断崖と海が出会う場所 ― 香住のワイルドな海岸を発見する
日本海に面した香住で、ユネスコ認定の山陰海岸ジオパークに広がる断崖や奇岩など、ダイナミックな海岸絶景に触れる旅を紹介します。
兵庫県北部、香美町で日本海に面した香住エリアは、雄大な自然と伝統的な漁師町の文化が今も息づく静かな港町です。観光地化されたエリアから少し離れたこの町では、荒々しい海岸線、現役の漁港、新鮮な海の幸を通して、本物の海辺の暮らしに触れることができます。香住はユネスコ世界ジオパークにも認定されている山陰海岸ジオパークの一部であり、自然、文化、そしてゆったりとした旅を楽しみたい人に最適な場所です。
香住エリアの海岸は、日本海の強い波と冬の風によって形づくられた、迫力ある地形で知られています。何百万年もの時間をかけて形成された切り立った断崖、奇岩などのドラマチックな海岸地形と透明度の高い海が広がる景色は、日本でも特に印象的な自然風景のひとつです。本記事では、香住でその壮大な地形美を体感できる見どころを紹介します。

鎧の袖 ― 海が生み出したダイナミックな奇岩
鎧の袖は、香住海岸を代表する印象的な岩石景観です。岩肌が層状に割れ、まるで侍の甲冑の袖のように見えることからこの名が付けられました。何千年もの間、日本海の強い波と風が岩を削り、幾何学的で力強い地形をつくり出しています。この独特のジオメトリックな形状は、強い波と風による侵食作用の結果です。この鎧の袖は陸上からは見ることができず、海上からのみ鑑賞できる特別な景観です。その壮大な岩肌を間近で体感するには、かすみ海上ジオタクシーの利用がおすすめです。小型船で海岸線を進みながら、幾何学的な岩の造形や断崖のスケールを海上から観察できます。波と同じ目線で近づくことで、鎧の袖がどのように形成されたのかを実感でき、ジオパークならではのダイナミックな地形美をより深く体験できます。

余部橋梁 ― 海岸線と構造美が交差する絶景
余部橋梁は、切り立った海岸線の上に架かる象徴的な橋で、ダイナミックな地形と人工構造物のジオメトリックな美しさが同時に楽しめるスポットです。断崖が描く曲線的な海岸線に対し、橋は水平と直線のラインを強調し、自然と人間の設計がつくる対比が印象的な景観を生み出しています。周囲の展望施設からは、日本海の広がりと複雑な海岸地形を一望でき、列車が橋を渡る瞬間は特に象徴的なシーンとなります。光の角度によって岩肌の質感や海の色が変化し、時間帯ごとに異なる表情を見せます。ここでは、自然のスケールと構造美が融合した、香住ならではの海岸風景を体感できます。

今子浦海岸 ― かえる島が象徴するユニークな海岸風景
今子浦海岸のシンボルが、海辺にたたずむ奇岩「かえる島」です。海に向かって跳ねるカエルのような形に見えるこの岩は、長い年月をかけた波の浸食によって生まれました。干潮時には近くまで歩いて行くこともでき、さまざまな角度からそのユニークな姿を観察できます。周囲には透明度の高い海と入り組んだ岩場が広がり、自然がつくり出した遊び心あふれる景観を楽しめます。

今子浦海岸から続く遊歩道の先にある「大引きの鼻展望台」は、パノラマ展望スポットです。展望台までの道程では、角度や高さの異なる複数の視点から海岸線の形状を観察できます。断崖、岩礁、入り組んだ海のラインが重なり合い、まるで自然が彫刻した立体作品のような空間が広がります。ここは、香住の海岸地形がもつ多様性とダイナミックさを象徴する場所であり、日本海のスケールを体感できる絶好のビューポイントです。

香住海岸では、日本海の形成とともに刻まれてきた地層や岩石、そして海水準の変化や地殻変動によって生まれた多様な海岸地形を間近に見ることができます。こうした景観は、長い時間をかけて自然がつくり上げた貴重な地形・地質遺産であり、山陰海岸ジオパークの魅力を象徴しています。香住海岸を巡ることは、壮大な地球の歴史を体感する旅でもあります。
近畿の北側「丹波」「但馬」「丹後」「若狭」の魅力を伝える、任意の観光団体です。 北近畿の味覚は、冬の海の味覚の代表格「カニ」だけに終わらず「カキ」「ブリ」「フグ」、夏の「とり貝」「岩ガキ」「白いか」とそして、山の味覚は「丹波栗」「丹波黒豆」や夏のフルーツ「砂丘メロン」と、年中グルメが楽しめるエリアです。 そんな、広い北近畿を何度も訪れ、線の旅ができる情報発信が出来ればうれしいです。