【名鉄名古屋駅から電車で30分】愛知No.1グルメライターと巡る、常滑大人グルメ
愛知県No.1グルメライター大竹敏之さんと巡る、グルメ旅 焼き物すなわち器を作る町である常滑はそこに盛る、注ぐ、グルメも豊富にそろっています。常滑おとなのグルメでは、少人数でも気軽に飲んで食べて楽しめるそんな常滑の飲食店の数々を紹介します。
海鮮丼は6種類ほどが豪快に盛られる一番の名物。2030円
大竹敏之さんのプロフィール
常滑市生まれ。やきもの散歩道は中学時代の通学路。名古屋の出版社に勤務した後、フリーライターに。雑誌、新聞、Webなどに名古屋情報を発信する。2010年に刊行した書籍『名古屋の喫茶店』(リベラル社)がご当地ロングセラーとなり、以降もコンスタントに名古屋の食や文化に関する書籍を出版する。著作に『間違いだらけの名古屋めし』(ベストセラーズ)、『名古屋の酒場』『名古屋の喫茶店完全版』(リベラル社)などがある。最新刊は『名古屋金シャチさんぽ』(風媒社)。Yahoo!ニュースに「大竹敏之のでら名古屋通信」を配信中。食べ歩きやはしご酒をテーマとした名古屋の町あるきツアーのガイドも務める。

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目次
- 居酒屋古窯庵
- よなよな
- 食楽 たに川本店
- 久田屋
- 菊広
- 海鮮創作酒房 湾 ベイ
- とり伊
- Bistro sourire ビストロ スリール
- ENGLISH PUB
- バー&ビストロ 共栄窯
- グルメブックダウンロード
居酒屋古窯庵
〆のそばは外せない。焼物の町の風情も楽しむそば居酒屋

細挽きせいろ880円。細切りでのどごしがいいそばは飲んだ後の〆にぴったり。小盛の〆せいろもある
「そば粉は産地にこだわらずその時季に最もよいものを厳選して取り寄せています」と店長の藤井資士さん。古窯庵はお隣の半田市、やきもの散歩道にもあるそば屋で、より幅広いメニューを充実させた姉妹店がここ。看板商品はもちろん“そば”で、夜のお客も大半が注文するといいます。端正な細挽きのせいろはそばの香りがふわりと鼻腔をくすぐり、のどごしもするするとなめらか。〆用の小盛や、他の姉妹店にはないつけそばを用意しているのも気が利いています。一品料理は肉・魚・野菜をバランスよく使ってバラエティ豊か。魚介は白身、アジ、タコ、甲イカなどの地物を中心に毎日仕入れ、刺身、煮付け、塩焼き、天ぷら、唐揚げなど多彩な料理法で提供してくれます。ポリポリした食感が小気味よい揚げそばシーザーサラダ、こってりした味噌が常滑の地酒とよく合うそば味噌きゅうりなども、そば店由来のこの店らしい一品です。

お造り盛り合わせ。写真は2人前2000円

揚げそばシーザーサラダ730円はボリュームもたっぷり

「様々な好みのお客さんに満足していただけるよう鶏・馬・魚介をバランスよく使ってメニューを組み立てています」と店長の藤井資士さん

板の間でくつろぎやすい店内
店名は六古窯のひとつである常滑の伝統にあやかって。料理を盛る器はもちろん、入口のたたきに埋め込まれた飾りや両脇を固める狛犬、さらに看板の店名の文字にも常滑焼きが。うまいそば、料理と合わせて焼物の町らしい風情も楽しめます。

入口周りには様々な常滑焼をあしらってある

器は常滑焼が中心
大竹's実食レポート

早めに着いてしまい入口前で待っていると、のれんを下げにきた店員さんが「どうぞ」と店内に。ちょっとした気配りに好感度は上昇。つまみがどれもよかったが、さすがそばは専門店のクオリティ! 角が立った細切りはするするのどを通り〆にうってつけです。
店舗情報「居酒屋 古窯庵」

【住所】常滑市新開町3-156
【TEL】0569-35-8350
【営業時間】11:30〜14:00/17:30~23:00
【定休日】月曜日 (祝日の場合は翌日)
【席数】48席(全席禁煙)
【駐車場】10台
【アクセス】名鉄「常滑」駅より徒歩10分
【オープン年】2009年
【決済方法】現金、クレジットカード、電子マネー、QRコード
よなよな
夜な夜な通う毎に伝わるさりげないひと手間とセンス

