道後温泉で、一杯の物語に浸る。これまでにない飲み比べ体験がスタート
愛媛県・松山にある老舗・水口酒造が手がけるのは、日本酒と地ビールを音声ガイドとともに味わう、新しい飲み比べ体験。香りや味わいだけでなく、その一杯に込められた背景や物語まで耳でひらいていく──道後でしか出会えない、五感で楽しむ特別な体験です。
道後温泉とは?

日本最古級の温泉地として知られる、愛媛県松山市の「道後温泉」。その歴史は、日本書紀に登場するほど古く、3000年もの時を超え、いまなお人々を癒し続ける名湯です。長い歴史の中には、かの文豪・夏目漱石や俳人・正岡子規が足を運んだともされ、著名人だけでなく、多くの人々に愛されてきた温泉地。
歩きやすい石畳の小道や、お土産物屋が並ぶ商店街、最先端のアートが展示される風景──。どこか懐かしさを感じる中に、華やかな新しさが同居する道後の街。ここには、旅の時間をゆっくりと味わいたくなる空気があります。
そんな歴史と新しさを感じる温泉街でいま、一杯の味わいと向き合う、新しい体験が始まっています。
この記事では、道後の老舗酒造が手がける日本酒3種と地ビール3種の飲み比べ体験をご紹介します。
湯の街・道後で始まる、新しい“味わい体験”

今回始まった飲み比べ体験を楽しめるのは、道後の老舗酒造・水口酒造。創業130年を超えて、道後温泉とともに歴史を歩んできた酒蔵です。そんな老舗酒造が、新しく始めた体験とは、一体どのようなものでしょうか。
この飲み比べ体験は、ただお酒を楽しむというものだけではありません。それぞれのお酒の背景や、造り手が込めた想い、味わい方を音声ガイドに導かれながら味わう、いままでにない飲酒体験です。
音声ガイドは、一杯一杯の味わい方や、それぞれのお酒が持つ個性や味わいの違いについて、じっくり丁寧にサポートしていきます。まるで、「あなた専用の味わいコンシェルジュ」。イヤホンを装着しながら味わうことで、いつもより味覚や香りがひらき、深い没入感を体験を味わうことができます。
体験は、お店から提供されるQRコードを読み取り、音声ガイドアプリ「ON THE TRIP」をダウンロードするだけで簡単にセットできます。使い慣れているスマホとイヤホンさえあれば、すぐに没入体験へと早変わり。
それでは、まったく新しい味覚体験の世界へ、足を踏み入れてみましょう。
日本酒3種の飲み比べ・地ビール3種の飲み比べ体験 概要
- 体験施設:道後一会
- 住所: 愛媛県松山市道後喜多町3-18
- 料金:日本酒3種の飲み比べ 1,000円(税込)・地ビール3種の飲み比べ 1,200円()
- アクセス:道後温泉駅から徒歩約5分
音声ガイドがひらく 、日本酒の扉
ひとくちに日本酒といっても、吟醸、大吟醸、純米大吟醸など、種類が多く難しいと感じる人も多いはず。今回の飲み比べ体験では、そんな方でも安心して楽しめるように、音声ガイドが味わいのコツを丁寧に案内してくれます。

飲み比べ体験で提供されるのは、「薄墨桜」、「さくらひめ」、「NIKITATSU 2024」という個性が違う3つの日本酒たち。この3種の飲み比べを1,000円(税込)で楽しむことができます。
それでは、イヤホンを装着したら、さっそく音声ガイドをスタート。日本酒の源ともいえる水の音を皮切りに、イヤホンからはこんな音声が流れてきました──。
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日本酒の楽しみ方には、ちょっとしたコツがあります。いきなり飲むのではなく、まずは香りを感じること。次に、口に含んだら舌の上でゆっくり転がし、舌のどの部分でどんな味わいを感じるかを確かめてみましょう。温度や空気に触れる時間によって、香りや風味が変化するのも日本酒の奥深さのひとつ。五感で味わう、このひとときをお楽しみください。では、一杯目からまいりましょう。
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まずは「薄墨桜」をお召し上がりください。
お猪口を顔に近づけ、まずは香りを確かめてみましょう。
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ガイドにうながされて、まず一杯目の「薄墨桜」の香りを確かめてみます。ふわっと広がる華やかさが立ち上がり、いつもよりも香りがダイレクトに届いてくる感覚。
イヤホンで外部からの音が遮断されているぶん、いつもより香りの感度が高まっているのかもしれません。
忙しい日常では、ゆっくりと香りを感じるという時間を忘れてしまいがち。けれども、この体験では、五感の一つひとつを丁寧に感じとり、この時間そのものが贅沢に思えてきます。
このあともガイドは、一口の味わい方や、「薄墨桜」の名前に込められた背景まで、目の前の一杯をやさしく語ってくれます。詳しい体験の続きは、ぜひ現地で実際に味わってみてくださいね。

