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生きるとは?をアート、映像で自分ごととして考える震災伝承施設「南三陸311メモリアル」
宮城県南三陸町に2022年10月に開館した東日本大震災伝承施設「南三陸311メモリアル」は、住民の証言映像をメインコンテンツとして、震災を”自分ごと”ととして考える機会を提供しています。
南三陸311メモリアルは、「自然とは、生きるとは」に想いを馳せ語り合う場。
大切な人と一緒に訪れていただきたい施設です。
「生きるとは?」五感に問いかけるボルタンスキー
メモリアル館内は、メインコンテンツのラーニングプログラムに入る前に、クリスチャンボルタンスキーの「MEMORIAL」が設置されています。
ボルタンスキーは、理不尽な死や死者の存在、そして命の尊厳をテーマに数々の作品を残したことで知られており、震災直後に三陸海岸を訪れています。
◇クリスチャン・ボルタンスキー
1944年にパリで生まれる。1968年に短編映画を発表し、1972年にはドイツのカッセルで開かれた国際現代美術展のドクメンタに参加して以降、世界各地で作品を発表する。1990年代以降は大規模なインスタレーションを数多く手がけるようになる。1990–91年にICA, Nagoyaと水戸芸術館で個展を開催。以来日本とも密接な関係を築き、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟)には第1 回から参加し、2010年に「瀬戸内国際芸術祭」(香川)が開かれた際には《心臓音のアーカイブ》を豊島に開館する。2001年にはドイツでカイザーリング賞を、2006年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。現代のフランスを代表する作家として知られる。
ボルタンスキーのインスタレーションと向き合うと、「命」について考えます。
1人1人が生きてそこにいたことを向き合うことで思い出させてくれる気がします。
ボルタンスキーの作品が震災伝承施設の中で果たす役割は大きいでしょう。
アートゾーンで感じたことは次のラーニングシアターへと繋がっていきます。
ラーニングシアターでは、あの日失われた多くの命に想いを馳せることからプログラムが始まっていくのです。
震災から12年経ち、住民の経験から問いかける
震災から12年経った2022年に開館した南三陸311メモリアルは、他の震災伝承施設と違い、震災で起こった事象や防災に焦点をあてるのではなく、そこで生きた人々の想いに焦点をあて、自ら考えさせるのが大きな特徴です。
施設のメインコンテンツは、「ラーニングプログラム」という住民の証言映像から構成され、性別・年齢・その時の状況が異なる人々が震災当時の”想い”を振り返ります。
震災発生後から助けが来るまで、限られた食料を分け合い大事に食べた話や、学校の先生が実際に避難を指示した時の葛藤やその背景にある物語など、その時の光景が思い浮かぶような話を聞くことが出来ます。
また、ラーニングプログラムは、映像を観るだけでなく、話し合いの時間が設けられており、”もしも”の問いかけを考えれっるきっかけとなります。
ラーニングプログラム利用料金
60分のレギュラープログラム
個人一般 ・大学生800円 中高生 700円 小学生 400円
団体(10名以上)一般 600円 中高生 500円 小学生300円
30分のショートプログラム 一般・大学生 中学生・高校生 小学生
個人 一般・大学生 400円 中高生400円 小学生200円
団体(10名以上) 一般・大学生300円 中高生300円 小学生100円
※未就学児は無料。
みなさんも、アートや映像から問いかけられる「自然とは、生きるとは」の問いかけを訪れた際に考えてみてください。
Information
南三陸町観光協会では、観光案内所、震災伝承施設「南三陸311メモリアル」、海が見えるキャンプ場「神割崎キャンプ場」の運営を行っています。また、修学旅行や企業研修などの教育旅行の受け入れコーディネートも実施しています。仙台駅からも車で1時間半で「自然と共に生きる」を学べるまちに是非お越しください。