岡山県の絶景新名所!写真映えする「天王池の竹林」(玉野市)
お正月に縁起物とされる竹。その竹が美しい景観を作る玉野市の「天王池の竹林」は、「日本一フォトジェニックな竹林」を目指し整備が続けられる注目スポット。
「天王池の竹林」とは?
天王池の竹林は、玉野市にある天王池のすぐそばに位置しています。高齢の所有者が手入れを続けることが難しくなった竹林を、現在の「玉野市天王池竹林の会」代表の髙畠さんが8年前から整備を開始。4年前からは「玉野市天王池竹林の会」のメンバーが整備を引き継ぎ、一般公開されるようになりました。
竹林の小径
まずは、この美しい竹林の姿をご覧ください。目の前に広がる青々とした竹の景観は、まさに幻想的です。静寂の中で聞こえるのは、竹の葉がこすれ合う音や鳥のさえずりといった自然の音だけ。日常の喧騒から離れて、心が癒される特別な時間を過ごすことができます。
美しい竹林の秘密
美しい光の差し込みを演出するため、「竹林の会」のメンバーが余分な竹の伐採や枯れ竹の除去といった作業を行っています。伐採された竹は小径から見えないよう、竹の柵の奥にまとめられています。このような地道な作業によって、余計なものが視界に入らない、美しい竹林の景観が実現されているのです。
この柵も「竹林の会」のメンバーの手によって作られました。一見藁のようにも見えるこの柵は、実は伐採された竹の枝を有効活用して作られているそうです。
竹は成長が早いため、「竹林の会」のメンバーは毎週作業を行っています。ボランティアの方々の継続的な努力があってこそ、この美しい景観を楽しむことができるのです。近年、全国的に放置竹林が問題となっていますが、玉野の竹林は、適切に整備された竹林がいかに美しくなるかを示す模範的な存在となっています。さらに「玉野市天王池竹林の会」は、全国の竹林整備でお困りの方々の参考となるよう、整備のノウハウを提供しています。
森のささやき
竹林の小径を登っていくと、心地よい風鈴の音色が聞こえてきます。ここは「森のささやき」と呼ばれる場所です。風鈴の短冊には、「天王池の竹林」の活動に寄付をしてくださった方々のお名前が記されています。寄付金は、竹の粉砕機など竹林の維持に必要不可欠な機材の購入費用として活用されています。
憧れのドアとの出会い
森のささやきを過ぎると、思わず目を疑うような光景が広がります。そこには、誰もが一度は憧れる「異空間への扉」が出現。まるでファンタジー作品に迷い込んだかのような空間が広がっています。
池を眺めながらの休憩スポット
ドアをくぐり抜けると、さらなる癒しの空間が広がります。目の前に広がるのは天王池。静謐な水面の景色が、さらなる安らぎを与えてくれます。「天王池竹林の会」の方々の心遣いで、ゆっくりと景色を楽しめるベンチも設置されています。このベンチは地元の商業高校からの寄贈品で、地域の温かなつながりを感じられる素敵なスポットとなっています。
子ども用の小さいドア
ベンチで一息ついた後、天王池を眺めながら山道を下ると、愛らしい黄色い小さな扉が姿を現します。ピンクのドアノブは小さなお子様には少し手が届きにくいため、子どもたちも楽しめるようにと特別に設置されたものです。その近くには2つ目のピンクの扉も。これは天王池から元の空間に戻るための扉となっています。
その近くには2つ目のピンクの扉も。これは天王池から元の空間に戻るための扉となっています。
様々なオブジェ
竹林には、扉以外にも様々な趣向を凝らしたオブジェが配置されています。カラフルに彩られた跳び箱は、屋外での使用を考慮して特殊な塗装が施されています。このように大人だけでなく、子どもたちの目線に立った楽しい仕掛けが随所に散りばられています。
取材時の12月には、竹の枝で作られたクリスマスツリーが季節感たっぷりに演出されていました。夏には七夕の短冊、秋にはハロウィンのデコレーションなど、訪れる季節ごとに異なる趣向を楽しむことができます。「竹林の会」の方々のおもてなしの心が随所に感じられる空間となっています。
