【熊本】絶景・美食・世界遺産を巡る。天草下田の温泉&観光スポット完全ガイド
熊本県天草市には、開湯700年以上と言われる美肌の湯・下田温泉があります。pH7.84前後の優しい温泉は「切り傷が染みない」「化粧水のよう」と表現され、多くのファンが集います。温泉と一緒に回りたい天草の観光名所・グルメスポットを紹介します。
沸かさず、薄めず、循環せず――完全源泉掛け流しの下田温泉とは

阿蘇くまもと空港から車で約3時間。東シナ海の美しい海岸線をドライブした先に、国民保養温泉地である「下田温泉」が位置しています。

温泉の多い熊本県内でも、国民保養温泉地に指定されているのは下田温泉を含めてわずか3箇所のみ。下田温泉は、その優れた泉質と療養環境が評価され、国民保養温泉地として1963年に指定されました。

天草最古の湯・下田温泉の合言葉は「沸かさず、薄めず、循環せず」。約51度の源泉は、湯船に届く頃に適温となっており、加水・加温・循環を一切しない“完全源泉掛け流し”で贅沢なお湯が楽しめます。

泉質はナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉で、肌を滑らかに整える効果から「クレンジングの湯」「美肌の湯」とも呼ばれます。無色透明で刺激が少なく、美肌効果の他に切り傷、擦り傷、疲労回復への効能が認められています。
下田温泉を満喫するグルメ&観光スポット
下田温泉観光で外せない注目スポットを詳しくご紹介します。西海岸の絶景を眺めながら優雅にドライブを楽しみ、天草ならではの名所を巡ってみてくださいね。
大きな足がお出迎えしてくれる「下田温泉五足の湯」

熊本空港方面から車を走らせると、まず目に入るのは下田温泉の立派な入り口看板。この周辺には、温泉宿や神社、そして「下田温泉五足の湯」が一堂に会しています。

巨大な足型の看板が目印の下田温泉五足の湯は、10時〜20時まで誰でも無料で利用できる足湯です。

下田温泉には4つの源泉があり、それらを1箇所にまとめて各宿に配湯しています。そのうちの1本が下田温泉 五足の湯のすぐ裏手に位置しているため、ここでは常に新鮮で熱々の源泉を、贅沢なかけ流しで楽しめるのです。

屋根がついている場所もあれば、景色の良い席も用意されており、天候や好みに合わせて入浴する位置を選べるのも大きな魅力です。

湯口付近には、開湯伝説にちなんだ白鷺の像があり、見守られているような心地でゆったりとした時間を過ごせます。

湯冷めしにくい泉質のため、10分ほど浸かるだけでぽかぽかと温まり、その心地よさが持続します。冷え性の方や冬季に訪れる場合は、観光前に足湯へ立ち寄ることで、寒さを気にせず快適に旅行を楽しめるでしょう。
天草屈指の景勝地「妙見浦」

下田温泉五足の湯から車で10分ほどの距離にあるのが、国指定の名勝および天然記念物である「妙見浦」。1頭の象が陸から歩き出しているように見えることから、「ぞうさん岩」の愛称で親しまれています。

ぞうさん岩の周辺には高さ20〜80mに及ぶ断崖が連なっており、近くで見ると迫力満点!ぞうさん岩は高さ20m、幅8.5~20m、深さ50mの洞門ができており、小さな船での通行も可能です。
おすすめは桜が満開になる春先や、夕暮れ時。桜とぞうさん岩が織りなす春限定の絶景や、夕陽に照らされオレンジ色に染まる幻想的な姿は、旅の忘れられない思い出になるでしょう。
水平線へ沈む夕陽が幻想的な「鬼海ヶ浦展望所」

天草エリアで夕暮れ時を過ごすなら、「鬼海ヶ浦展望所」は絶対に外せないおすすめスポット。展望デッキからの眺めはもちろん、駐車した車内からでもゆったりと幻想的な夕陽を鑑賞できます。

鬼海ヶ浦展望所は、「日本の夕陽百選」にも選出されている人気の絶景スポット。海食崖を間近に感じながら、夕陽が沈む様子を眺めることができますよ。

展望所から見えるのは、野母崎半島のシルエットや、どこまでも続く西海岸の海など、ため息が出るほど雄大な自然。海風を感じ、沈みゆく夕陽を眺め、ゆっくりと過ぎる時間を大切に過ごせる場所です。
生命のエネルギーを感じるパワースポット「天草のラピュタ」

