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映画の舞台になったあの駅も!四国のオススメ鉄道写真スポット3選
瀬戸内海と太平洋に囲まれ、中央に山脈が走る四国。日本の原風景が多く残るこの島には、海、山、川を背景に絶景の鉄道写真が撮れるスポットが多数あります。今回は、JR下灘駅をはじめ、徳島県と愛媛県で鉄道写真好き必見の3スポットを紹介します!
絶景の宝庫、四国
瀬戸内海と太平洋に挟まれ、中央に四国山地が走る四国には、海、山、川が織りなす多彩な絶景があります。そんな四国には、ユニークな鉄道写真が撮れるスポットもたくさん!
本記事では、四国に住む筆者が、愛媛県、徳島県で絶景の鉄道写真が撮れる3スポットを紹介します。
今回ご紹介するのはすべてJR四国の路線です。これらの路線では、アンパンマン列車、観光列車「伊予灘ものがたり」「四国まんなか千年ものがたり」など色鮮やかなラッピング列車が走っており、目を楽しませてくれますよ!
※鉄道写真の撮影時は、線路内に立ち入るなど、鉄道の運行を妨げる行為は絶対にしないよう気を付けましょう。また、周辺住民の迷惑にならないようご注意ください。
1.空と海が織りなす絶景!下灘駅(愛媛県)
日本屈指の鉄道の絶景スポットとして知られているのが、愛媛県のJR下灘(しもなだ)駅です。
瀬戸内海を眼前に臨む、小さな駅のプラットホーム。その哀愁漂う美しさから、映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』(1977)やアニメ『境界の彼方』(2013~)などさまざまな映像作品の舞台にもなりました。
ホームには、3本足の上屋やベンチ、電信柱、駅名標、手すりなどがあり、その向こうに、海と空が広がっています。
シンプルな構図ゆえに、撮影者の工夫や、空模様によって、撮れる写真は大きく変わります。取材当日、筆者は雲の変化を見ながら、2時間近く写真を撮っていましたが、飽きませんでした。
哀愁漂うブルーのベンチ。
レトロな駅名標。
取材当日は、雲がかかって海がはっきり見えませんでした。代わりに、空の中を走るような列車を撮ることができました!
JR下灘駅は、1時間に1~2本、列車が来ます。ただし、時間帯によってはまったく列車が来ないので、列車を入れて撮影したい人は、事前に時刻表をチェックしてくださいね。
午前中、JR下灘駅は順光になり、海がきれいに見えます。その一方で、夕方は、瀬戸内海に沈んでいく太陽を見ることができます。夕焼けの写真を撮りたい人は、ぜひ夕方に訪ねてみてくださいね。
JR下灘駅は、愛媛県の観光のハブとなるJR松山駅から約50分です。列車の本数は少ないので、事前に時刻表のチェックを。
下灘駅の周辺では、土日祝日にカフェ「下灘珈琲」がオープンしますが、それ以外の飲食店は2~3キロメートル離れています。食事をしたい方は、注意しましょう。
2.城を背景に走る列車!大洲城周辺(愛媛県)
愛媛県大洲市にある大洲城は、日本で初めて、城の天守に宿泊できる「キャッスルステイ」を行ったスポット。「1泊100万円」という値段も含めて、大きな話題となりました。
そんな大洲城は、実は、城を背景に列車の写真が撮れる珍しいスポットのひとつでもあります。
大洲城を背景に列車を撮るには、まずJR伊予大洲駅まで行きましょう。
JR伊予大洲駅へは、JR松山駅から特急で約35分、普通列車で1時間30分~2時間ほどです。先ほど紹介したJR下灘駅からも、40~50分ほどで行けます。
撮影場所は、JR伊予大洲駅から川を挟んで対岸にある道路沿いです。ここまでは、駅から2キロメートル弱歩きます。大きな荷物がある場合は、駅のコインロッカーか観光案内所に預かってもらいましょう。
JR伊予大洲駅からは、まず北に進んで橋をわたります。橋を渡って左折してしばらく歩いていたら、川の向こうに大洲城が見えてきます。
この道沿いには、城と列車を一緒に撮れる、視界の開けたスポットがいくつかあります。場所ごとに、撮れる画は少しずつ変わってきます。あなたにとってのベストポジションを探してみてくださいね。
車道は交通量が多いので、歩道から写真を撮るようにしましょう。途中、川側にも歩道がある場所があります。
筆者はこの時、24-70mmの標準ズームレンズを使用しました。ただ、城まではかなり距離があるため、より焦点距離の長い望遠レンズを持っていくのがオススメです。
より近くから列車を撮ってみたい人は、駅側の川岸もオススメです。ここは土手になっていますが、山を背景に高架橋を走る列車を捉えることができます。
