかし、古九谷は約50年で姿を消します。その後、100年の時を経て、加賀藩が京都の文人画家・青木木米を招き、金沢に春日山窯を開窯。再び九谷焼は息を吹き返し、吉田屋窯や庄三窯など、個性豊かな窯が次々と誕生し、それぞれが独自の画風を築き上げていきました。

明治時代には、九谷庄三による彩色金襴手が世界の舞台で称賛され、「ジャパンクタニ」としてその名を広めました。そして現代では、人間国宝・吉田美統氏をはじめとする多くの作家が、伝統を守りながらも新しい九谷焼を生み出し続けています。

大胆な文様に込められた願い

九谷焼には様々な典型的なデザインが存在します。

その中でも「青手」と呼ばれる様式は、器全体を鮮やかな緑で塗り埋める大胆なデザインが特徴で、まるで絵画のような存在感を放ちます。

「青手」の模様をあしらったお香入れ。フロントにて販売中。

また、梅と菊の文様を描いた「梅菊文」は、可憐な美しさの中に「忍耐力」「生命力」「長寿」といった力強い意味が込められており、器に宿る祈りのような静けさが心に響きます。

実は、加賀藩主であった前田家の家紋は「梅鉢紋」。こちらも梅の花をモチーフにしたもので、強さや繁栄を象徴しています。

金沢の街では様々な場所で目にするかと思います。ぜひ探してみてください。

九谷焼を活用したロビーサービス

そんな九谷焼の器を、当ホテルではウェルカムドリンクのひとときにご用意しております。ご到着のお客様には、香り高いコーヒーを九谷焼のカップでお楽しみいただきます。さらに、金沢ならではの贅沢な演出として、食用金箔をご用意。お客様ご自身の手で、きらりと輝く金箔をふりかけていただくことで、器の美とともに味覚にも華やかな余韻が広がります。

九谷焼の器に注がれた一杯のコーヒーは、単なる飲み物ではありません。それは、金沢の歴史と美意識、そしてお客様への感謝と歓迎の気持ちをそっと伝える、ささやかな贈り物です。

どうぞ、器に宿る物語と金箔の煌めきに耳を傾けながら、旅の始まりのひとときをゆっくりとお楽しみください。この一杯が、皆様の心に残る温かな記憶となりますように。