日本が誇る「しまなみ海道」の多島美を満喫!サイクリングルート大解剖
「しまなみ海道」のサイクリングコースは、素晴らしい多島美を楽しみながら、のんびりとした島の生活を垣間見ることができます。日本が誇る絶景に出会えるサイクリング・ルートの楽しみ方を、ライターのMikaが紹介します!
日本の絶景サイクリングルート、「しまなみ海道」を行く
「しまなみ海道」でのサイクリングの魅力の一つは、旅行客を温かく迎えてくれる地元の人々との交流でしょう!
「しまなみ海道」を走行中、次の目的地を携帯で探していたときのことです。私が道に迷っているように見えたのか、軽トラックのドライバーが道案内をしてくれました。彼は微笑みながら正しいルートを教えてくれ、自分の果樹園で採れた新鮮なミカンをくれました。
こうした小さなおもてなしは、日本ののんびりした島生活とサイクリング体験の中で、忘れられないハイライトとなりました。親切な地元の人とおいしいフルーツがあれば、Googleマップはお役御免ですね!
「しまなみ海道」は、瀬戸内海に浮かぶ6つの島を結ぶ道路です。サイクリストに人気のルートは、本州の尾道市から四国の今治市までの約60キロのサイクリングコース。途中には、多島美が楽しめる絶景や、魅力的な町があります。
私の旅は、愛媛県の大三島からスタートしました。そして、この「しまなみ海道」を象徴する橋の1つ、多々羅大橋を渡って、隣の生口島 (いくちじま)へ。瀬戸田町という、趣のある町に向かいました。
風光明媚な「しまなみ海道」を自転車で走る中では、青々とした柑橘類の畑を通り、雄大な白い橋を渡り、居心地の良い家族経営の食堂でエネルギー補給をしながら、温かい地元の人たちの歓迎に包まれました。
そんな魅力が詰まった「しまなみ海道」を、1日かけて堪能できるルートをご紹介します!
E-bikeで巡るしまなみの多島美
「しまなみ海道」には、あちこちにレンタサイクルショップがあります。
サイクリスト向けの宿に泊まりながらながら数日間かけて「しまなみ海道」全体を制覇する旅行客もいれば、私のように、途中からスタートして日帰りで往復して出発点に戻る人もいます。
私は今回、多々羅大橋の一端にある上浦レンタサイクルから旅を始めました。 ここは、世界で2番目に長い斜張橋。橋のたもとやレンタサイクルショップの近くには人気の絶景スポットがあり、多くのサイクリストが写真を撮っていきます。
レンタサイクルショップでは、クロスバイク、ストリートバイク、2人乗りバイクのいずれかを選ぶことができます。
また、電動付のE-bikeを選べば、まるで飛んでいるかのような感覚が味わえます。おかげで、専用の自転車道を走りながら、静かな島の美しさを堪能できました。
サイクリングをスタートし、まずはすぐ近くの多々羅大橋へ向かいました。
この橋を走ってみると、「しまなみ海道」がなぜ、世界的に有名なサイクリストの聖地となったのかがわかります。
自転車で風を切りながらを橋を渡るとと、車では得られないような自由が感じられます。また、サイクリスト向けの専用のレーンがあるため、安全にサイクリングが楽しめます。
多々羅大橋には、愛媛県と広島県の県境があります。ここに来ると、同時に2つの県に足を踏み入れるという貴重な体験ができるのです!
橋からは、内海の小島を優雅に行き交う船を眺めることができます。
青い空と白い雲が前方に広がり、まるで天空の橋の上を自転車で走っているような気分になれます!
生口島のレモン畑、現代アート、ビーチを訪ねる
橋を渡ると、レモンの産地として有名な生口島に到着しました。
ここではまず、「レモン谷」と呼ばれるレモン畑と、鮮やかな黄色いレモンで飾られた椅子が迎えてくれます。巨大なレモン像があり、一緒に写真を撮ることができます。ここは素敵な撮影スポットなので、たくさん写真を撮る準備をしておいてください!
遠くには多々羅大橋が見えます。ここで、「しまなみ海道」の橋をまず一つ渡りきったという記念撮影ができます。
次の目的地・瀬戸田町までの海岸沿いのルートには、休憩したり食事をとったりできる場所が限られています。
もし休憩したい場合は、瀬戸田サンセットビーチキャンプ場に立ち寄ってみてください。一息ついたり、食事をしたり、ビーチの絶景を堪能したりできます。旅を続ける前に、ちょっと砂浜で足休ませるのにぴったりの場所です。
海岸沿いのサイクリングロードを走っている途中、しまなみエリアを代表する現代アートに出会うことができます。
瀬戸内エリアは、瀬戸内海の島々や沿岸部で3年に1度開催される国際的な現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」の開催地としても知られています。
私が特に印象的だったのは、宮脇愛子の「うつろひ」シリーズの金属線彫刻や、新宮晋(しんぐう すすむ)の「波の翼」が優雅に風に揺れている光景でした。
「しまなみ海道」の海の景色が、アーティストにいかに大きなインスピレーションを与えているかがよく分かります!
