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魚沼市は、有名なコシヒカリはもちろん、清らかな雪解け水が育む豊かな自然や食文化を満喫できる場所です。日本最大級の人工湖「奥只見湖」や天候条件が揃えば、一生に一度は見たい「枝折峠の滝雲」もあわせて楽しめる、水の恵みを味わう旅をご紹介します。
魚沼市は、新潟県の南東部に位置し、魚沼盆地を中心に広がる地域です。この盆地は周囲を高い山々に囲まれており、自然環境が豊かです。地域は四季折々の気候に恵まれ、特に夏は新潟県内でも最も高い気温を記録することがあり、暑さが厳しくなることがあります。一方で、冬は非常に寒く、豪雪地帯として知られ、積雪量は3メートルを超えることもあります。降雪量が多いため、雪景色が美しく、冬の風物詩としてスキーや雪遊びが人気です。
魚沼市は米どころとしても有名で、特に「魚沼産コシヒカリ」は高品質なブランド米として広く認知されています。
魚沼産コシヒカリの美味しさの秘訣は、周囲の山からの雪解け水にあります。そしてこの雪解け水こそが、魚沼の豊かな自然環境を育む重要な要素なのです。この記事では、魚沼市の豊かな自然を育んできた水の恩恵を学ぶことができるプライベートガイドツアーで巡ることができるスポットをご紹介します。
越後三山(八海山、中ノ岳、越後駒ケ岳)は、新潟県魚沼市に位置する美しい山々で、その雪解け水は「超軟水」として知られ、地域の農産物や料理に豊かな味わいをもたらしています。この水は、魚沼産コシヒカリをはじめとするブランド食材を育むだけでなく、糀甘酒などの加工品にも重要な役割を果たしています。越後三山の恵みを受けた水は、地域の自然と深く結びついており、訪れる人々にその恵みを体感できる貴重な学びの場を提供しています。
世界最大級の米糀工場「魚沼醸造」では、魚沼の豊かな自然の恵みを活かした糀甘酒などの発酵食品の製造工程を見学できます。シアタールームでは、越後三山の雪解け水を求めて工場が建設された背景や、美しい水と米を使った甘酒作りの過程を映像で紹介します。また、工場内の雪室では、保存された雪を楽しみながら、雪国ならではの冷却技術を体感できます。
工場見学後は、工場直送のここでしか味わえない、濃厚で奥深い味わいの「糀甘酒」とクリームチーズのような味わいにも似た、くせになる糀甘酒ソフトクリームの試食も楽しむことができます。
水無川・扇状地フィールドワークでは、田園風景の中を車で川沿いに走りながら、魚沼のブランド農産品を育む扇状地を巡り、地域の歴史を感じる神社を訪れます。その後、扇状地の扇端から水無川を上流へ辿り、越後三山の伏流水が育む農産物の紹介や湧き水の試飲を楽しみつつ、扇頂へと向かいます。扇頂では、越後三山の雄大な絶景が広がり、自然の恵みを深く感じることができます。
水無川はその名前の通り、水が流れていない事もある川です。しかし扇頂付近では、大地に吸収される前の、雪解け水からなる清流をご覧いただけます。天気が良ければ、越後三山の雄大な景色も望むことができます。
越後三山の扇状地では、八色原を中心に、春は促成山菜、夏は八色スイカやブルーベリー、秋はお米、冬は八色菜(冬菜)といった多くのブランド農産品が育まれており、時期が合えば、収穫体験も楽しめます。
奥只見ダムは、新潟県と福島県の県境に位置し、雄大な自然に囲まれた巨大なダムです。このダムは、発電を目的とした重要な施設であり、その水源となる奥只見湖は、周囲の美しい山々と共に圧巻の景観を誇ります。ダム周辺のエリアでは、春から秋にかけて色とりどりの花々が咲き誇り、冬には雪景色が広がります。奥只見ダムとその水源を辿る旅では、清らかな水が生み出す自然の力を感じ、四季折々の壮大な風景を堪能できます。