キンキの煮魚は800円~。炊き合わせをあしらい彩りも美しい
「キンキ、イシダイ、カツオ、キジハタ、タコなど知多の魚介の魅力を味わってほしい」という店主の佐伯高志さん。刺身・煮・焼・揚と、ひとつの素材に異なる調理を施すことで味わいも変化し、魅力が広がるのが面白いところ。中でも和食畑を歩んできた店主の仕事が活きるのが煮魚。煮汁の色は濃いめで一見辛そうに見えますが、優しくふくよかで、主役の魚の味わいを引き立てます。品書きに並ぶ料理名はオーソドックスですが、どれも仕上げが丁寧。知多牛の赤身焼きの薬味には塩、わさび、ミョウガ、レモン、酢味噌を合わせて“味変”のバリエーションを多彩に。煮魚にはかぼちゃやミョウガなどの炊き合わせを添えて彩りを加えます。他にも飾り葉のあしらいなど、ちょっとしたひと手間が、運ばれてきたひと皿への期待感や満足度を少しずつ高めてくれるのです。

知多牛の赤身焼1400円。ピンク色のレア感を残した焼き加減が絶妙

日本酒は希少種を中心に取りそろえる
常滑焼の器は野性味と洗練さが両立して料理の背景としてなじみ、空間は古民家風でありつつも上品でくつろげる。料理、器づかい、店づくりとあらゆる面でセンスが光ります。「夜な夜な来てもらえるお店にしたい」とは店主が店名に託した思い。さりげなく秘められた魅力に、また足を運びたいという気持ちが高まります。

古民家風で板座敷から坪庭も望める店内

店主の佐伯高志さんは常滑のお隣、知多市出身。25歳で独立しこの店を出店した
大竹's実食レポート

付き出しのバイ貝に添えられた小松菜とかぼちゃ。これだけで丁寧な仕事ぶりが伝わります。ポテサラも粉ふきいもをつぶして仕上げに水菜のシャキシャキ感をプラス。驚いたのは味噌カツ。さらっとした味噌ダレが絶品で専門店でもいけるレベルです!!

付き出し(300円)

明太子のポテトサラダ(600円)

愛知豚の味噌カツ(750円)
店舗情報「よなよな」

【住所】常滑市新開町2-156
【TEL】0569-35-3347
【営業時間】17:00~24:00
【定休日】火曜日【席数】40席(全席禁煙)
【駐車場】8台
【アクセス】名鉄「常滑」駅より徒歩3分
【オープン年】2013年
【決済方法】現金、クレジットカード、QRコード
食楽 たに川本店
みずみずしい刺身に名物鍋 温故知新の正統派居酒屋

名物もつ鍋。写真は2人前2200円。もつ、野菜盛り、スープ、ラーメン、雑炊、うどんの追加もできる
初訪問の際、まず注文したイサキの刺身のおいしさに驚きました。脂が乗って甘みが濃くてみずみずしい。店主の目利きが確かなことがこれだけで分かります。その後も、何を頼んでも鮮度もボリュームも都市部の5割増し!常連が引きも切らないのも当然です。間違いのない品々が並ぶ中で「先代の頃からの名物です」と店主の梅原一さんが守り続けているのが“もつ鍋”。ぷりぷりのもつはコラーゲンをたっぷり含んで甘みがじゅわり。キャベツはしゃきしゃき、とんこつスープは優しくまろやか。1人前から注文できるのもお客さん思いでうれしくなります。

どのネタもつややかな刺身の盛り合わせ。写真は2800円

にがりから丁寧に仕込む自家製厚揚げ600円

一枚板のカウンターが映える店内。2階には座敷席も
梅原さんは高校時代のバイトからここで働き始め、先代が急逝した13年前、30歳でのれんを引き継ぎました。「屋号は変えていいんだよ、といわれたのですが、そのままにしました。長いことお世話になったので、恩返しになるかな、と思って」。メニューは自分流に変えていったといいますが、もつ鍋は先代の味を踏襲。自分らしさを出しつつ守るべきところは守る。そんな姿勢が変わらず愛され続けているゆえんでしょう。常連の多さも土地の空気を感じるには願ったり。なじみ客と店主らとの気の置けない会話も肴として楽しめます。