島にある小さな町、瀬戸田町でランチ休憩
午前中のサイクリングの後、私は瀬戸田町でゆっくり休憩時間を取りました。
小さなカフェやおしゃれなバー、おみやげ店がまとまっていて、おいしいものを食べながらひと休みするにはぴったりです。
瀬戸田町を巡ってみて、もっとも印象的だったのは、築140年の「Azumi Setoda」です。
ここは、かつて塩の生産で栄えた商人たちが所有していた建物で、今は現代的な宿泊施設に生まれ変わっています。
「Azumi Setoda」は、「しおまち商店街」の起点にもなっています。この商店街には、有名な瀬戸田レモンを使ったおみやげ品をはじめ、地元産のさまざまな商品を提供するカフェやショップがたくさんあります。
ランチには、広島で有名な、お好み焼きを提供する小さなお店に立ち寄りました。
お好み焼きとは、小麦粉でつくった生地の中にキャベツ、シーフード、麺を詰め、熱い鉄板でサクサクに仕上げる料理です。鉄板でジュージュー音を立てながら焼き、マヨネーズとお好み焼きのソースで味付けをします。帰路に向けて、お腹をいっぱいにするのにちょうど良かったです。
今回の旅では、瀬戸田町を散策して回るには時間が足りませんでした。
瀬戸田町には、日本の有名な寺院を模して造られた「耕三寺」や、イタリアで採掘された大理石を使った真っ白な庭園「未来心の丘」など、見どころが多くあります!
瀬戸田町を訪れる際は、これらの魅力的な観光スポットを探索する時間をあらかじめ取っておくのがオススメです!
「しまなみ海道」沿いの宿泊先
「しまなみ海道」には、1日では味わいきれない魅力が詰まっています。そのため、泊りがけでゆっくり楽しむサイクリストも増えています。
サイクリスト向け宿泊施設をお探しであれば、上浦レンタルサイクルの近くのWAKKAがオススメです。ここは海外から訪れる観光客も多い、新しい宿泊施設です。
多々羅大橋を望む大三島にある「WAKKA」には、快適なコテージがあり、旅の疲れを癒したいサイクリストに最適です。
広々としたリビングやレストランからは、素晴らしいオーシャンビューが望めます。さらに、瀬戸田町へのクルーズ、釣り、スタンドアップパドル(SUP)ボードなど、さまざまなアクティビティも用意されています。
1日の最後には、おいしいバーベキューを予約して、星空の下で楽しむのがオススメです!
「しまなみ海道」をE-bikeで冒険し、日本が誇る多島美を堪能しよう!
「しまなみ海道」を結ぶ橋をE-bikeで渡るのは、自然好き、サイクリング好き、島の生活に関心がある人々を魅了するユニークな体験です。
私はふだん、あまり自転車に乗りませんが、E-bikeはペダルを一漕ぎするだけでぐんと加速できるのでとても助かりました。
「しまなみ海道」はプロのサイクリストや、自分のペースで風景やアートを満喫したい人など、さまざまな人がそれぞれの形で楽しめるサイクリングルートです。
今回の私のオススメポイントから、「しまなみ海道」でのサイクリングに興味をもっていただけたなら幸いです! ぜひ、「しまなみ海道」の楽しみ方を、サイクリングしながら見つけてみてください!
Author: Mika
カナダ出身・日本在住のライター・クリエイター。2020年以降、日本の隠れた魅力や素敵な観光地を記事や写真、動画で紹介する活動を行っています。仕事以外のときは、もっぱら庭づくりに勤しんだり、次の温泉旅行の夢にふけったりしています。
観光事業として、日本遺産の「能島城跡上陸&潮流クルーズ」インバウンドOKの「サイクルツアー」他、村上海賊ミュージアム内の「jibacafe」にて、オフィシャルグッズの開発販売、官公庁向け誘客サービスを行っています。また、ロードサービス事業として、高速バスの運行「広島~今治・福山~今治・福山~松山」、料金所運営、料飲事業として「来島海峡サービスエリア」「風のレストラン」「丸の内88屋」その他、岡山理科大学の今治キャンパス食堂の運営を通じて、多くの訪問いただく皆さんに向けた誘客サービスと、地元貢献を目指しています。