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いまさら聞けない「お寺」と「神社」の違い
日本文化を感じられるスポットとして定番のお寺と神社。雰囲気はなんとなく似ていますが、一体どう違うのでしょうか? 簡単にいうと、お寺は仏教、神社は神道という異なる宗教の施設です。見た目の違いとしては、仏像やお墓のある所がお寺で、鳥居のあるのが神社といえるでしょう。
お寺と神社、何が違う?
日本文化を感じられるスポットとして定番のお寺と神社。このふたつ、雰囲気はなんとなく似ていますが、一体どう違うのでしょうか?
簡単にいうと、お寺は仏教、神社は神道という異なる宗教の施設です。
見た目の違いとしては、仏像やお墓のあるところがお寺で、鳥居のあるのが神社といえるでしょう。
仏様を偶像化したものを日本では仏像(ぶつぞう)と呼びます。こちらがある方が、お寺です。
その一方で、神社の場合、入口に上の写真のような「鳥居」があります。神社は日本の神様がいる空間。鳥居はそんな神域と人間が住む俗界を区画する結界だとされています。
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仏教と神道の違い
では、仏教と神道はそれぞれどのようなものなのでしょうか。
仏教は、ゴータマ・シッダールタ(仏陀、釈迦とも呼びます)により、紀元前5世紀ごろにインドで誕生しました。日本には、中国を経由して6世紀半ばごろに伝わってきたとされています。つまり、仏教は外来の宗教です。
その一方で、神道は日本起源の宗教で、多くの神様を信仰します。神様には、山・森・石・神木といった自然のものや、特定の人物も含まれます。この世のあらゆるものに神が宿るとする考えから「八百万(やおよろず:非常にたくさん、無限の意味)の神々」という言葉もあるほどです。
もっとも、仏教も神道も、すでに日本人にはなじみ深いものとなっています。仏教は日本に伝来した後、神道と密接に結びつき、この両方を一緒に信仰する「神仏習合」と呼ばれる宗教の形態が生まれました。
現代でも、多くの日本人が仏教と神道のどちらの神様にもお祈りします。毎年正月には神社に参拝し、お葬式は仏教方式で行ったりもします。
ふたつの宗教を違和感なく受け入れているのは、日本文化のユニークな点ですね。
お寺と神社の違いの話に戻りましょう。
お寺と神社の定義
定義としては、
「仏像があり、お坊さんの住むところがお寺」
「日本の神様が住むところが神社」
ということができます。
もう少し詳しく見てみましょう。
お寺
お寺には、お坊さん・尼さんなどの仏教を信仰する修行者がいて、仏様の像が置かれています。仏様には大日如来、薬師如来、釈迦如来、聖観世音菩薩などたくさんの種類があります。また、道端に、「地蔵」と呼ばれる仏像があることもあります。
それらの違いがわからなくても観光に問題はありませんが、知識を積み重ねるとよりお寺を訪ねるのが楽しくなるでしょう。
また、神社では祀られている神様の姿を見ることができませんが、ほとんどのお寺では、祀っている仏様の像を見ることができます。
多くの日本人が仏教の方式で葬式を行い、お墓もお寺の敷地内にあることが多いです。
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神社
神社は、かつて信仰されていた自然のあった場所や、神聖な儀式を行っていた場所が起源と言われています。神社では神道の神様が祀られ、神主さんや巫女さんなどが、儀式の準備などの仕事をおこなっています。
神社の入口にはたいていの場合、鳥居があります。神様の世界と人が住む世界とを区別するものです。また、自然信仰の神道では、「鎮守の森」と呼ばれる森が神社を取り巻くように生い茂っていることが多くあります。
神社の大半は、祀られている神様の名前を元にして名づけられています。神道にはたくさん神様がいるため、それだけたくさん神社も建てられているのです。
中でも、特に大きな神社は「○○神宮」や「○○大社」という風に呼ばれます。伊勢神宮や出雲大社がそうですね。
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よくある質問
お寺と神社の建物の違いは?
神社は、入口に鳥居が立っているのに対し、お寺は「山門」という門があることが多いです。が大きな特徴です。また、神社では神さまがいる「本殿」と、人間が祈るための「拝殿」を別の建物とすることが多いのに対し、お寺では本尊を祀る場所と人間が祈る場所を、同じ建物内にすることが一般的です。
寺と神社におけるお墓の違いは?
寺と神社では、お墓の形(石に名前などを刻んだお墓を建てること)は基本的に同じです。一方で、お寺は、墓を境内の中に建てるのに対し、神社では、境内から離れた位置に設けます。
有名な神社は?
三重県の伊勢神宮、香川県の金刀比羅宮は江戸時代より巡礼旅の目的地となってきました。そのほか、縁結びで有名な島根県の出雲大社、栃木県の日光東照宮なども有名です。
有名なお寺は?
京都の清水寺や奈良の東大寺、東京の浅草寺などが有名です。京都には、このほか、南禅寺や教王護国寺をはじめ、多くの人気のお寺があります。
神社とお寺のお守りの違いは?
神社とお寺のお守りは、形は似ていますが、扱われ方が異なります。神社のお守りは、神道の儀式によって神様の御霊(みたま)が込められたものになります。一方で、お寺のお守りは、読経(どきょう)や焼香などの儀式が施された「祈りの賜物」です。詳細は「意外と知らない? 浅草で学ぶ、寺院と神社の「お守り」の違い」をご覧ください。
違いを意識して参拝してみよう!
お寺と神社がそれぞれどんな場所なのかおわかりいただけたでしょうか?
ご紹介したほかにも、参拝方法など、お寺と神社の細かな違いはたくさんあります。違いを知ったうえで、ぜひ両方の空気感をお楽しみください!
Written by
東京生まれ東京育ち東京在住の20歳。大学生をしています。動物とたわむれることと散歩をすることがとっても好きです。世界中の野生の動物に会いに行ったり、世界中の街を散歩しに行ったり、いつかできたらいいなぁ、なーんて思ってます。