西海岸沿いにある西平椿公園は、園内に約2万本のヤブツバキが自生しているエリア。11月〜4月ごろまでと見頃が長く、旅行プランに組み込みやすいおすすめのスポットです。

園内のヤブツバキを鑑賞しながら海岸に向かっていくと、中心部にそびえる「アコウの木」にたどり着きます。このアコウは巨岩を包み込むように空中根を張っており、その姿はまさに「ラピュタの木」そのもの。地元の人々からは“天草のラピュタ”として親しまれており、生命のエネルギーが溢れ出すような荘厳な景色が見られます。

高さは20mにも及び、大きく枝と根を伸ばすようすは、パワースポットとしても有名。樹齢は300年ほどと言われており、この地ならではの力強い生命力を肌で感じられること間違いありません。
﨑津の歴史を深く学べる「﨑津資料館みなと屋」

2018年にユネスコ世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。この構成資産のひとつである「天草の﨑津集落」の歴史と背景をじっくり学べるのが「﨑津資料館みなと屋」です。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、禁教の時代に約250年にわたり、密かに信仰を続けた潜伏キリシタンの宗教的伝統を物語る12の構成資産からなります。
潜伏するきっかけとなった「島原・天草一揆」の主戦場である「原城跡」や、潜伏の終えんとなる「大浦天主堂」などが構成資産の一つとなっています。

なかでも天草市にある「天草の﨑津集落」は、漁村ならではの身近なものを信仰の対象として代用し、信仰を実践した集落。アワビの貝殻や白蝶貝製のメダイなどを隠し持ち、表向きには仏教徒や神社の氏子になりつつも、密かに信仰を守り続けました。

このような歴史をジオラマやパネル、収蔵されている信心具と共に解説してくれるのが「﨑津資料館みなと屋」です。
9:00から17:00(入館は16:30)まで、大人1人100円で入館でき、﨑津における潜伏キリシタンの歴史、禁教の時代に信仰を貫いた工夫などを、スタッフの方が丁寧に教えてくれます。

﨑津集落や﨑津教会、大江教会へ行く前に、ぜひ立ち寄ってほしい学び多きスポットです。
潜伏キリシタンの歩みを辿る「﨑津教会」と「﨑津集落」

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つである「天草の﨑津集落」。﨑津資料館みなと屋も集落内にあり、﨑津教会一帯の集落自体が構成資産とされています。

﨑津集落は土地の形が江戸時代から大きな変化がなく、主要な道路や海岸線の護岸、信仰の場所などが今も残っています。

キリシタンではないことを主張するために、玄関に年中「しめ縄」が設置されていたり、江戸時代の絵図に描かれている石段が現存していたりと、知っていると楽しめるポイントが盛り沢山です。

中でもじっくり時間を使いたいのは、集落の中心に建っている﨑津教会の見学。フランスの宣教師・ハルブ神父の強い希望で、禁教の時代に厳しい絵踏が行われた「吉田庄屋役宅跡」に建設されました。
絵踏が行われた場所には祭壇が設置され、全国的にも珍しい畳敷きの教会が建てられました。

教会内は、行事が行われている日以外は自由に拝観できます。﨑津ならではの静かな空間は、日々の喧騒を忘れ、心をゆっくりと整えてくれるはずです。
ロマネスク様式が美しい教会「大江教会」

キリスト教が解禁された後、天草エリアで最も早く建てられたのが「大江教会」。現在見られる建物は1933年、ガルニエ神父が地元信者と協力して建てたものです。

周りを農村に囲まれ、一際目立つ大江教会は、青空とのコントラストが美しい教会です。周囲の花壇や植物のやさしい雰囲気も相まって、建物のまわりをぐるりと一周しながら、時間をかけてゆっくりと眺めたくなるでしょう。

内部は自由に拝観できますが、撮影は禁止されています。静粛な空気と、先人たちが紡いできた信仰の歴史をじっくり感じてみてください。
可愛らしい猫グッズに囲まれて食事を楽しめる「うみ猫食堂」

下田温泉の散策中にぜひ立ち寄りたいのが、地元の食材や家庭的な味わいが楽しめる「うみ猫食堂」。
下田温泉の源泉が湧き出ている「下田温泉神社」の隣にあるため、参拝とあわせて立ち寄るのもおすすめです。