モネの池
さらに、美しい錦鯉が泳ぐ姿も見ることができます。錦鯉が優雅に泳ぐ用水路には「モネの池」という愛称が付けられています。ユーモアのある解説やオブジェが場所々々に配置されていますので、それらを探すのも散策の楽しみの一つです。
鳥居と社
モネの池を過ぎて階段を上ると、天王池のほとりに鳥居が佇んでいます。右手の階段を上った先には、お社も鎮座しています。
「玉野市天王池竹林の会」代表 髙畠さん
今回お話を伺った「玉野市天王池竹林の会」代表の髙畠眞人さん。8年前、京都の嵐山の竹林のような美しい竹林にしたいという想いから、お一人で整備をスタートされました。現在は十数名の会員とともに「竹林の会」として活動を継続されています。
「竹林を訪れた方々の喜ぶ姿が、整備を続けるための何よりの励みです」と語る髙畠さん。その活動の成果は、今や海外からも注目を集めています。取材日にも、香港からの観光客の姿が見られました。竹林は一年を通して様々な表情を見せてくれますが、特に髙畠さんがおすすめするのは6月。竹の葉が落ち、新緑が地面一面を覆う景色は、また違った趣の美しさを醸し出すそうです。
美しい竹林を維持するために
「竹林の会」の皆様は全てボランティアで活動されており、この美しい竹林を維持していくためには様々な機材や道具、材料が必要となります。竹林の入口には寄付金を入れるための竹筒が設置されています。クリアファイル内の用紙に氏名などを記入し、寄付金と一緒に入れていただくと、寄付者リストにお名前が掲載され、さらに抽選で風鈴の短冊にもお名前が記されることになります。この素晴らしい景観を守るため、皆様のご協力をお願いいたします。
竹林駐車場へのアクセス
竹林は住宅街の奥まった場所にあるため、少しわかりにくい位置にありますが、「竹林駐車場」の案内板を目印に向かうことができます。
駐車場
現在、駐車場は10台分のスペースが確保されています。駐車料金は無料でご利用いただけます。
駐車場から竹林への行き方
駐車場から歩いて元の道に戻り、北へ進むと案内板が見えてきますので、そこを左折してください。
住宅の間を通る道を進んでいきます。道中には案内板が設置されていますので、それを目印に進んでいただければ、道なりに竹林にたどり着くことができます。
注意事項
竹林は住宅街に近接していますので、近隣にお住まいの方々のご迷惑にならないようご配慮をお願いします。また、散策は遊歩道に限定されています。柵を越えて竹林内に立ち入ることはご遠慮ください。
【天王池の竹林】
所在地:岡山県玉野市長尾天王池下
入場料:無料
駐車場 :10台(無料)
アクセス(車):岡山市街から国道30号線で約45分
問い合わせ先:090-4653-7028(玉野市天王池竹林の会)
おわりに
今回ご紹介した玉野市の「天王池の竹林」は、竹林が秘める本来の美しさを再発見させてくれる特別な場所です。そして、この美しさを支えているのは「玉野市天王池竹林の会」の皆さんの地道な努力と温かな想いでした。都会の喧騒から離れ、静寂の中で自然と向き合いたいときに、ぜひ足を運んでみてください。きっと心癒される素晴らしいひとときを過ごすことができることでしょう。
岡山県は、西日本の中央に位置しており、1年を通して雨が少なくて温暖な気候から「晴れの国」と呼ばれています。京都、大阪、広島の有名観光地めぐりの中間点でアクセス便利!瀬戸大橋を経由して四国に渡る際の玄関口でもあります。 また、「フルーツ王国岡山」とも呼ばれ、瀬戸内の温暖な気候の中、太陽を浴びたフルーツは、甘さ、香り、味ともに最高品質。 白桃をはじめ、マスカットやピオーネなど、旬のフルーツが味わえます! 「岡山城」や日本三名園の「岡山後楽園」、倉敷美観地区といった、歴史、文化、アートなど世界に誇る観光スポットもあります!