東京で日本の工芸品をモダンに表現するセレクトショップ「阿吽」
東京の原宿・新宿からほど近い「阿吽(aun)」は厳選された日本工芸品や骨董品を提供しています。アップサイクルされた着物ジャケットや、燕三条の金属加工品、そして物語の詰まった希少なアンティークまで、ユニークな品揃えが特徴です。
モダンなデザインの工芸に出会える東京のお店「阿吽 (Aun)」

原宿、代々木、新宿からほど近い千駄ヶ谷に位置する工芸・骨董の専門店「阿吽 (Aun)」は、日本の手仕事の美しさを愛するすべての人にとって必見のスポットです。
このセレクトショップでは、オーナーによって厳選された日本全国から集められた本物の民藝品やアンティークが並んでいます。
店内のひとつひとつの品には、独自の歴史が刻まれています。その物語を知り、自宅へ持ち帰ることで、あなたもその歴史の一部となるのです。大切な人への贈り物や、世界にひとつだけのお土産を探しているなら、阿吽は日本の工芸の真髄に触れる機会を与えてくれます。
阿吽の物語:伝統工芸と現代の暮らしを繋ぐ

2026年初頭にオープンした「阿吽」は、実用性と美を兼ね備えた日本の工芸品の普及に努めるデザインのプロフェッショナル・チームによって運営されています。
店内には、日本各地から見事にセレクトされた民藝品のコレクションが並びます。手作りの器やアクセサリーから、趣のあるステーショナリー、浮世絵、そして伝統的な和紙の柔らかい光を放つ職人仕立ての照明まで、幅広く取り揃えています。

藍染の木製カップ
大量生産品を避け、阿吽のコレクションには歴史と伝統によって形作られた品々が揃っています。すべての品は、オーナー自らが職人の工房へ足を運び、直接選び抜いたものです。
多くの工芸品が途絶えつつある中で、阿吽はその存続に力を注いでいます。数百年続く職人技を現代のライフスタイルのニーズに融合させることで、こうした文化的な知恵が消え去るのではなく、未来へと繁栄し続けることを目指しています。
現代の作品に加えて、阿吽では表情豊かな掛け軸から、ヴィンテージの陶磁器や花器まで、厳選されたアンティークも取り扱っています。

高岡市で作られた「おりん」。その澄んだ響きは、坂本龍一氏にも愛された音です
工芸品や骨董品に加え、阿吽では「日本文化」を考えるきっかけとなるものも取り扱っています。瓦をつくってきた会社が、暮らしの変化に合わせてお皿へと形を変えたもの。
左官職人が手がける土のアロマディフューザーや、数が少なくなってしまった井草農家による雪駄など。本来の役割を持っていた素材や技術が、時代に合わせてかたちを変えながら受け継がれてるものも取り扱っています。
そうした文化や職人の多くは、生活様式の変化・後継者不足により、静かに途絶えようとしています。阿吽は、それらに触れる場所を提供することで、その現状に気づき、文化を考えるきっかけをつくりたいと考えています。
店内のすべての品には物語があります。日英併記の詳しい解説を読んだり、日本全国や世界中を旅して深い知識を蓄えたスタッフと話をしたりすることで、その歴史を紐解くことができます。
阿吽が厳選した日本全国の工芸品

一言一言の重みを感じさせる、木で作られたページを持つノート
阿吽の品々は、日々の暮らしのためにデザインされた、実用的な「宝物」です。日本が誇る最高級の天然素材から作られた各アイテムには、日本の手仕事を世界に知らしめた細部へのこだわりと、繊細な美学が宿っています。
以下では、阿吽の棚を彩っている工芸品の一部をご紹介します。
あかり吉野:奈良の森が放つ温かい輝き

奈良の吉野山は、桜だけでなく、高級な檜や杉の産地としても知られています。「あかり吉野」は、これらの素材と手漉き和紙を職人の技で照明器具へと生まれ変わらせ、地域の森林保全を支援しています。
阿吽で購入できるスタンドランプやアロマディフューザーは、「光のセラピー」としてデザインされています。低い位置から放たれる、キャンドルの炎のように優しくゆらぐオレンジ色の光は、心安らぐ空間を演出してくれます。
どの作品も、吉野の自然の恵みと、伝統的な職人技が織りなす時代を超えた美しさを讃えています。
うるま琉球ガラスキャンドル:沖縄の風を暮らしの中に

琉球ガラスは、鮮やかなブルーやグリーン、そして手に馴染むどっしりとした質感が特徴の沖縄の工芸品です。
この「うるま琉球ガラスキャンドル」は、地元の職人によって一つひとつ丁寧に吹き上げられた器を使用しています。沖縄の古語で「うるま」は「珊瑚の島」を意味し、ガラスが見せる半透明の模様を表現するのにふさわしい名前です。
火を灯すと、ブルーと白の柔らかな層が穏やかな光を放ち、沖縄の海の移ろいゆく美しさをガラスの中に完璧に閉じ込めます。
着物ジャケット:伝統からハイファッションへ

一見すると、工芸品店に衣類があるのは意外に思えるかもしれません。しかし、これらのジャケットは、実は着物の生地を再利用し、手仕事で作られたものです。
これらの作品を手掛けるデザイナーは、廃棄されてしまうことも多いヴィンテージの生地を救い出すことを使命としています。これらのテキスタイルは単に美しいだけでなく、繊細な江戸小紋の文様から、手描きのディテール、希少な刺繍に至るまで、失われつつある芸術性を象徴しています。こうした保存活動がなければ、歴史的な技法や文様の多くは時の流れの中に消えてしまうでしょう。
阿吽では、それぞれの生地が持つ独自の歴史を知り、現代の洋服に合わせたスタイリングを学びながら、物語を纏う世界に一点だけの衣服を選ぶことができます。
ステンレス漆器:ステンレスと漆の技術が織りなす美

