三重県松阪市 仁柿巨大稲わらオブジェ
松阪市でみられる巨大な稲の藁で作ったオブジェを紹介します。
自然に囲まれた松阪市飯南町仁柿
松阪市西部、山々に抱かれた田園地帯・飯南町仁柿地区。エメラルド色の櫛田川を眺めつつ国道166号から粥見赤滝交差点を曲がり、谷あいを進むと小さな集落が静かに点在します。やがて道のカーブの向こうに姿を現すのが、毎年住民が力を合わせて生み出す巨大稲わらオブジェです。

なぜ巨大な稲わらオブジェ?
松阪市飯南町仁柿は、伊勢神宮への参拝に訪れた人々がかつて通った伊勢本街道沿いに位置しています。近年、都市部への人口流入が進むにつれ、仁柿のような小さな町の多くは過疎化が進んでいます。
そこで、仁柿活性化創造実行委員会は、2016年から、仁柿地域に活気を取り戻そうと尽力してきました。建立される巨大稲わらオブジェは、仁柿に人々を呼び込み、交流の場を創出するための毎年恒例の取り組みの一環です。

▲令和3年度のオブジェは「布袋(ほてい)さん」
仁柿巨大稲わらオブジェは大変好評で、近隣住民が車で写真撮影に訪れ、その様子は地元ニュースだけでなく県外のメディアにも取り上げられました。実行委員長によると、香港に住む友人が海外の新聞で仁柿巨大稲わらオブジェのニュースを見たそうです。
巨大稲わらオブジェの制作
巨大稲わらオブジェを制作するために、委員会は地元で木材を調達し、近隣の森で採れた竹を組み入れ、地元の稲わらでオブジェの外装を造ります。5月頃にオブジェを撤去すると、木材は翌年のために保存し、稲わらは菜園や農家の飼料や敷料として提供します。

仁柿活性化創造実行委員会は毎年、制作については一切公表せず、委員会のメンバーの家族にも何をモチーフとしたオブジェを制作しているかを漏らしません。そのため完成まで何度も進捗を見に来る人もいます。
2016年から毎年新しいオブジェが作られており、過去の作品は、イノシシ、フクロウ、龍、招き猫、アマビエ、布袋さん、鳳凰などがあります。形には特別な意味が込められていることもあり、例えば、疫病予防のシンボルであるアマビエは、新型コロナウイルス感染症が起きた2020年に制作されました。

観光情報
仁柿活性化創造実行委員会は、毎年秋頃から仁柿巨大稲わらオブジェの建設に着手します。完成したオブジェは冬から春にかけて一般公開されます。
2025年の作品は、松阪市の公式キャラクター「ちゃちゃも」をモチーフにした高さ7メートルのオブジェで、2025年11月から2026年5月中旬頃まで展示される予定です。

国道368号線から車でアクセスでき、近くに無料駐車場があります。
〇仁柿巨大稲わらオブジェ
【期間】2025年11月~2026年5月中旬頃
【住所】三重県松阪市飯南町下仁柿 樋山口バス停付近(国道368号沿い)
【三重県松阪市の詳しい観光情報はこちら】
三重県松阪市は日本のほぼ中央に位置し、世界に誇るグルメ・松阪牛、豊かな歴史文化、美しい自然を楽しめます。江戸時代、お伊勢参り(日本最高位の神社への巡礼)の最後の宿場町であった松阪は、多くの人やものが行きかう交通の要衝として栄え、多数の豪商を輩出しました。これらの商人たちが、江戸で松阪もめんなどの商いに成功し、松阪に繁栄をもたらしました。