瀬戸内海と鳥居が織りなす岡山県の絶景スポット3選
瀬戸内海に面した岡山県の隠れた絶景神社を巡る旅。海と鳥居が織りなす神秘的な景観は、日本の自然と信仰文化が融合した特別な場所です。牛窓や瀬戸大橋観光と合わせて訪れたい、知る人ぞ知る3スポットをご紹介します。
今回ご紹介するスポットは、有名な観光地からも比較的アクセスしやすい場所にあるため、岡山を訪れる際にはぜひ立ち寄ってみてください。
1.穴石神社(瀬戸内市):秘境のような静寂な海辺の神社

最初にご紹介するのは、瀬戸内市にある穴石神社です。この神社は市内南東部の静かな海岸にあり、一般の観光客がほとんど訪れない、まさに「秘境」と呼べるスポットです。木々の間から見える小さな入り江に、歴史を感じさせる古い鳥居が静かに佇んでいます。

神社へ向かう道は非常に狭いため、コンパクトカー(日本の軽自動車)やオートバイ、電動アシスト自転車での移動をお勧めします。最後は徒歩で海岸まで降りていく必要があります。車道の脇にある小さな歩道を見落とさないよう注意してください。

つづら折り(ジグザグに曲がりくねった道)の坂を下ると美しい海岸に到着します。この浜辺が参道(神社への道)になっており、とても静寂で心が洗われるような自然のままの海岸が広がっています。

植物の様子が南国のような雰囲気を醸し出しており、沖縄などの南西諸島の海岸を思わせます。また、浜に流れ着いている石もカラフルで、とても神秘的な印象を受けます。

多くの漂着物があるのは、地理的に物が流れ着きやすい場所だからと考えられます。日本では古来より、海からの珍しい漂着物を神様として祀る信仰があるため、このような海岸には神社やお寺が建てられることが多いのです。

この浜からの播磨灘(瀬戸内海の一部)の眺めは風情があり、それでいて雄大です。沖にうっすらと浮かぶ家島諸島は、まるで蜃気楼のように幻想的に見えます。

アクセスにやや時間がかかりますが、牛窓(岡山の有名な観光地)からの距離はそれほどありません。牛窓観光と合わせて訪れることをお勧めします。
2.穴場稲荷(倉敷市):瀬戸大橋を望む絶景の赤い鳥居群

次にご紹介するのは、その名も「穴場稲荷」という神社です。赤い鳥居が連なる神秘的な光景と、瀬戸内海を見渡せる絶景が楽しめます。場所は倉敷市の下津井で、鷲羽山スカイラインからアクセスしやすいため、瀬戸大橋観光の際にはぜひ立ち寄ってみてください。

参道はかなり急な登り坂になっています。動きやすい服装とスニーカーなど、少なくともハイキングができる服装で訪れることをお勧めします。断崖絶壁のような急峻な斜面になっているため、高所恐怖症の方には少し厳しいかもしれません。

3つの鳥居がそれぞれ異なる方向を向いており、まるで異世界に迷い込んだような不思議な感覚を味わえます。

瀬戸大橋の展望スポットは、橋を下から見上げるか上から見下ろすものが多いのですが、ここでは橋を走行する自動車や電車を同じ高さから見ることができる珍しいスポットです。

拝殿(お祈りする建物)までは比較的すぐに到着しますが、奥の院(神社の最奥部)までは長くて急な登りが続きます。しかし、頑張って登った先で振り返ると、苦労が報われるような絶景が広がっています。
下に見える広場と駐車場は「田土浦公園(たづちのうらこうえん)」で、巨大な瀬戸大橋を真下から見上げることができる絶景スポットとなっています。

登り切った先にある「穴場稲荷」奥の院では、磐座(いわくら:神様が宿るとされる巨大な岩)と思われる石組みの中に、愛らしいお稲荷様(狐の神様)が鎮座しています。
3.田土浦坐神社(倉敷市):アニメの舞台にもなった歴史ある神社

「田土浦坐神社」は「たつちのうらにましますじんじゃ」と読みます。この美しい名前を聞くだけでも、どのような神社なのか訪れてみたくなります。
場所は倉敷市の下津井で、「穴場稲荷」とは瀬戸大橋を挟んで反対側に位置しています。ここからも瀬戸内海の多島美(多くの島々が織りなす美しい景観)と大迫力の瀬戸大橋を望むことができます。

2017年に公開されたアニメーション映画『ひるね姫~知らないワタシの物語~』では、主人公たちがこの下津井に住んでいる設定で、周辺の風景が劇中に何度も登場します。映画の内容は2020年を舞台にした自動運転がテーマで、現在の技術発展を予見するような内容となっています。動画配信サイトなどで視聴可能ですので、興味のある方はぜひご覧ください。

鳥居の先には古い港町らしい趣のある景観が広がっています。映画では、主人公がバス停に向かうためこの階段を駆け下り、家々の狭い路地をすり抜けていく様子が生き生きと描かれていました。主人公の声を演じる高畑充希さんの岡山弁(岡山の方言)がとても魅力的で、それだけでも見る価値があります。
まとめ

旅先で海と鳥居が織りなす光景に出会うと、思わず足を止めて見とれてしまいます。単に風景として美しいだけでなく、その土地の人々が長い間、自然や伝統を大切に守り続けてきた歴史に心が動かされるのです。
最後に、特別編として岡山市南区にある「高島神社」をご紹介します。日本の初代天皇である神武天皇が8年間住んだとされる「吉備高島宮」の最有力候補地「高島」に鎮座する神社で、児島湾に浮かぶ離島にあります。定期船がなく、神社は海の方を向いているため、個人で船をチャーターするか、対岸にある遥拝所(遠くから神社を拝む場所)から参拝するしか方法がありません。
しかし、一つだけ特別な方法があります。それは新岡山港から出ている小豆島行きのフェリーに乗ることです。船上から鳥居や社殿を正面に望むことができ、まさに海上からの神秘的な参拝体験となります。新岡山港から小豆島を訪れる際には、「高島神社」もぜひ見逃さないでください。
これらの隠れた神社スポットを巡り、瀬戸内海の美しさと日本の古来からの信仰文化を肌で感じてみてください。きっと忘れられない旅の思い出となることでしょう。
岡山県は、西日本の中央に位置しており、1年を通して雨が少なくて温暖な気候から「晴れの国」と呼ばれています。京都、大阪、広島の有名観光地めぐりの中間地点でアクセス便利!瀬戸大橋を経由して四国に渡る際の玄関口でもあります。 また、「フルーツ王国岡山」とも呼ばれ、瀬戸内の温暖な気候の中、太陽を浴びたフルーツは、甘さ、香り、味ともに最高品質。 白桃をはじめ、マスカットやピオーネなど、旬のフルーツが味わえます! 「岡山城」や日本三名園の「岡山後楽園」、倉敷美観地区といった、歴史、文化、アートなど世界に誇る観光スポットもあります!