「刺身がメインであることと名物のもつ鍋。このふたつは先代の時代から守っています」と店主の梅原一さん

毎日替わる「本日のおすすめ」。力強い文字は梅原さんによるもの
大竹's実食レポート

イサキの刺身に始まり、味噌がさらりと上品などて煮、脂が乗った身はとけるようで揚げ方はふわりと軽いメヒカリ唐揚げとどれも大満足。もつ鍋が一人前から注文できるのはありがたいが、本当に一人前?というボリューム。おなかパンパンでうれしい悲鳴(笑)。

イサキの刺身(880円)

どて煮(680円)

メヒカリの唐揚げ(680円)
店舗情報「食楽たに川 本店」

【住所】常滑市長間19-1
【TEL】0569-35-4814
【営業時間】18:00~23:00(L.O.22:00)
【定休日】水曜日
【席数】44席(喫煙席あり)
【駐車場】10台
【アクセス】名鉄「常滑」駅より徒歩15分
【オープン年】1992年
【決済方法】現金のみ 食楽
久田屋
生け簀料理に和洋のコラボも随所にさりげない常滑らしさ

豪快な本マグロの中落ちは数量限定。1430円
古民家風の構えにカウンターにはガラスの浮き玉が下がり、漁師小屋のようなムードも。焼き物の町として知られる常滑ですが、伊勢湾に面した漁業の町でもあることをあらためて思い出させてくれます。「生け簀で泳ぐのは主に常滑の港で揚がったメバル、カサゴ、キジハタなど。鬼崎漁港の仲買からネタを仕入れています」と店長の澤田幸一さん。魚介を柱としながらも、洋+和の創作料理や、野菜と肉を組み合わせた串焼きなども。カマンベールの味噌漬け焼きは、チーズの上に味噌を塗って香ばしさを出し、大葉と海苔をまいて食べるユニークな一品。常滑の地酒の骨太の味わいにもよく合います。アスパラ、トマト、ネギなどをバラ肉で巻いた野菜の肉巻き串は、タレのまろやかな甘みとコクでこれまた地酒の恰好のつまみになります。

野菜の肉巻き串盛り合わせ5種入り1430円

常滑産の海苔をまいて食べるカマンベールの味噌漬け焼き849円

土蔵のような造りの中、壁に掲げられた文字アートが空間にスマートさを加えている

小屋のような素朴な外観
日本酒は愛知、岐阜の地酒を軸に季節ごとに銘酒を取り寄せ、ビールは泡立ちがマイルドになる常滑焼のマグカップを用意するなど、常滑らしいアプローチでおいしい飲み方を提案してくれます。田舎風に見えてそこはかとなく洗練されたバランスも巧み。地元の人は安心して日常遣いができ、旅の人は気づかぬうちに常滑らしさに浸れそうです。

常滑・澤田酒造のからからは市内の居酒屋には必ずある定番

オープン間もない頃から店に立つ店長の澤田幸一さん
大竹's実食レポート

常滑焼のマグで飲むビール。泡がきめ細かくなって口当たりがまろやかに。これぞ常滑らしい一杯!アルコールの単価が値ごろなのがのんべにはうれしい。〆の漁師汁は濃~い赤味噌の味噌汁で懐かしいおふくろの味。ほろ酔いの胃袋にしみました。

漁師汁(319円)

カマンベール味噌付け焼き(849円)

刺身盛り合わせ(979円)
店舗情報
【住所】常滑市新開町3-115
【TEL】0569-34-2498
【営業時間】17:30〜24:00
【定休日】日曜日
【席数】50席(喫煙席あり)
【駐車場】12台
【アクセス】名鉄「常滑」駅より徒歩5分
【オープン年】2011年
【決済方法】現金、クレジットカード、QRコード

菊広
知多の豊かな海の幸を和洋織り交ぜくり出す

刺身盛り合わせは一人前から注文できる。内容はその日の仕入れによって変わる。1人前1650円~
「常滑に本格的な和食を味わえる店を!と25歳の時に店を出しました」と40余年前の創業時をふり返る店主の増田廣幸さん。宴会にも対応できるお屋敷のような店のスケールは、若き日の店主の熱意の象徴です。その思いの力強い味方になってくれたのが知多半島の海の幸でした。「メバル、カレイ、キジハタ、ワタリガニ、シャコ・・・。すぐ近くの鬼崎漁港に揚がるものはなじみの魚屋が買い付けてくれ、さらに自分で碧南市まで車を飛ばしてネタを仕入れています」と、新鮮かつバラエティに富んだ素材を、地の利とフットワークの軽さをフル活用して調達しています。そんな魚介の魅力は、まずは何より刺身で。どれも活きがよくて弾力があり、天然の甘みや滋味を堪能できます。