400年以上の歴史を誇る、新潟県・燕三条の金属加工と石川県・山中漆器。この二つの卓越した技術が、一つの器として結実しました。
燕三条の高度な成形技術によるステンレスに、伝統的な山中塗りの漆を施したこの容器は、機能美と実用性を高次元で両立。日常の道具でありながら、芸術品としての品格を湛えています。日本の工業技術と伝統工芸が融合した、唯一無二の価値を持つ逸品です。
時代を超えた宝物とアンティーク

新しい工芸品だけでなく、阿吽では歴史の深みを感じさせる品を求める方のために、厳選された骨董品も取り揃えています。

その一例として挙げられるのが、浮世絵です。「浮世(現代の風俗、あるいは儚い世の中)」を描く、日本を象徴する木版画芸術。
阿吽では、京都のギャラリー奏美庵から預かった作品に出会えます。これらの作品は、活気あふれる娯楽の風景から静寂な自然の風景まで、江戸時代(1603年〜1868年)の日常生活における一瞬の輝きを捉えています。葛飾北斎の壮大な富士山のシリーズや、喜多川歌麿のエレガントな美人画などは、その代表的な例です。

また、ひと際目を引くのは、1960年代のヴィンテージの木製けん玉です。伝統的な職人技の美しさを伝えるこの一品は、かつての競技の技術や精神に思いを馳せさせてくれます。あなたにとって新しい幸運のお守りになるかもしれません。

こちらの青銅製狛犬像も、私たちの目を引きました。狛犬は、日本の神社の入り口を守る想像上の獅子や犬であり、守護と強さの象徴です。この作品はその神秘的な力を捉えており、アジアの古典的な芸術性の見事な一例となっています。

日本の掛け軸に魅了されている方のために、阿吽では美しいヴィンテージ品もいくつか用意しています。これらの骨董品には、かつて茶道の家元の床の間を飾っていたかもしれないといった、個人的な物語が受け継がれていることも少なくありません。
それぞれの掛け軸は、単に禅の教えや詩を伝えているだけではありません。力強い筆致から溢れるエネルギー、年月を重ねた紙の質感、そして精巧な裂(きれ)の表装を通して、その作品が持つ独自の個性が描き出されています。

阿吽のアンティークの中に、一点物の灰皿もあります。現代のデザインではめったに見られない珍しい形状やサイズが特徴で、あらゆる空間を彩る独特な彫刻的アクセントとして活躍してくれます。

一つの棚はヴィンテージのおちょこ専用となっており、それぞれが職人技が光る小さな傑作です。これらには、お酒の席で伝統的に分かち合われてきたユーモアや陽気さを捉えた、遊び心あふれるデザインが多く見られます。

もっと遊び心のある体験を求めるなら、店内のヴィンテージ・カプセルマシン(ガチャポン)に挑戦してみてください。わずか300円で、旅の思い出にぴったりのユニークで意外性のあるお猪口が手に入ります。
阿吽がデザインするオリジナルの工芸品

阿吽は、日本各地の職人の工房と連携し、オリジナルの製品ラインを開発しています。
このシリーズの目玉は、持ち運び可能なお香セットです。このコンパクトなボックスには、上質なお香とマッチの両方が入っており、旅行先でも手軽に安らぎのひとときを楽しむことができます。
阿吽のスタッフが独自に調合したこの香りは、日本の伝統的な香木に鮮やかな柚子の香りを組み合わせています。リフレッシュしながらも心を落ち着かせる、精神を活性化するためにデザインされたアロマです。

甘いものがお好きな方には、阿吽オリジナルのフルーツ味の綿菓子がおすすめです。瀬戸内海に面する香川県三豊で育った新鮮なフルーツを贅沢に使用した「食べるフルーツジュース」のような本物の果実感が楽しめるわたあめです。
三豊の桃農家のこだわりの桃と、高純度の特別なブランドザラメにより素材本来の味わいとスッキリとした後味、しっとりとした雪解けのような口溶けを実現しています。
阿吽のオリジナル製品ラインナップは現在も増え続けていますので、訪れた際にはぜひ最新のアイテムをチェックしてみてください。
阿吽を訪ねて:伝統が息づく場所

この紹介記事で、「阿吽」への興味を持っていただけたなら幸いです。原宿や新宿エリアにお越しの際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
知識豊富なスタッフがいつでもおすすめの品を提案し、ご自宅用や日常使い、あるいは大切な方への贈り物に最適な日本の工芸品を見つけるお手伝いをしてくれます。
また、阿吽では今後、職人による実演や、伝統的な工芸を実際に体験できるワークショップの開催も予定しています。これらのイベントに関する最新ニュースや新商品の入荷情報は、公式Instagramアカウントをフォローしてチェックしてみてください。
阿吽(工芸品・骨董ギフトショップ)
所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-21-5 1F(Google マップ)
営業時間:11:30 - 18:00
Instagram:https://www.instagram.com/aun_selects
In cooperation with Aun
2016年よりMATCHA編集者。 能楽をはじめとする日本の舞台芸術に魅せられて2012年に来日。同年から生け花(池坊)と茶道(表千家)を習っています。 勤務時間外は短編小説や劇評を書いていて、作品を総合文学ウェブメディア「文学金魚」でお読みいただけます。