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「なかのレトロ探訪」-東京、中野の暗渠(あんきょ)道第1弾 隠れた川をたどる桃園川緑道散策-
かつての川や水路「暗渠(あんきょ)」を散策。 東京の中野坂上から桃園川緑道をめぐります。道中には昭和レトロな古民家カフェも。
今年からナカノ観光レポーターになった「十六夜(いざよい)」です。還暦すぎのレポーターですが、「なかのレトロ探訪」として、中野のディープな魅力や歴史をシリーズで紹介していきます。
今回は、かつての川の痕跡「暗渠(あんきょ)」を散策します。暗渠とは、何らかの手が加えられて水面が見えなくなってしまった川や水路のこと。橋の名前や築年月が記された親柱や、欄干など当時の川の名残が暗渠サインとしてあちこちに見られます。「見えない水辺」を感じ、愛おしい思いに浸りながら、神田川(中野坂上付近)から中野五差路まで歩きます。
中野坂上駅から山手通りを神田川に向かって10分ほどくだり、末広橋を目指します。
暗渠になった桃園川(現、桃園川緑道)との合流地点には、フォークソングの名曲「神田川」の歌碑が建っています。川の向いは北新宿です。かつてはアパートがたくさんあったのでしょうか。
いよいよ「暗渠」をたどる、桃園川緑道散策がスタート。かつての東京には無数の水路がありましたが、昭和30年代からの急激な人口増加と市街化で、生活排水が流れ込みドブ川に。特に東京オリンピック(昭和39年)に向けた首都美化運動の影響で、ほとんどが蓋がされあるいは埋め立てられていきました。
緑道沿いには昭和レトロな風景があちこちに残っています。
東京、中野坂上駅からゆっくり寄り道して30分、はじめの目的地の古民家カフェ「モモガルテン」に到着。
ここも昭和の風景。
昭和23年に建てられた二軒長屋をカフェにリノベーション。
ゆるやかな時間が流れる店内。
桃園川緑道からわずか10歩、陽の当たる緑道を見ながらモーニングをいただきます。
なんと500円、コーヒーもとても美味しいです。
レトロな水槽には金魚が泳いでいます。
ひと休みして、散歩を再開。
昔の橋の親柱がたくさん残っています。「三味線橋」という名前は何とも風流。
大久保通りの「宮園橋」の手前から、桃園川の旧流路を歩いて行きます。かつての桃園川は田んぼや畑の中を数本に分かれてゆったりと蛇行する清流で、たびたび氾濫する暴れ川でもありました。宅地開発で1本に改修されたのちにドブ川と化し、昭和30年代に暗渠化が決まりました。
散策のゴールは、中野区立桃花小学校の前に残る「かう志んばし」の欄干です。
「大正13年」と彫られています。片方のみですが、時代を超えて今でも欄干が残っているのは奇跡です。向かいには「暗渠サイン」でもある染物店。清らかだった頃の桃園川で反物を洗っていたのでしょうか。
暗渠の散策は宝さがしのようでワクワクします。また次回、別の暗渠をめぐります。
モモガルテン
所在地:中野区中央2-57-7
アクセス:東京メトロ丸ノ内線「中野坂上駅」から徒歩10分
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中野区は、東京都23区の西部に位置しています。サブカルチャーの「聖地」と呼ばれる「中野ブロードウェイ」が特に有名ですが、それ以外にも歴史ある神社・仏閣やグルメなど、多くの観光資源を有しています。 中野駅周辺で「100年に1度」とも言われる再開発が進み、まちの移り変わりが進む一方、昔ながらの人情味あふれる商店街が賑わっているなど、中野のまちは多様な面を持っています。そんなまちの多様性が、約1.7万人、約120カ国の人が住むというまちの特徴にもつながっています。