「美作三湯芸術温度2025」心と身体が解放される湯原温泉アート巡り
今年で4回目を迎える「美作三湯芸術温度2025」。その会場の一つである湯原温泉を訪れてきました!温泉地にアート作品が点在していることで、街を巡る楽しさが生まれ、温泉地全体の魅力を体感することができます。
個性豊かな温泉旅館では、アート作品を含めた心のこもったおもてなしを体験できました。透明でなめらかな湯原の温泉で体がリラックスし、アート作品で心も解放される、この期間限定イベントと印象的だった作品をご紹介します。
-
目次
- 美作三湯芸術温度とは?
- 湯原温泉はどんなところ?
- アート巡りの前に寄ろう!「湯原温泉ミュージアム」
- 『Life in the Fall』高本敦基/湯原国際観光ホテル菊之湯
- 『HIRUZEN』三橋直人/湯原国際観光ホテル菊之湯
- 湯原国際観光ホテル 菊之湯
- 『param no,4』児玉知己/湯快感花やしき
- 湯快感 花やしき
- 『はんざきさん 湯あがり姿』松岡徹/元禄旅籠 油屋
- 元禄旅籠 油屋
- 『はらのむしたちのあそぶにわ』樫尾聡美/ゆばらの宿 米屋
- 『森の卓球台』原倫太郎+原游/ゆばらの宿 米屋
- 『ピンホッケー/エアポン(デ・スティル)』原倫太郎+原游/ゆばらの宿米屋
- ゆばらの宿 米屋
- 『薄雲Ⅰ』『薄雲Ⅱ』藤原裕策/湯原ふれあいセンター
- 『山の中で』胡桃沢千晶/湯原ふれあいセンター
- 湯原ふれあいセンター
- まとめ
美作三湯芸術温度とは?

岡山県北部にある湯原温泉・奥津温泉・湯郷温泉の3つの温泉地を舞台に、3年に一度開催される周遊型アートイベントです。温泉のぬくもり、旅館のおもてなし、アート作品から受ける感動など、さまざまな"体感"を「温度」という言葉で表現したタイトルになっています。温泉旅館や観光施設を会場として、国内外のアーティストが温泉地の歴史や風景にインスピレーションを得た作品を展示しています。温泉街を散策しながら作品を巡ることで、地域の文化や地元の人々とのふれあいも楽しめるのが魅力です。2025年は27施設に31名のアーティストが参加し、過去最大規模で開催されています。
開催期間:2025年8月29日(金)~12月7日(日)
開催場所:湯原温泉(真庭市)・奥津温泉(鏡野町)・湯郷温泉(美作市)
料金:作品鑑賞無料
湯原温泉はどんなところ?

湯原温泉は湯原ダムの下流、旭川沿いに広がる温泉地です。温泉街のシンボルである「砂湯(すなゆ)」は、全国露天風呂番付で西日本の最高ランク「西の横綱」に選ばれています。「砂湯」は旭川の川底から湧き出す天然温泉を利用した露天風呂で、24時間無料で入浴できます。他にも2か所の源泉があり、湯元温泉館地下と夢水庵地下から温泉街の各旅館に温泉が供給されています。無色透明なアルカリ性単純温泉で、神経痛や冷え性に効果があるとされています。
アート巡りの前に寄ろう!「湯原温泉ミュージアム」

温泉やアート作品を巡る前にこちらで地図をもらうと、効率よくアート巡りができます。美味しいレストランやカフェの情報も教えてもらえるので、ぜひ立ち寄ってみてください。休憩したり本を読んだりすることもできます。3匹の看板猫たちもいて、愛らしく出迎えてくれます。
【湯原温泉ミュージアム】
所在地:岡山県真庭市湯原温泉124
TEL:0867-62-2526
駐車場:あり
温泉卓球ができる!

