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お寺の中にプラネタリウム?葛飾区立石證願寺の「プラネターリアム銀河座」
東京都葛飾区立石にある證願寺はとてもユニークな寺院です。寺院の外壁にやクジラやネコがデザインされ、狛犬の代わりにライオンと恐竜が寺院を守っています。なんと言っても注目なのはプラネタリウム。證願寺の魅力をレポートしました。
東京都葛飾区立石にある證願寺(しょうがんじ)はユニークな特徴を持つお寺。外壁には猫やクジラのイラストが描かれているほか、境内にはライオンや恐竜の狛犬が置かれています。
一番の特徴であり魅力は、併設されている「プラネターリアム銀河座」。證願寺は、世界初のプラネタリウムのあるお寺なのです。
證願寺へのアクセスはロケットが目印
京成本線・青砥(あおと)駅から立石駅方面に歩いて行くと、ロケットが張り付いた建物が見えて来ます。一見するとお寺とは思えないこちらが、今回ご紹介するプラネタリウム「プラネターリアム銀河座」を有する證願寺です。
猫とクジラの壁画が参拝者をお出迎え
證願寺の正面にまわると、クジラと猫のイラストが描かれています。クジラの絵は、仏教・宇宙・自然のうち、自然を示しているのだそう。珍妙に見える證願寺のモチーフですが、実は全てのものに意味があります。
お寺の外壁には、船を囲むように猫の絵が。真ん中の船は遣唐使船(※1)です。遣唐使船には仏教の経典をネズミの被害から守るために、猫が飼われていたのだそう。この時、大陸から仏教とともに猫が輸入されたことを絵では示しています。
※1:遣唐使(けんとうし)……7~9世紀に日本が唐(中国)に派遣した代表を乗せた船。唐の先進的な技術書、仏教の経典の収集を目的とした。
ライオンと恐竜が狛犬として境内を見守る
日本の神社やお寺の入り口や本殿の前には、神様や仏様を守る狛犬がいます。多くの寺社では狛犬が置かれている場所に、證願寺ではライオンと恐竜が置かれています。
證願寺では、仏教発祥の地であるインドにならい、狛犬の代わりにライオンが置かれています。これは、インドのお釈迦様の骨を祀った仏塔(ぶっとう)の上に、ライオンの像が用いられているためです。
もう片方に置いてある恐竜は、博物館が閉館する時に廃棄される予定だったものをお寺まで運んできたのだそう。境内に強いもの置くことで邪気を払おう、という思いがあるのだとか。
お寺の中のプラネタリウム「プラネターリアム銀河座」
1996年7月に創設された「プラネターリアム銀河座」は、もともと檀家(※2)の方に向けて、仏教の話を面白く説明するために導入されました。その後、月に2回、完全予約制で一般に公開されるようになります。
※2:檀家(だんか)……お寺に葬祭や供養などを専属で執り行ってもらう代わりに、経済的にお寺を支援する家のこと。お寺の宗派を信仰する信者。
プラネタリウムのプログラムは、合計1時間で行われます。天文学の初歩的な概説についての番組「デジタル・プラネタリウム」が30分、館長による星の解説が15分、各月によって変わるオリジナル番組が15分です。
「デジタル・プラネタリウム」は、英語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、ルーマニア語、ロシア語のチャンネルを持っています。
館長である春日(かすが)さんは、語学が堪能。日本語、英語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、ルーマニア語を話すことができるため、それぞれの言語での解説も可能です。
また、プラネタリウムの星座の名前も、日本語、英語、中国語、韓国語、タイ語に対応しています。
一般にプラネタリウムが公開されている日は、日本人向けのプログラムになっています。大多数の来場者が日本人のため、全てを各言語で解説できるわけではありませんが、まずは1度お問い合わせいただければとのことでした。
みなさんも、世界にひとつだけしかないお寺のプラネタリウムを楽しんでみてはいかがでしょうか。またとない体験に、旅の思い出となることでしょう。
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89年生まれ、青森県出身。人の集まるところが大好きな庶民派ミーハーです。日本の日常を切り取っていければと!