【高知県四万十市】川を食す!鮎!鰻!川エビ!ごり!四万十川と寄り添う「伝統漁法」
四万十川で川漁師により受け継がれる伝統漁法をご紹介。川と寄り添い川の恵みをありがたくいただく流域の大切な文化を紹介します。
四万十川の伝統漁法
四万十川の伝統漁法は、地元の川漁師達により大切に受け継がれ、環境の変化とともにその形を少しずつ変えながら、今もなお生活の一部として行われ続けています。鮎、鰻、手長エビ、アオサノリなどの四万十川の豊かな恵みは、季節毎に家庭の食卓に彩りを添えるほか、四万十市内の腕利きの料理人の手により美味しく料理され、観光客の舌を楽しませています。また様々に加工され、お土産品としても親しまれています。
川を見て、川を食す。
四万十川沿いをゆっくり散策してみると、沈下橋からは水中に沈む鰻や手長エビを採る仕掛けを見ることが出来ます。季節によっては川で鮎釣りをする人や川船で漁をしている人に出会えるかもしれません。川岸に石を並べたゴリ漁の仕掛けがあったり、河口ではちょうど青のりの収穫が行われているかもしれません。じっくりと四万十川を見てみると、なにかしら“川と人の営み”に出会うことが出来ます。そして夜には実際に川で見た仕掛けによって採れた素材を、料理屋でゆっくり味わう。一味違った“通な”四万十川の楽しみ方です。
伝統漁法の紹介
四万十川の漁法のうち代表的な4つをご紹介します。
鮎の火振り漁
あらかじめ川を横断するように網を仕掛け、夜に船の上からかがり火を振ります。乱舞する炎の帯に驚いた鮎は逃げまどい、網の中に追い込まれます。現在はLEDを用いて行われることが多いですが、原理は昔から変わらない伝統漁法です。鮎はその他にも、投網や釣りなど様々な漁法で採られています。
手長エビ漁
沈下橋から水際近くを見てみると塩化ビニール製のパイプが等間隔に連なっているのが見えます。これは手長エビを採る“コロバシ”という漁具です。昔は木製でしたが時代とともに扱いやすい素材に変化したものです。手長エビは、色鮮やかに唐揚で食べれられるのが定番です。ほかにも大きく育ったきゅうりと似るなど郷土の味として重宝されています。
うなぎ漁
川の中に発泡スチロールや、ペットボトルが流れずに浮いている事があります。これはうなぎを捕るコロバシの目印かもしれません。においに敏感であるうなぎは、樹脂製の仕掛けには入らず、今でも木製のコロバシが多く使われています。
ゴリ漁
川岸に水をせき止めるような石が並んでいれば、ゴリのノボリオトシウエ漁の仕掛けかもしれません。四万十川ではヌマチチブの稚魚を“ゴリ”と呼び、春から初夏の味覚として親しまれています。唐揚や佃煮にして食べるのが定番です。
ご注意いただきたいこと
四万十川での漁には漁業権が設定されております。漁を行う際には、遊漁券の購入が必須となっています。また、資源保護の観点から禁漁期が設けられています。
高知県四万十市についてもっと知りたい方は、下記ご参考ください。
四万十市観光協会 公式サイト:http://www.shimanto-kankou.com/
高知県幡多地域は四国の西南端に位置し、東は土佐湾、西は豊後水道に面する太平洋に突き出た半島で、四万十市、宿毛市、土佐清水市、黒潮町、大月町、三原村の3市2町1村から構成されています。 全国的に有名な四万十川や足摺岬をはじめ、沿岸を流れる黒潮の恵み、全国でもトップの森林面積を誇る山の恵み豊かな自然大国です。