ちなみに、この体験で登場する一杯である「NIKITATSU 2024」は、同時にスタートした山田屋まんじゅうの“おまんじゅうの食べ比べ体験”でも提供され、和菓子とのペアリングも楽しめます。
道後を訪れた際には、日本酒と和菓子という、ちょっと意外な組み合わせも味わってみてくださいね。
【おまんじゅう体験記事のリンク挿入】
漱石のまなざしを借りる、“物語としての一杯”

続いては、水口酒造の地ビール3種を味わう飲み比べ体験です。この体験には、特別な案内役がいます。それが、文豪・夏目漱石。実は、飲み比べで提供されるビールは、どれも夏目漱石の小説「坊ちゃん」から命名されているもの。「坊っちゃんビール」、「マドンナビール」、「漱石ビール」というタイプの違うビール3種を、1,200円(税込)で堪能できます。漱石のナビゲートで進んでいく体験とは一体どのようなものでしょうか。
それでは、早速イヤホンを装着して、音声ガイドをスタート。軽快な音楽とともに、現代に蘇った漱石が語り出します──。
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まずは、黄金の光を宿した「坊っちゃんビール」だ。名前の通り、私の小説「坊っちゃん」から命名されたそうであるが、このビールは「ケルシュ」というスタイルに分類される。まず香りを嗅いでみてほしい。どんな匂いがするだろうか。
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軽快に話を進めてくれる漱石さんにうながされて、まずは一杯目の「坊ちゃんビール」の香りを確かめます。ほのかにフルーツのような華やかさ。漱石さんによると、これは「坊ちゃんビール」のケルシュ特有の酵母の香りだそう。漱石さんが隣で語ってくれるような感覚を覚えながら、ひと口、ひと口が進んでいきます。

水口酒造は自社のビールについて、こう語ります。「水口酒造のビールは、あくまでも“地ビール”である。」 と。
昨今、よく耳にするビールには、地ビールやクラフトビールというジャンルがあります。けれども、水口酒造はビール醸造をはじめてから一貫して、“地ビール”と名乗り続けているといいます。それは、その土地に根ざした風味と造り手の哲学が込められた、地元の記憶を引き継ぐビールでありたいから。

そんな道後という看板を背負う水口酒造の想いを胸にこの体験に向き合うと、ガイドが語る言葉たちは、また違う味わいを連れてくるかもしれません。
漱石さんの軽妙なガイドが気になった方は、ぜひ現地で実際に体感してみてくださいね。
一杯と向き合い、あなたの五感をひらく

音声ガイドとともに、目の前の一杯と、じっくり向き合う時間。香りをかぐ、舌で味わうという無意識の習慣を、ガイドの言葉で表現してくれることによって、まるで味わいの輪郭をなぞるように、自分の五感がひらいていく──。そして、その一杯の奥に含まれた「道後」という土地の物語を見ているようでした。
温泉で身体を整えたら、新しい五感とともに物語と出会う。そんな贅沢な時間を、ぜひ道後で味わってみてくださいね。
音声ガイドアプリ「ON THE TRIP」とは?

オーディオガイドアプリON THE TRIPは、「あらゆる旅先を博物館化する」をテーマに、さまざまな旅先で気になったことをその場で深めるオーディオガイドアプリ。神社やお寺などの文化財、ホテルなどの宿泊施設、温泉地や芸術祭。さらには禅や寿司、飲酒体験などのカルチャーまで、音声とテキスト、写真付きで目の前の景色についての歴史や背景などを教えてくれます。
※ガイドの再生は、GPS対応の自動再生タイプと手動再生する2つのタイプがあり。
ON THE TRIPは、お寺や神社、美術館などの文化財や街に息づく物語を、地図上にマッピングされたスポットを巡りながら楽しむオーディオガイドアプリです。 一つ一つのガイドはまるで映画や小説のような心動かす作品となり、ガイドを聴くことで旅先への理解が深まり、旅の体験がふくらむ。 オーディオガイドアプリを活用することで見えてくる、ガイドブックには載っていない日本の魅力と、オーディオガイドだからこそ味わえる新しい旅の仕方をご紹介していきます。