【群馬県】富岡製糸場で勤めた工女さんが眠る場所「龍光寺」

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世界遺産・富岡製糸場を見学した後に立ち寄りたくなる！龍光寺の見どころや、副住職である神宮さんの心温まるエピソードもご紹介します。

ライター

群馬県

群馬県は日本の中心部になる内陸県で、温泉地やスキー場など自然の魅力があふれるスポットがたくさんあります。東京からのアクセスも抜群な群馬県に遊びに来ませんか？

目次
龍光寺とは
富岡製糸場から徒歩圏内！龍光寺までのアクセス
世界遺産・富岡製糸場との歩み
ここが必見！見どころ３選
副住職・神宮さんのお話
【龍光寺　基本情報】

龍光寺とは

龍光寺には、官営富岡製糸場時代（明治7年～34年）に勤めた52名の工女さんや、洋画家の福沢一郎などが眠っている墓があります。名称「富岡製糸工場工女等の墓」として富岡市指定史跡にもなっており、地元をはじめとする多くの方から親しまれています。

龍光寺の門をくぐり抜けると、「とみおかこども園」が見えてきました。龍光寺の寺子屋が現在の富岡小学校の前身だったという背景から、境内にこども園という構造になっています。2021年春に新しい園舎が完成。手塚建築研究所の設計でモダンな建築が特徴です。

富岡製糸場から徒歩圏内！龍光寺までのアクセス

■羽田空港から富岡市まで　約2時間45分

羽田空港（東京モノレール）～浜松町駅（山手線）～東京駅（上越・北陸新幹線）～高崎駅（上信電鉄）～上州富岡駅

■成田空港から富岡市まで　約3時間45分

成田空港（スカイライナー）～上野駅（上越新幹線・北陸新幹線）～高崎駅（上信電鉄）～上州富岡駅

★富岡製糸場➡龍光寺まで（徒歩7分／500ｍ）おすすめ！

★上州富岡駅➡龍光寺まで（徒歩9分／700ｍ）

★上州富岡駅➡富岡製糸場まで（徒歩11分／750ｍ）

世界遺産・富岡製糸場との歩み

約400年前、龍光寺は現在よりずっと広大な敷地を所持していたそうです。富岡製糸場から龍光寺も１つの敷地で繋がっていたと言われていて、街中は檀信徒で構成された街作りでした。

また、富岡製糸場で働く工女さんのなかには、故郷を離れ慣れない集団生活や労働で若くして病に倒れ、夢半ばで亡くなり故郷に帰れない人がいました。当時はまだ汽車もなく、帰る手段もなかったのだと言います。

龍光寺は富岡製糸場へ土地を受け渡し、亡くなった工女さんたちを受け入れてきました。強い繋がりを持ち、今日まで二人三脚で歴史を築き上げているのです。

＼世界遺産「富岡製糸場」の魅力についてはこちらをチェック！／

【群馬県】世界遺産「富岡製糸場」の完全ガイド～アクセス、見どころなど～

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富岡・高崎

ここが必見！見どころ３選

① 正門の彫り細工

いつも参拝客を迎え入れている、門の見事な彫り細工。37年前に完成し、よく見てみると龍が薬つぼを持っています。「この門を通る人たちの病気が治れば」という住職のお父様の思いから彫られたものだそう。四隅には天邪鬼もいて、彼らが閉じ込められているという描写もあります。

② 富岡市が誇る天然記念物・樹齢400年の大イチョウ

本堂に近づいてみると、向かって右手側の大イチョウに圧倒されます。推定樹齢は約400年、樹高25ｍ、根回り9.5ｍ、富岡市天然記念物に指定されています。

「街の変遷をみてきた大イチョウであることをぜひ知ってもらいたい。」と副住職の神宮さんも話していました。

大イチョウにはこんな逸話もあります。明治時代、雷が落ちて本堂が焼けてしまったことがあるそうで、木の上から水を噴射して消火にあたったことがあるとか。龍光寺のピンチを救った大イチョウの話を聞き、一層大きく感じます。

③ 600年もの伝統を受け継ぐ例祭「お十夜」

毎年11月14日に子どもの健やかな成長を願って行われる例祭、お十夜（おじゅうや）。1495年に鎌倉の光明寺という場所で、天皇の許可を得たことがきっかけでおよそ600年間にもわたり伝統が守られているそう。

1日で約5,000人もの来場者があり、毎年多くの露天や人々で賑わっています。

お十夜では、「お十夜粥」というお粥を箸で食べることが伝統行事になっており、養蚕農家との関わりがあったことから始まったものだそうです。

養蚕農家は、蚕に繭を作らせるため「蔟（まぶし）」という四角い箱に蚕を移し入れる作業があります。そこで「お十夜粥」を食べたお箸を使用することで、形の良い繭ができると言われています。

副住職・神宮さんのお話

龍光寺と富岡製糸場には切っても切れないご縁があります。工女の墓は、初期と後期で分かれていると神宮さんは考えます。初期は、工女１人が亡くなると工女同士がお金を出し合ってお墓を立て、後期は、工場がお金を出して連名で墓石を立てていたため、おそらく当時の工女さんもお墓参りに来ていたであろうと当時に思いをはせ話す神宮さん。

日々大切にしていることは、「１日１日を生き抜くこと」。

今後、もっと団体客や訪日外国人にも訪れてもらい、龍光寺が地域の中核になってほしいと語ります。

最近ではインスタグラムの投稿にも力を入れているそう。「日本の国家繁栄のために礎になった女性たちをお参りしてほしい。私たちがこうして持っているやスマホなどの工業製品は工場で作られている。その工場のもとになったのが富岡製糸場であることを感じてほしい」と神宮さんは微笑みます。