メバルの煮付けは1100~1980円

店主の増田廣幸さんと妻の睦子さん

蔵のような堂々たる店構え

天井が高い蔵のような店内。掘りごたつ式のカウンターも
洋風メニューがあるのもユニーク。平目のムニエル、リゾット、カレー、パスタ・・・。クラフトビールも豊富で、和洋にとらわれずおいしいものを積極的に取り入れる柔軟さは、かしこまらずに使える店の大らかな雰囲気にも相通じます。カウンターの上に貼り出された魚介のイラストは増田さんの作品。これまた達者でありながら親しみやすく、注文の参考にはもちろん、店主との会話のきっかけにも使えそうです。

トマトソースたっぷりの平目のムニエル1430円

店主画の魚介のイラストをは眺めているだけで楽しく食べてみたくなる
大竹's実食レポート

刺し盛りの鮮度のよさにテンションが上昇。ふぐの唐揚げも知多では定番で、かぶりつくとぷりぷりでこれまた気分があがります。意外性につられて〆はカレースパ。まかないっぽい素朴さは懐かしいお家カレー風。次はカレーライスやリゾットも試してみたい!

刺身盛り合わせ(1,815円)

天然ふぐ唐揚げ(1,430円)

カレースパゲティ(1,330円)
店舗情報

【住所】常滑市神明町3-20
【TEL】0569-42-2086
【営業時間】17:00~22:00(L.O21:00) ※昼は予約のみ
【定休日】木曜日
【席数】60席(全席禁煙)
【駐車場】15台
【アクセス】名鉄「蒲池」駅より徒歩2分
【オープン年】1984年
【決済方法】現金、クレジットカード
海鮮創作酒房 湾 ベイ
魚介も野菜もとれたて素材を活かす店主の思い

夜の定番セット・おまかせ御膳はメインを「季節の焼き魚」はじめ4品から選べる。3350円(平日は3150円)
「家の目の前が豊浜の海で、ごはんのおかずは毎日魚でした」と店主の大岩広正さん。自身が食べて育った知多の魚をたくさんの人に味わってもらいたい。料理の道を志した時、そう考えたのは自然なことだったといいます。メバル、カサゴ、舌平目、エイ、穴子、ワタリガニなど地魚の数々。中には漁師である父親が獲ったものもあるそう。名物の海鮮丼やおまかせ御膳もこれらを軸に盛り合わせられます。刺身のカサゴはギュッと噛み応えがあり、煮魚の舌平目はふわりと柔らか、メバルはころころと身離れがよくて食べやすい。素材の持ち味が活きています。

海鮮丼は6種類ほどが豪快に盛られる一番の名物。2030円

関東や関西で修行を積んだ店主の大岩広正さん
店の裏には畑があり、大岩さんがせっせと世話をして様々な野菜、果物を栽培。春は山菜、夏はトウモロコシやスイカ、秋は柿や栗など。目の前で採れたものがおいしい、という原体験が、自ら食材を収穫するやり方に結びついているのでしょう。店舗は、大岩さんが24歳の時に設計図を書いてもらってつくったもの。和とアジア、西洋のテイストがミックスされ、それでいて高い天井と木の梁が印象的な店内は、合掌づくりにも通じてくつろぎ感があります。 市の中心部からは少々距離がありますが、わざわざ足を延ばす価値がある一軒です。

三角屋根に土壁が個性的な外観は、県道沿いにあってひときわ目立つ

テーブル、板座敷などが選べるゆったりとした店内。土壁に梁、木の調度品が並ぶ空間は和風にアジアっぽい味つけもあり独特
大竹's実食レポート

ジャンボなかき揚げをはじめ、どの料理も2~3人で取り分けるのがちょうどいいボリューム。コスパがよすぎて、1人の場合は数品で満腹になってしまうかも。空間も広々としているので、ソロ飲みより数人で訪れるといっそう満足度が高くなりそう。

季節野菜と魚貝のかき揚げ(880円)