「湯原温泉ミュージアム」では、30分500円で温泉卓球(日本の温泉旅館で人気の卓球遊び)を楽しむこともできます。ラケットは通常タイプとスリッパタイプの両方があります。
体験ワークショップも!

だるま(日本の伝統的な縁起物の置物)の絵付け体験やキーホルダーの革細工体験ができる「はんざきクラフト体験(1,000円)」も楽しめます。旅のお土産や思い出づくりにおすすめです。
『Life in the Fall』高本敦基/湯原国際観光ホテル菊之湯

日常で目にする物や素材から本来の役割を解放し、それらを組み合わせながら現代社会を再考する制作を研究している高本敦基さんの作品です。よく見るとカラフルな洗濯ばさみが無数にあり、形を構成していました。身近な素材がこんなに素敵なアート作品になることに感心しました。ホテルの玄関ロビーフロアに、お客様を出迎えるように展示されています。
『HIRUZEN』三橋直人/湯原国際観光ホテル菊之湯

真庭市の蒜山(ひるぜん)地域には「蒜山三座」と呼ばれる3つの美しい山々があり、三橋直人さんの作品の被写体になっています。三橋さんは撮影のタイミングにこだわり、晴れと曇りが混じる天候で、かつ気象の変化が大きい朝や夕方に蒜山三座に通い、雄大な自然の神秘的な一瞬を切り取った写真が並んでいました。
湯原国際観光ホテル 菊之湯

旭川に面して建つ、全室から山と川が一望できるホテルです。川のせせらぎの音を聞きながら入れる露天風呂は星もきれいに見え、大浴場や貸し切り風呂もあります。湯原温泉のシンボルでもある大露天風呂「砂湯」までもすぐの距離です。ペット同伴可能な客室もあります。
【湯原国際観光ホテル 菊之湯】
所在地:岡山県真庭市湯原温泉16
TEL:0867-62-2111
駐車場:あり
『param no,4』児玉知己/湯快感花やしき

児玉知己さんが住んでいる海沿いの港町と湯原温泉の間の距離は120kmあるそうです。その2つの場所の水が途切れることなくつながっている感覚を表現していて、水が流れる様子が伝わってきました。
湯快感 花やしき

アットホームな雰囲気の宿で、旭川に面した通りにあります。屋上には源泉かけ流しの露天風呂があり、自然をバックに清流の音を聞きながら温泉を楽しめます。内湯の他、日帰り入浴も可能です。「はんざき羊羹(200円)」のポスターに惹かれて買ってみることにしました。小指サイズの小さな羊羹(日本の伝統的な和菓子)は、湯原温泉のシンボルキャラクターはんざきの形をしています。はんざきとは、国の特別天然記念物であるオオサンショウウオ(世界最大級の両生類)のことです。ホテルの女将が開発した羊羹で、こちらの他「下湯原温泉ひまわり館」でも購入できます。冷凍のまま渡されますが、暑さであっという間に食べ頃になり、色つやが良くなります。つるんと一口、程よい甘さで美味しかったです。
【湯快感 花やしき】
所在地:岡山県真庭市湯原温泉21
TEL:0867-62-3341
駐車場:あり
『はんざきさん 湯あがり姿』松岡徹/元禄旅籠 油屋

湯原温泉には、「はんざき」と呼ばれる国の天然記念物オオサンショウウオをモチーフにしたさまざまな作品があります。「元禄旅籠油屋」の入り口では、松岡徹さんの新作「はんざきさんと休憩中」がお客様を出迎えてくれています。
元禄旅籠 油屋

元禄元年(1688年)以来300年以上の歴史を持つ宿で、スタジオジブリの人気アニメ映画「千と千尋の神隠し」のモデルの一つと言われています。新作の「はんざきさんと休憩中」と共に、前回開催時の展示作品である緑のはんざきアートが2階から温泉街を眺めていて、人気の撮影スポットになっています。露天風呂、大浴場、貸切風呂、日帰り温泉も利用できます。源泉が近いので、湧き出し直後の新鮮なお湯が楽しめます。
【元禄旅籠 油屋】
所在地:岡山県真庭市湯原温泉27(食湯館)、29(夢酔庵)
TEL:0867-62-2006
駐車場:あり
『はらのむしたちのあそぶにわ』樫尾聡美/ゆばらの宿 米屋

