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懐かしくて新しい「阿下喜」の町を歩こう!
三重県いなべ市の中心に位置する阿下喜は、古い街並みと、新しい試みが混在する街。どこか懐かしい阿下喜を散策してみて。
三重県いなべ市の中心に位置する阿下喜(あげき)は、かつて宿場町として昭和初期に栄え、約100もの商店が立ち並んでいたという。
そんな面影を色濃く残しながらも、近年この町には新しい風が吹き、世代を超えた人と人とのあたたかいつながりを感じることができる。
ローカル線・三岐鉄道北勢線の終着駅でもある阿下喜駅を降りて、右に真っ直ぐ歩くと、メインストリートが現れる。
坂道を登りながら一歩横の通りに入ると、そこにもまた歴史的情緒ある建屋が並び、かつての喧騒に耳をすませてみたくなる。
正面には藤原岳が佇み、“暮らし” と “自然” が密接にあることを実感する。
木造校舎の中で、“静かに”ほっと一息
坂道を更に進み一歩奥に曲がると、戦前の木造小学校(旧阿下喜小学校)校舎であり、国の登録有形文化財でもある『桐林館(とうりんかん)』が見えてくる。
館内には、当時の教室や校長室を現代に伝えるために復元されており、板張りの廊下や木枠のガラス窓など、木々のあたたかみ溢れる空間になっている。
かつて職員室だった場所には、筆談カフェ『桐林館喫茶室』があり、“静かに” お茶や軽食(コッペパンなど)を楽しむことができる。
※「筆談カフェ」とは…
ルールは「音声オフ」。ノートとペンで会話を楽しむ、体験型のカフェ。
おしゃべり禁止のカフェではなく、音声を使わないコミュニケーションを楽しむ空間。筆談・ジェスチャー・手話…おしゃべりの方法はいろいろ。手で伝える。目で伝わる。「音がないから、オモシロイ」
あたりまえがなくなるとき、そこには新しい発見がある。
“静かな”桐林館でしか味わえない「音声のない世界」を体験してみて。
オーナーの金子文絵さん(写真上右)は、看護師の資格を持ちながら、「コミュニティナース」として、障がいを持つ人たちと社会とを、さまざまな形でつなげる活動をしている。
その取り組みの一つとして、障がいを持つ方の表現・アートの展示に力を入れている。
75年続く老舗和菓子屋『松寿園 菓子舗』で旅のおみやげを
桐林館近くの和菓子屋『松寿園(しょうじゅえん)』では、季節の和菓子の他、地域の餅米を使った香ばしい「かきもち」などが購入できる。
ちょうど良い甘さの餡子が身体にやさしく染み入る。
創業当初から使っているという、祝い菓子の木枠なども店内に展示されていて、ここでも歴史を感じることができる。
細やかで可愛いらしい絵柄が目を惹く。
お昼ご飯は、地元の人から愛される大衆食堂「カドヤ」がおすすめ
12時になると地元の人たちが一斉に集う食堂『カドヤ』。
出汁の効いたうどん、揚げたての甘いコロッケ、ソースか醤油かを選ぶことができる焼き飯など、昔ながらの定食が食べられる。
定食でよく使うネギや漬物の野菜は、自家栽培しているというこだわりも。
暖簾をくぐるといつもあたたかく迎えてくれる店員さん。ローカルトークにも花が咲く。
ここが地元の人も、地元でない人も、我が家に帰ったような懐かしい感覚になるカドヤ。
胃も心もなんだかあたたかい、で満たされる。そんな食事の時間をたのしんでほしい。
アクセス方法
車の場合
名古屋から車で約1時間。東海環状自動車道 大安ICから車で約15分。
公共交通機関の場合
JR・近鉄桑名駅から三岐鉄道北勢線へ乗り換え。終点の阿下喜駅まで54分。
三重県の北部・鈴鹿山脈の麓に位置するいなべ市。 まちづくり法人グリーンクリエイティブいなべは、いなべを舞台にさまざまな企画プロデュースを行っています。 まちづくりを通してつながった、いなべに暮らす人々。 山麓の美しい自然や、さまざまな日々の景色。 この地域ならではの食や体験、わたしたちの町の魅力をコーディネートして皆さまにお届けします。 あなたのいなべ旅がより一層、豊かなものになりますようお手伝いさせていただきます。