刺身盛り合わせ(1,650円)

からから 白老(1,000円)
店舗情報

【住所】常滑市坂井字梅狭間13-1
【TEL】0569-37-1170
【営業時間】11:00~14:00/17:00~21:00(L.O20:00)
【定休日】水曜日・第2火曜日
【席数】57席(全席禁煙)
【駐車場】24台
【アクセス】名鉄「上野間」駅より徒歩20分
【オープン年】2001年
【決済方法】現金、電子マネー、QRコード
とり伊
競艇場グルメ・どて丼の人気店が和気あいあいの町酒場に

どて丼(並)700円。2012年から2022年までボートレースとこなめ内に出店し、全国ボートレース場B1グルメ2連覇を達成するなど名物グルメに。テイクアウトも可
名物はどて丼!もともとボートレースとこなめ場内で全国のボートファンに知られていた名物丼。競艇場改修で場内の店舗を2022年に閉店し、1年半後に復活を果たしました。「ここは祖父の代からかしわ屋、仕出し屋だった場所で、どて丼をもう一度出すためにリニューアルしたんです」と店主の伊藤祐一さん。新鮮な豚の小腸を2日間かけてゆで、八丁味噌はじめ5種をブレンドした味噌をじっくりしみ込ませます。モツは口の中でとけるほど柔らかく、味噌の濃厚なコクと甘みでごはんが進みます。「全国ボートレース場B級グルメ大賞2連覇」のふれこみはダテじゃありません!

3代目の伊藤祐一さんと看板スタッフの彩さん

昭和初期に現店主の祖父母がかしわ屋として創業し、2代目が仕出しと宴会の店に。長く食材、料理を扱ってきた歴史が土台となっている
丼だけでなく、壁には地魚を中心とした品書きがズラリ。「丼だけのつもりが、お客さんの声に押されて居酒屋にしたんです」と伊藤さん。夜になるとまるで何十年と愛されてきた酒場のごとく、和気あいあいとしたにぎわいに包まれます。聞けばどて丼を始めたのも、肉の卸をしている釣り仲間から新鮮なモツを分けてもらえることになったからだとか。店主の人のよさが、よき食材もよきお客も引き寄せるのでしょう。地元客が席を埋めながらも、一見でもすんなりとけ込める。町酒場としても理想的です。

刺身の盛り合わせは豪快な尾頭付き。1人前1800円~(刺身盛り合わせは時価)

地物の魚介の品書きがズラリと貼り出される
大竹's実食レポート

仕出し屋時代からの名物の玉子焼き、珍しいネタ満載の刺し盛り、とけるほど柔らかいどて煮、隣の常連お勧めの新玉スライス、ちりめんじゃこの佃煮たっぷりの玉子かけごはん。どれも素朴かつ常滑らしさが。酒場めぐり好きにはたまらないザ・町酒場!

名物玉子焼き(250円)

どて煮(500円)

玉子かけごはん(480円)
店舗情報

【住所】常滑市大野町2-193
【TEL】0569-42-0319
【営業時間】11:30~13:30/17:30~22:00
【定休日】月曜日
【席数】22席(全席禁煙)
【駐車場】7台
【アクセス】名鉄「大野町」駅より徒歩3分
【オープン年】昭和初期【決済方法】現金のみ
Bistro sourire ビストロ スリール
雰囲気はカジュアル、味は本格派のフレンチビストロ

エゾ鹿のローストは3200円。一年を通しての看板メニュー
壁に架けられた鹿のはく製がインパクト抜群。店主の森田諭さんは何と狩猟免許を取得しているハンターシェフ(カッコよすぎる肩書き!)。当然、ジビエをはじめとする肉料理に何より力を入れています。
「食材への理解を深めたいと思い資格を取りました。獲物は主に知多半島の野鳥ですが、鹿や鴨は北海道産の良質のものを取り寄せています」と森田さん。
肉は火入れが決め手。「鹿は強火だと固くなってしまうのでじっくり丁寧に。鴨は皮の脂をしっかり落とし、表面はカリッ、中はしっとり。肉にストレスを与えないことが基本です」といいます。エゾ肉のローストは、レアとミディアムの中間のまさに絶妙な火の通り加減。柔らかさの中からうま味、甘み、香ばしさがにじみ出てきます。
野菜や果物は実家の畑などで採れた無農薬野菜を中心に使用。素材の力がある肉と野菜を組み合わせることでお互いのポテンシャルを引き出します。