宿の長い廊下を抜けた先にある階段の白い壁に、子供から大人まで親しみの持てるアート作品が展示されています。細胞の一つ一つを模様として生命の内側が表現されていて、人体の一部もアート作品になるとカラフルな生き物のようで生命感を感じました。
『森の卓球台』原倫太郎+原游/ゆばらの宿 米屋

宿のくつろぎスペースにカラフルで個性的な形の卓球台がありました。アーティストユニット「原倫太郎+原游」さんのアート作品です。見たことのない形で、遊び心をそそられました。30分300円で実際に遊ぶこともできます。
『ピンホッケー/エアポン(デ・スティル)』原倫太郎+原游/ゆばらの宿米屋

日本の温泉旅館の定番ゲームであるホッケーもアート作品になって展示されていました。
ゆばらの宿 米屋

白壁と格子窓、なまこ壁(日本の伝統的な壁の様式)の宿場町らしい佇まいの宿です。温泉街の中心から少し離れた美作街道沿いにあります。露天風呂、半露天風呂、中浴場、大浴場、貸し切り風呂、日帰り入浴があります。
【ゆばらの宿 米屋】
所在地:岡山県真庭市湯原温泉345-18
TEL:0867-62-3775
駐車場:あり
『薄雲Ⅰ』『薄雲Ⅱ』藤原裕策/湯原ふれあいセンター

植物とマスキングテープで表現された、多様性と調和をテーマにしたアート作品です。フリースペースの壁面ガラス一面を使って展示されていました。
『山の中で』胡桃沢千晶/湯原ふれあいセンター

プラスチックフィルムの無数の水の玉の一つ一つが、目の水晶体をイメージして作られていて、たくさんの視線がこちらを向いているようにも感じました。光を浴びてキラキラしていて、とてもきれいでした。プラスチックフィルムの中には湯原温泉の温泉水が入っているそうです。
湯原ふれあいセンター

湯原振興局、湯原図書館、市民センター、湯原公民館の機能を持つ複合施設で、住民や湯原を訪れる人が気軽に利用できるスペースがあります。入り口の扉に見えているのがアート作品です。
【湯原ふれあいセンター】
所在地:岡山県真庭市豊栄1515
TEL:0867-62-2011
駐車場:あり
まとめ

古き良き風情が残る湯原温泉街は徒歩で巡れる広さで、アート巡りをするのにちょうど良かったです。旅館の中にアート作品が展示されているので、気軽に訪れることができ、それぞれの施設の個性も感じられて、「泊まってみたい」という気持ちになりました。アート作品も温泉街に自然に溶け込んでいて、ふと立ち止まってそれぞれの世界に想いを馳せることができ、心の開放にもなりました。街の中にある足湯(足だけ入る温泉)も気軽に体験でき、透明で心地よいお湯に体がほぐれました。ぜひ湯原温泉にアート作品と温泉を楽しみに訪れてみてください。
岡山県は、西日本の中央に位置しており、1年を通して雨が少なくて温暖な気候から「晴れの国」と呼ばれています。京都、大阪、広島の有名観光地めぐりの中間地点でアクセス便利!瀬戸大橋を経由して四国に渡る際の玄関口でもあります。 また、「フルーツ王国岡山」とも呼ばれ、瀬戸内の温暖な気候の中、太陽を浴びたフルーツは、甘さ、香り、味ともに最高品質。 白桃をはじめ、マスカットやピオーネなど、旬のフルーツが味わえます! 「岡山城」や日本三名園の「岡山後楽園」、倉敷美観地区といった、歴史、文化、アートなど世界に誇る観光スポットもあります!