崖にせり立つ大正時代の豪商の別荘 盤泉荘
盤泉荘(旧松井家住宅主屋)は、大正時代にフィリピンのマニラで貿易会社を経営し、大きな富を成した松井國五郎氏によって大正15年に建設された別荘です。高台の急斜面にせり出すように建つ木造3階の建物。窓からは、大洲の町が一望でき、肱川や冨士山、柳瀬山、亀山などの典雅な自然景観が眺望できる別荘としても最適な場所に建設されています。
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崖にせり立つ大正時代の豪商の別荘 盤泉荘
盤泉荘(旧松井家住宅主屋)は、大正時代にフィリピンのマニラで貿易会社を経営し、大きな富を成した松井國五郎氏によって大正15年に建設された別荘です。高台の急斜面にせり出すように建つ木造3階の建物。窓からは、大洲の町が一望でき、肱川や冨士山、柳瀬山、亀山などの典雅な自然景観が眺望できる別荘としても最適な場所に建設されています。高台の急斜面からせり出すように建つ木造3階建の荘厳な姿は、建築当初から地域の代表的なランドマークとして存在し続けています。また、象徴的な石積みは、現地周辺で切り出した石をX状にリズミカルに積み上げる独特のもの。主屋との一体感を持たせており、デザイン性が大変高い建築です。
豊富な南洋材を利用した特徴的な建築
良質な栂(つが)や黒檀(こくたん)が使用されているほか、フィリピンで貿易業を営んでいた施主らしく、東南アジアで選び抜かれた南洋材が廊下に20枚連続して使用され、鬼瓦にはイニシャルの「K・M」を用いるなど、松井國五郎氏の国際性豊かな一面が反映されています。 伝統的技術と近代的技術を駆使しながら、数寄屋造りと伝統的書院造りを組み合わせた近代和風の貴重な別荘建築として評価されるものです。
盤泉荘の由来となった横井戸
反り立つ崖の奥に向けて50m以上掘られた横井戸があり、井戸の奥から流れ込んできた水が、台所に設けられた貯水槽に送られる仕組みになっています。これは上水道が整備されていない大正期に生活用水を確保するために整備されたもので、この水の確保があったからこそ盤泉荘は建築されたと推察されます。
この横井戸はVRにて楽しむことも出来ます。
国際色豊かな建築様式
盤泉荘はフィリピンで貿易業を営んでいた施主らしく、大正時代の建築では大変珍しいバルコニーが作られています。バルコニーからは大洲を流れる肱川や亀山公園などの景色を楽しむことが出来ます。
アクセス
大洲まちの駅あさもやから徒歩6分
JR伊予大洲駅から徒歩30分
大洲市は四国の西側、南予と呼ばれる地域に属し、大洲盆地を中心に、北は瀬戸内海、南は四国山地に面した地域です。 市の中心には清流・肱川が流れ、その名の由来ともいわれるように肘のように湾曲した川が、まちを巡っていることで、自然・歴史文化・名産品に多くの恵みをもたらしました。 江戸の昔、大洲城の城下町として栄えたその名残が、肱川のほとりに息づいています。