伊予大洲駅では、1時間に2~6本の列車が走っています。時間帯によって列車の本数が大幅に異なるので、事前に時刻表をチェックしていきましょう。
人気観光地・内子町との周遊がオススメ
Photo by Pixta
大洲市は、「伊予の小京都」と呼ばれ、昔から栄えてきました。周辺には、フォトジェニックな見どころが多くあります。
特に有名なのが、江戸時代や明治時代の面影を残す町屋が立ち並ぶ内子町。伝統的な町並みの中に、カフェやおみやげ店がたくさんあります。最寄りのJR内子駅は、JR伊予大洲駅から20分弱とアクセスもよいので、ぜひ併せて周遊してみてくださいね。
3.渓谷を駆け抜ける列車!大歩危小歩危(徳島県)
徳島県にある祖谷の大歩危(おおぼけ)小歩危(こぼけ)峡は、「日本三大秘境」のひとつに数えられる景勝地。吉野川の激しい流れによって、2億年の時をかけて創られた美しい渓谷が特に有名です。
ここでは、渓谷の上に架けられた橋梁を走る列車を撮れます。
撮影スポットの最寄り駅は、JR小歩危駅。JR小歩危駅は、四国周遊のハブとなるJR高松駅から2時間30分~4時間程度(途中駅での待ち時間含む)かかります。行く際は、列車の時刻をしっかり調べましょう。
JR小歩危駅から南に2キロメートルほど歩くと、「大歩危洞門」というトンネルがあります。この周辺に、橋梁までの視界が開けた撮影スポットが複数ありますよ。
撮影スポットによって、撮れる画は少しずつ変わってきます。ぜひお気に入りの場所を探してみてくださいね。
なお、筆者がここで撮影していると、地元の方が「ええ写真は撮れるかい?」と声を掛けてくれました。地元にとっても、有名な撮影スポットのようです。
小歩危駅を走る列車の時間は、時刻表をチェックしてください。なお、通過列車も30分に1本程度通ります。通過列車の時刻表はオンライン上にはありませんが、筆者の取材時、小歩危駅構内に掲示されていました。こちらも併せてチェックしてみてくださいね。
周辺に商業施設も
大歩危洞門から徒歩5分程度の場所には、複数の飲食店とおみやげ店、コンビニ、アウトドアショップが入った商業施設「RiverStation West-West」があります。ここで休憩しながら、絶好の一枚を狙ってもよいでしょう。
なお、写真撮影を目的に、お店の利用をせずに車を長時間駐車するのは避けましょう。特に紅葉の時期は駐車場が混雑しがちです。他の方も気持ちよく使えるよう、配慮してくださいね。
渓谷美で知られる大歩危小歩危には、フォトジェニックな場所がたくさんあります。また、前述の「RiverStation West-West」をはじめ複数の施設で、ラフティングなどのアクティビティが楽しめますよ。
観光列車「伊予灘ものがたり」「四国まんなか千年ものがたり」も
Picture courtesy of JR四国
四国の絶景を車窓から楽しみたい方には、観光列車もオススメです。中でも「伊予灘ものがたり」は、今回ご紹介した下灘駅と大洲駅を通る上、下灘駅に10分ほど停車して、写真撮影をする時間もあります。
このほか、今回ご紹介した大歩危小歩危には、「四国まんなか千年ものがたり」が走っています。こちらは特に、車内で食べられる絶品グルメが人気です。
どちらも人気のため、乗りたい方は、早めの予約がオススメです。「四国まんなか千年ものがたり」「伊予灘ものがたり」は英語のHPからオンライン予約可能です(2021年7月現在)。日本語で申し込みをしたい人は、JRの「みどりの窓口」などで予約しましょう。
取材を終えて
大洲市を流れる肱川(ひじかわ)沿いで撮影
今回、鉄道をテーマに旅する中で、風情ある景観や人、おいしいグルメなど、さまざまな出会いがありました。また、30分の1本ほどの列車を待つ間、ゆったりと川面をわたる風を感じたり、周辺の絶景を楽しんだりと、駆け足の旅では味わえない楽しみがありました。
鉄道写真を撮影する旅には、鉄道写真以外にも、さまざまな楽しみがあります。鉄道好きも、普段は鉄道に興味がない人も。ぜひ四国の鉄道をテーマにした旅を楽しんでくださいね。
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In cooperation with JR四国
企業のIR/CSR分野のPR、国際協力分野の情報誌編集を経て、2017年10月にMATCHAに参加しました。2019年4月から香川県三豊市に移住。訪日観光客向けの記事を書くほか、地域おこしにも携わっています。
インターネットサービスやレンタカー、ホテルなどのほか、また西日本の観光スポットの記事を主に担当しています。