ランチタイムのおすすめは「天草ちゃんぽん」と「天草プレミアムポーク ヒレカツ定食」。どちらも地元の採れたて野菜がたっぷり使用され、ボリュームも満点です。

天草ちゃんぽんは、豚骨ベースのスープに麺を覆うほどの野菜を盛り付けた、ボリューム満点の逸品。地元で古くから愛されてきた日常の味を、天草ならではの味付けで堪能できます。
具材にはキャベツやもやし、かまぼこなどの練り物、キクラゲなど盛りだくさん。シャキシャキとした野菜、もっちりした麺、コリコリとしたキクラゲと、一口ごとに変化する食感のおかげで、最後まで飽きることなく楽しめます。具材の出汁が染み込んだ濃厚スープがしっかり麺に絡みつき、思わず夢中で食べ進めてしまう美味しさです。

ヒレカツ定食では「天草プレミアムポーク」が使用されており、きめ細やかで柔らかい肉質の良さをダイレクトに味わえます。

塩でシンプルにいただくのもおすすめです。まろやかな塩味と甘みが溶け合う「天草の塩」が、ヒレカツ本来の旨みを最大限に引き出しています。

料理を待つ間は、店内のいたる所に散りばめられた愛らしい猫グッズを眺めて過ごすのも楽しみの一つ。遊び心満載の店内で、天草自慢の名物グルメをぜひ堪能してみてくださいね。
日帰りで下田温泉を堪能できる「天草市下田温泉センター白鷺館」

地元ならではの温かな雰囲気と、至福の入浴タイムを一度に満喫できるのが、「うみ猫食堂」が併設している「天草市下田温泉センター白鷺館」。2羽の白鷺が優雅に羽ばたく入り口のモニュメントが目印です。

白鷺館で入浴できるのは3種類の温泉。地元の方々に愛される熱めのお湯が人気の「むら湯」、ジェットバスやサウナ完備の「温泉センター」、そして家族やカップルでの利用もおすすめの「貸切浴室」です。

源泉が湧き出る下田温泉では、今でも自宅にお風呂を持たない文化が一部に残っているのだとか。そんな人々のために、オープン以来、むら湯は地元の人々の暮らしに寄り添う共同浴場として愛されてきました。

湯量を巧みに調整し、少し熱めの温度に設定しているため、あつ湯が好きな方にはむら湯がおすすめです。
温泉センターには大浴場、サウナ、水風呂、ジェットバス、露天風呂など、お風呂好きにはたまらない充実のラインナップがそろっています。

無色透明の湯面には、大きな窓から光が差し込み、浴場内は開放感たっぷり。内湯は熱めとぬるめの浴槽に分かれているため、自分のペースでじっくりと汗をかきながら、至福の入浴タイムを楽しめます。

岩と木々に囲まれた露天風呂は、日本らしさを感じられる落ち着いた空間。肩まで浸かって、旅の疲れが静かに溶け出していくような、極上のリラックスタイムを過ごせるでしょう。

入浴後は入り口の売店で、地元のお土産を選んでみてはいかがでしょうか。お風呂上がりの定番である牛乳や、地元の小学校給食でも親しまれているみかんジュース「みかんちゃん」で、火照った体に冷たく心地よい潤いを与えるのもおすすめです。
アクセス情報

天草下田温泉へのアクセスは、飛行機とレンタカーを組み合わせての移動がおすすめ。
阿蘇くまもと空港から向かう場合は、レンタカーで3時間ほどのドライブコースです。道中には地元の新鮮な野菜や果物の直売所、道の駅が点在しているため、寄り道や休憩を挟みながら旅を楽しむことができます。
また、大阪伊丹空港や福岡空港、阿蘇くまもと空港からは、天草空港までの「天草エアライン」が運航しています。天草空港から下田温泉までは車で40分とアクセスが良いため、下田エリアを中心に観光したい方におすすめです。
車でゆったり観光できる下田温泉は、ドライブ旅行をはじめ、歴史散策や窯元巡り、そして温泉を愛する方に最適な目的地です。自由気ままな西海岸のドライブを心ゆくまで楽しみながら、天草エリアを探索してみてくださいね。
国民保養温泉地とは、温泉利用の効果が十分期待され健全な保養温泉地として、「温泉法」に基づき環境大臣によって指定されています。全国に79箇所の温泉地が指定されています。(2024年10月現在) 国民保養温泉地の選定は、おおむね以下の基準によって行われています。 第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件 (1)利用源泉が療養泉であること。 (2)利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。 第2 温泉地の環境等に関する条件 (1)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。 (2)医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。 (3)温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。 (4)災害防止に関する取組が充実していること。