これを目当てに訪れるファンもいる牛のハチノスのトリッパ1200円

オーナーシェフの森田諭さんは知多半島・武豊町出身。フランス、東京、名古屋で修行を積んで独立。夫婦で店を切り盛りする

パテ、生ハム、カルパッチョなど肉、魚介、野菜をふんだんに使った前菜の盛り合わせ。2人前3200円でハーフにもできる
「フランス料理を気軽に楽しんでほしい」と雰囲気はあくまでカジュアル。コースでじっくり料理を堪能するカップルもいれば、お気に入りのおつまみとグラスワイン一杯でさっと引き上げる常連も。近所にあったら毎週通いたい・・・!と思わせてくれる一軒です。

常滑焼を埋め込んだ壁もユニークな店内。常滑駅の改札の真ん前でアクセスは抜群

野菜へのこだわりアピールする元気いっぱいの黒板アート
大竹's実食レポート

以前ランチで訪れ、味も雰囲気も接客も申し分なかったので夜に再訪。ちょい飲みセットは肝がごろりと入ったパテなど多彩な前菜を食べ比べられ楽しい。エゾ肉のローストは肉肌が美しく柔らか。別の取材先の店主が絶賛していたのにも納得です。

ちょい飲みセット(1,200円)

エゾ肉のロースト(3,200円)

自家製フォカッチャ(100円)
店舗情報

【住所】常滑市鯉江本町5-168-2 ウィルセラ内
【TEL】0569-84-6577
【営業時間】11:30~14:30/18:00~
【定休日】不定休
【席数】24席(全席禁煙)
【駐車場】16台
【アクセス】名鉄「常滑」駅より徒歩1分
【オープン年】2022年
【決済方法】現金、クレジットカード ※ランチは現金のみ
ENGLISH PUB
ビール愛あふれるマスターが極上の一杯をチョイス

イギリスのクラフトビールを中心に扱う銘柄は常時入れ替わる。ハーフパイントから注文できるのでいろいろ飲み比べたい
ビールのメニューに目をやると聞いたことのない銘柄が並び詳細な解説文が。選び切れずに「お勧めは?」と尋ねると、「う~ん、そう言われるのが一番困っちゃうんですよね」と苦笑いするマスターの伊藤友一さん。「普段どんなビールを飲んでいて、今日はどんな味を楽しみたいのか?それを知った上でお客さんが好きになってくれる一杯をお勧めしたいんです」英国産クラフトビールをはじめ扱う銘柄は年間約300種。国内ではほとんど流通していない希少種も少なくありません。伊藤さんは毎年海外を巡り、イギリスのブルワリーにも足を運ぶそう。生産者との信頼関係があるからこそのラインナップ。すべてがお勧めなのです。それならば、と「イギリスらしさを感じられるものを」とリクエストすると、「ビターをベースにしつつ紅茶を思わす品を感じられます」という一杯をチョイス。なるほどほろ苦さの後に華やかな香りが広がります。

バックパッカーとして世界中を旅する中でイギリスのパブ文化に魅了されたというマスターの伊藤友一さん

ビールのメニューではブルワリーのスタンスや味の特徴などを詳しく紹介する
イギリスのパブの定番フィッシュ&チップス、石窯焼きのピザなどフードも充実。ビールをよりおいしくしてくれます。ビール愛が強すぎるマスターは一見クセが強そう。でもビールを通してキャッチボールができれば、味の個性も人柄も奥深い魅力になっていくはずです。

フィッシュ&チップス1408円。魚はタイ、フグ、平目などその時の地魚を使う

牛ほほ肉のビール煮込み1848円。黒ビールで2日間煮込んでありほろほろと柔らかい

焼物の工場兼倉庫だった物件をリノベーション。屋根裏風の空間にアンティークの調度品を配し不思議と落ち着く空間に
大竹's実食レポート

バクストンブルワリーのベストビターはキレのあるビター感の中にホップの香ばしさが。ケラーピルスは無濾過のラガーでクリーンな味わい。英国ビールの際だった個性は初めて体験するものばかり。ピッツァも石窯焼きの本格派。豊富な酒と料理をワンオペでスムーズに提供するのもスゴい!

