【信州・長野】秋旅に出かけよう!長野えびす講煙火大会と信州の魅力
長野市で毎年11月に行われる「長野えびす講煙火大会」は、秋冬ならではの澄んだ空に映える花火が魅力。夏とは異なる鮮明な美しさを放ち、紅葉や温泉とあわせて信州の特別な秋旅を楽しめます。
澄んだ秋空に咲く光の芸術 ― 長野えびす講煙火大会
日本の花火大会といえば、多くの人が真夏の夜空を思い浮かべるでしょう。浴衣姿で屋台を巡り、暑さを忘れる一夜の楽しみ――そんな夏の風物詩です。しかし、長野県長野市で毎年11月下旬に行われる「長野えびす講煙火大会」は、その常識を覆す存在です。全国的にも珍しい秋冬に開催される花火大会で、冷たい澄んだ空気の中に広がる光の美しさは、夏とはまったく異なる感動をもたらします。
歴史と伝統が息づく「出世煙火」
この花火大会の始まりは1899年(明治32年)。善光寺の門前町として栄えた長野の人々が、えびす講の市にあわせて開催したのが起源といわれています。以降120年以上にわたり、市民に親しまれてきました。
特徴的なのは、参加できるのが熟練した煙火師に限られていたこと。花火師たちが腕を競い合う舞台であり、ここで評価されることは大きな名誉でした。そのため「出世煙火」と呼ばれ、若手から実力派へと羽ばたくきっかけの場ともなってきたのです。現在でも、質の高さでは全国有数といわれる大会のひとつに数えられています。

長野えびす講煙火大会の大きな特徴は、11月23日(勤労感謝の日)に毎年行われるという点です。秋も深まり、街が冬支度を始める時期に打ち上げられる花火は、季節感そのものが特別です。
会場となるのは、犀川第2緑地(長野大橋西側)。河川敷という開放感あふれる場所で、観客はそれぞれの角度から自由に花火を楽しめます。夏の大規模大会に比べて観客の混雑も比較的緩やかで、場所取りに追われることなく、落ち着いた雰囲気で花火に浸れるのも魅力のひとつです。
また、川面に映る光の反射を楽しめるのもこの会場ならでは。写真愛好家にとっては格好の撮影スポットであり、水面に映り込む幻想的な一瞬を狙う人も少なくありません。
夏と秋冬の花火の違い
一般的な花火大会は夏に集中しています。湿度が高く、夜空にはもやや霞がかかりやすいため、豪快で華やかな花火が多く打ち上げられます。その迫力はもちろん魅力的ですが、空気の透明感という点ではやや弱い面もあります。
一方、長野えびす講のように秋冬に行われる花火は、空気が乾燥していて澄んでいるため、色彩や光の輪郭がくっきりと映し出されます。気温が下がることで空気の揺らぎも少なく、花火の光がより鮮明に見えるのです。

規模としては夏の大花火大会に比べれば小ぶりですが、その分、一発一発に精密さと計算された演出が込められています。鮮明な光と繊細な演出が組み合わさることで、芸術性の高い花火を堪能できるのが秋冬の魅力といえるでしょう。
芸術的な演出と観賞の魅力
長野えびす講煙火大会では、スターマインや尺玉だけでなく、音楽とシンクロする花火や、色彩の変化を活かした演出も多く取り入れられています。澄んだ空に描かれる光の模様は、まるで夜空に咲く芸術作品。観客の歓声が響くたびに、冷たい空気の中でも心が温まるような高揚感が広がります。

また、寒さの中で観賞するからこそ、温かい飲み物を片手に花火を見上げるという楽しみ方もあります。屋台で味わう地元の食べ物や、長野ならではの郷土料理とともに過ごせば、冬の夜の花火観賞はさらに特別な時間となるでしょう。
写真映えする絶好のロケーション
犀川河川敷というロケーションは、花火写真の撮影にも最適です。川面に映る光の揺らぎ、橋と花火を組み合わせた構図、そして夜空の透明感――いずれも他の季節では得られない独自の作品を生み出します。特に秋冬は空気が澄んでいるため、撮影した写真も色鮮やかに仕上がりやすいのが特徴です。
そのため、プロ・アマ問わず多くのカメラ愛好家が訪れ、自分だけの一枚を求めてシャッターを切る姿もよく見られます。

信州の秋をめぐる旅とあわせて
花火大会の前後には、信州やその周辺の観光もぜひ楽しみたいところです。長野市内では荘厳な善光寺が旅の定番。1400年余りの歴史を持つ古刹は、参道の門前町散策も含めて見どころが豊富で、心を落ち着けながら文化や信仰に触れることができます。

少し足を延ばして軽井沢方面へ向かえば、紅葉に染まる雲場池の湖面に映る鮮やかな景色や、異国情緒ただよう旧軽井沢銀座の街歩きが楽しめます。カフェやベーカリーを巡りながら、晩秋の爽やかな空気を肌で感じるひとときは、花火観賞とはまた違った魅力です。
さらに、県境を越えて山梨方面へ進めば、新倉山浅間公園や富士河口湖から望む雄大な富士山と紅葉のコントラストが広がります。国内外の旅行者に人気の絶景スポットは、この季節ならではの彩りを添えてくれます。
昼間は信州・甲信エリアの名所を巡り、紅葉や歴史、グルメを存分に楽しみ、夜は犀川河川敷で冬の入口を告げる花火に心を奪われる――そんな一日を過ごせるのも「長野えびす講煙火大会」の醍醐味。花火と観光を組み合わせることで、季節の彩りと感動を一度に味わえる――そんな贅沢な秋旅が叶うのも、この大会ならではです。
秋の夜空に響く特別な一夜
長野えびす講煙火大会は、夏の花火大会とはまったく異なる魅力を持っています。歴史ある「出世煙火」としての伝統、澄んだ空気に輝く芸術的な演出、そして11月下旬という特別な季節感――どれをとっても唯一無二の体験です。

寒さの中で夜空を見上げ、一瞬の光が咲き誇る。その美しさは、冬の入口ならではのご褒美。静かで幻想的な感動を求める旅人にとって、長野えびす講煙火大会はぜひ訪れたい隠れた名イベントです。
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