ライター MATCHA
日本三大祭の1つ「祇園祭」ガイド〜日程、見所、アクセス〜【2020年中止】

毎年京都で開催される「祇園祭」は、1000年を超える歴史を持つ、伝統ある京都の夏の風物詩。京都の街がまるごとステージとなる大規模な祭りです。祇園祭はどういう祭りか、その魅力を解説します。
1000年以上続く京都の「祇園祭」とは?

毎年7月、京都で開催される「祇園祭」は、大阪の天神祭、東京の神田祭とともに日本三大祭に数えられる祭りです。
2009年にはユネスコの無形文化遺産に登録されました。街のど真ん中を練り歩く、巨大な「山鉾」(やまほこ)は、京都の夏の風物詩といえます。
祇園祭はそもそも、八坂神社のお祭りです。その始まりは、なんと1000年以上前の869年!
この年、日本全国で疫病が流行し、多くの死者が出たと言われています。この疫病を沈めるために、御霊会(ごりょうえ)と呼ばれる祭りが行われました。これが祇園祭の始まりです。
その後、国内の戦などによって何度か中断されたことはありますが、その度に民衆の手によって復活し、京都の歴史と共に歩んできました。
「山鉾」とは? 祇園祭の見どころ

祇園祭の最大の見どころが、「山鉾」巡行です。山鉾とは、神社の祭礼で曳(ひ)かれる山車(だし)の1つ。
山鉾の高さは約25メートル、もっとも大きいものでその重さは約12トン!
大きな山鉾が通るルートには、ある工夫がされています。なんと山鉾が通るとき、道路の信号機が折りたたまれるのです。もちろん通常の信号機にはこのような機能はなく、祇園祭に合わせた特殊な設計です。
前祭で23基、後祭では10基、計33基の山鉾が大通りを次々と続いてゆくさまは圧巻。山鉾にはそれぞれ豪華な装飾が施されており、1つ1つに神話や古典などに基づいたテーマがあります。

山鉾は総勢40~50人で曳いていきます。人力だけで山鉾を直角に方向転換する「辻回し」(写真)も大迫力なので、ぜひご覧ください。
山鉾の上にも40〜50人が乗り込み、祇園囃子(ぎおんばやし)と呼ばれる音楽を奏でます。太鼓、笛、また鉦(しょう)という楽器の音色が、祭りの気分をさらに高めてくれます。
山鉾は祇園祭に合わせて毎年組み立てられ、祭りが終わると解体されます。
山鉾の巡回ルート
山鉾は、主に、四条通(河原町駅〜烏丸駅)、河原町通(河原町駅〜京都市役所駅)、御池通(京都市役所駅〜烏丸御池通)などを通ります。
前祭、後祭でルートが異なるので、詳しくは公式HPでご確認ください。
祇園祭のスケジュール(2020年は中止)
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、2020年の祇園祭は開催中止が発表されました。
祇園祭は、毎年7月1日〜7月31日の約1ヶ月にわたって行われます。日程は、曜日にかかわらず、毎年同じです。
もっとも盛り上がるのが「宵山」(よいやま)と呼ばれる3日間と、山鉾が巡回する前祭(さきまつり)。その1週間後には後祭(あとまつり)が開かれ、こちらも山鉾が巡回します。
宵山の15日、16日には、メインストリートである四条通、烏丸通が歩行者天国となり、烏丸通などでは屋台も立ち並びます。
宵山 7月14日〜16日
前祭 7月17日
後祭 7月24日
祇園祭に行く場合は、阪急「烏丸駅」「河原町駅」、京阪「祇園四条駅」などが最寄り駅となります。
祗園祭で気をつけるべき3つのこと

祭りを100%楽しむために、気をつけておきたい3つのことを紹介します。
その1:トイレ
祇園祭は大規模な祭りですが、仮設トイレはほとんど用意されていません。駅構内のトイレや、街中のコンビニを利用するのがよいでしょう。
その2:雨
この時期、日本では夕方などに急な雨が降ることがあります。コンビニなどで傘やカッパを購入することができるので、用意しておけば急な雨にも困りません。
その3:お金
屋台で食べ物やおみやげを買う場合、小銭を持っていれば便利です。1万円札などの高額な紙幣は前もって両替しておきましょう。
祇園祭を体感しよう!
1000年以上にわたって受け継がれてきた京都の祇園祭。この時期に京都を訪れる際は、ぜひ祇園祭を体感してみてください!
元記事執筆:Keishi Kawakami
この記事は2014年7月1日に公開された記事をリライトしたものです。