ケラーピルス(935円)

ピッツァマルゲリータ(1,178円)

自家製コンビーフ(808円)
店舗情報

【住所】常滑市新開町3-112
【TEL】0569-35-9981
【営業時間】16:00~24:00(L.O.23:30)
【定休日】日曜日
【席数】32席(全席禁煙)
【駐車場】6台
【アクセス】名鉄「常滑」駅より徒歩3分
【オープン年】2006年
【決済方法】現金、クレジットカード、QRコード
バー&ビストロ 共栄窯
しっかりディナーも〆の一杯も圧巻の産業遺産グルメスポット

特撰肉3種盛り合わせ。2~3人前4490円。他にハンバーグやローストビーフなど肉料理は豊富
レンガに覆われたドームのような空間は、長年焼き込まれた釉薬の艶によって幻想的でありつつモノづくりの歴史の重みを漂わせます。もとは明治時代から昭和40年代まで稼働していた土管窯。常滑のモノづくりの要だった産業遺産の中で食事ができる。それだけで圧倒的な価値があります。
「洋風居酒屋的な幅広い料理をご用意しています。中でも特撰肉3種盛り合わせがお勧めです」と店長の竹内愛佳さん。柔らかく香ばしい知多牛、ほどよい歯ごたえから甘みが広がる知多豚、くさみがなくうまみをしっかり感じられる三河地鶏。ご当地の銘柄肉の三様の魅力をマスタードソース、オリジナルステーキソース、岩塩で食べ比べできる肉三昧の贅沢な一品です。
飲み歩きのしめくくりに立ち寄るのもお勧め。日本酒、ワイン、ウイスキー、カクテルなどのアルコールも、自家製ピクルスなど軽いおつまみも、選択肢が豊富。カウンターでグラスを傾けていると、艶やかな空間の魅力にいっそう浸れます。

バーカウンターではバーテンダーが奏でるオリジナルカクテルが楽しめる

濃厚チーズリゾットも名物メニューのひとつ。1290円

明治・大正・昭和と100年にわたり火が炊かれていた土管窯をリノベーションしたバースペース

黒い板塀の建物は常滑でよく見られる。陶芸体験ができる教室も隣接
飲んだ後はオリジナルのケーキを。バーでありながら季節のフルーツなどを使ったオリジナルのスイーツがあるとは、甘党でなくともうれしくなります。常滑に来てここに寄らないなんてもったいなさすぎる!必須のバー&ビストロです。

オリジナルのスイーツブランド・キルンの自家製ケーキが常時6~7種。写真のモンブランは600円

「お客様に感動していただける特別な時間を体験していただきたい」と店長の竹内愛佳さん
大竹's実食レポート

はしご酒の二軒目で立ち寄り。常滑・澤田酒造の梅酒、白老梅をロックで。ふくよかな甘みが広がります。自家製ピクルスは酢が強すぎずお酒の風味を邪魔しません。ケーキをカウンターまで持ってきて選ばせてくれた配慮がうれしい。上品な甘みで至福・・・!

白老梅(820円)

自家製ピクルス(690円)

日替わりケーキ(600円)
店舗情報

【住所】常滑市北条2-88
【TEL】0569-34-7786
【営業時間】11:00〜14:30(L.O.13:30)/17:00〜24:00(L.O.23:00)【定休日】無休
【席数】87席(全席禁煙)
【駐車場】15台
【アクセス】名鉄「常滑」駅より徒歩5分
【オープン年】2014年
【決済方法】現金、クレジットカード、電子マネー、QRコード
グルメブックダウンロード

常滑ゆかりのライター 大竹敏之の
常滑おとなのグルメ常滑は焼き物の町として有名ですが、実はグルメの宝庫でもあります。常滑ゆかりのライター「大竹敏之氏」が手がけたこのグルメブックは、まさに「おとなのための常滑グルメ」を凝縮した一冊。
地元の食材を活かした料理、風情ある街並みに佇む隠れ家的なお店、そして常滑焼の器でいただく格別のひととき...。
グルメブックを片手に、あなただけの特別な常滑の旅をお楽しみください。
“常滑市に訪れるすべての方が様々な魅力に触れて、楽しく幸せな気分になり、明日から元気になれる“幸せのチカラ(ハッピー)”を持って帰ってほしい“という想いが込めた「Happy Come On TOKONAME(ハッピーカモントコナメ)」をキーワードに観光PRを行っています。