魚沼市の秘境「奥只見・銀山平」で発生した霧が、山の谷間を多い尽くし、やがて雲の滝を作る滝雲は、大自然と水が織りなす幻想的な光景です。
滝雲が見られる時期は6月中下旬~11月上旬で、それ以外のシーズンは、付近の道路が冬期閉鎖となるため行くことができません。さらに時間帯は早朝、日の出前後。日の出後、1~2時間ほどで雲は消えることが多いです。
天候条件が揃わないと見ることができませんので、時の運も必要になります。
滝雲鑑賞は早朝ですので、夏場でも薄手の上着をご用意ください。また、9月以降になるとかなり冷え込みますので暖かい服装が必須となります。早朝の冷涼な空気の中、幻想的な景色が広がる瞬間は格別です。
尾瀬沼は、尾瀬国立公園内に位置する美しい高原の湖で、奥只見ダムの重要な水源の一つです。標高約1,660メートルにあり、周囲を燧ヶ岳(ひうちがたけ)などの山々に囲まれた自然豊かなエリアです。尾瀬沼は、雪解け水や雨水によって満たされ、その清らかな水はやがて只見川を経て奥只見湖へと流れ込みます。周辺には湿原が広がり、春から夏にかけてミズバショウやニッコウキスゲなどの高山植物が咲き誇るため、四季折々の美しい景色を楽しめます。
尾瀬沼は、ハイキングやネイチャートレッキングの人気スポットでもあり、大自然の中で水の循環とその恵みを実感できる場所です。プライベートツアーでは、遊覧船とバスを利用して尾瀬沼に向かい、初心者でも安心なコースにて片道約90分のトレッキングを満喫します。
宿泊は、尾瀬沼の畔に立つ、山小屋「長蔵小屋」に1泊します。1934年築の歴史ある木造の建物です。長年磨き続けられた木の廊下が美しく黒光りしています。談話室でお楽しみいただける尾瀬の天然水を使ったドリップコーヒーを楽しみながら薪の火のぬくもりを感じることができる空間です。
尾瀬沼に映る燧ケ岳(ひうちがたけ):通称「逆さ燧(さかさひうち)」は必見です。天気がよければ満天の星も鑑賞できます。
圧倒的なスケールを誇る日本最大級の「奥只見ダム」は、台湾の「烏山頭ダム」同様、かつては東洋一とも謳われたほどです。周囲の雄大な山々や豊かな自然に囲まれながら、ダムの迫力ある姿を間近でご覧いただけます。
地下発電所は大型工事中のため、2027年までは見学者の受入れはしておりませんが、プライベートツアー参加者に限り、可能なエリアまで特別に見学を実施しています。
2023年9月に50周年を迎えリニューアルオープンした「奥只見電力館」では、ダムの歴史や水力電力の仕組みについて学ぶことができます。
美味しいコシヒカリの故郷を、そのおいしさの秘密を紐解きながら巡ることで、魚沼市の魅力がどんどん見えてくること間違いなしです。魚沼市は自然や食も豊富ですが、湯之谷温泉郷と呼ばれるほど温泉の宝庫でもあります。
魚沼市でしか見る事ができない景色を探しに来ませんか?
ツアー集合場所への行き方:
最寄駅:JR浦佐駅(上越新幹線) ※JR東京駅より上越新幹線で約90分/JR新潟駅より上越新幹線で約33分
日本有数の豪雪地帯である魚沼市は、総面積の約84%を占める「深い森林」と「深い山並み」が半年近く「深雪」に覆われる、厳しくも美しい自然に恵まれた地域です。春になると溶け出した「深雪」は、「深い森林」と「深い山並み」に抱かれ、地中に浸透し、長い時間をかけて湧き水として地上に現れます。この水は、すべての生命や大地を潤す貴重な水源となっています。 魚沼市ではそんな豊かな水がはぐぐむ自然や文化、味覚をめぐる旅をご案内しています。