名古屋から2時間で行ける「水とおどりの町」郡上八幡を楽しむ
名古屋から鉄道で約2時間で行ける人気の観光スポット郡上八幡。城下町での食べ歩き、古き良き日本の歴史を感じる町歩き、そして伝統行事の郡上おどりを楽しめます。今回は郡上八幡の美しい水に癒されながら、風情のある町並みを楽しむためのおすすめ観光スポットを紹介します。
郡上八幡の魅力は自然・歴史・食文化、そして踊り
岐阜県郡上市は、自然と歴史が調和する東海エリアの中でも大変魅力的な観光地の一つです。美しい緑、清流長良川、そして郡上八幡の城下町に残る古い町並みを楽しめるのをはじめとして、夏の川遊び、鮎釣りやラフティング、冬のスノースポーツなどが充実するアクティビティ王国でもあります。
そしてなにより有名な郡上の夏の風物詩といえば、日本三大盆踊りの一つ「郡上おどり」です。毎年夏に開催され、観光客も地元の人々と一緒に踊りを楽しむことで知られています。踊りを楽しむとともに城下町では多くの町歩きグルメや飲食店もあるので、観光に来た人々を魅了します。
今回は郡上市の中心部、郡上八幡のエリアにスポットを当てて、知られざる魅力を紹介していきます。
郡上八幡城下町のおすすめ観光スポット紹介
郡上八幡の楽しみの一つと言えば歴史を感じる城下町の散策です。見どころ満載の郡上八幡の中から今回いくつかの場所を紹介していきます。
まずは郡上八幡への入り口「郡上八幡駅」
郡上八幡までのアクセスについては後ほど紹介しますが、もし鉄道で郡上八幡に来ることになると最初に目にするのが郡上八幡駅になります。踊り提灯がぶら下がり、風情を感じられる外観です。
駅から郡上八幡の城下町までは歩いていくこともできますが、循環バスかレンタサイクルをお勧めします。バスだと約10分ですが、バスの時間は限られているので、もし天気が良ければレンタサイクルで郡上の風を感じながら城下町に向かうのも楽しみ方の一つです。レンタサイクルは1日借りて1,000円となっています。(3時間までなら500円)
郡上八幡のシンボル「郡上八幡城」へ
続いて、郡上八幡の城下町付近に着くと必ず目に入ってくるのが郡上八幡のシンボル「郡上八幡城」です。1559年に砦が築かれた後、何度かの改築を経て、現在の美しい姿になったと言われています。
もし郡上八幡に行ったのであれば、お城の見学はぜひおすすめしたい体験の一つです。天守に登ると、美しい町並み、周囲の山々、美しく流れる吉田川、これらを一望できます。高い建物もなく、四季折々の風景を楽しめるため、訪れる時期によっても異なる魅力を感じられるはずです。
特に秋はまるでお城が燃えているように見えるほど赤く染まる紅葉を楽しめたり、冬には息をのむほどの美しい雪景色を楽しんだりすることができます。
こちらは天守の真正面からの写真です。話によると郡上八幡城の天守は、岐阜県大垣市にある大垣城の天守をもとに再現されたようです。また、場内の展示を順にみていくことで、郡上八幡城の歴史を学ぶことができます。ちなみに郡上八幡城は日本最古の木造再建城となっています。
天守からの町の眺めです。天守からは360度の絶景を眺めることができるので本当に気持ちが良いです。この写真では木が生い茂っていてわかりにくいかもしれませんが、眼下に広がる町が「魚の形」に見えるんだそうです。確かに言われてみると魚のような形に見えてきます。
町歩きで感じる「水の都 郡上八幡」
こちらは「やなか水のこみち」と呼ばれる場所です。やなか水のこみちは、シンボル的なスポットの一つで、玉石を敷き詰めた道と、水路などがあり風情を感じる時間を過ごすことができます。なんと郡上「八幡」にちなんで約八万個の石が敷き詰められているそうです。
宗祇水(そうぎすい)
宗祇水(そうぎすい)とは、一番最初に環境庁から全国名水百選の指定を受けた場所で、「水の町」郡上八幡のシンボルです。
こちらが宗祇水の写真ですが、水源から何段階かに仕切りがあるのがわかりますか?
水源に近いところから「飲料水」、次に「米などの洗い場」、「野菜の洗い場」そして「食器洗い場」と順に仕切られています。水を無駄にしないという当時の考え方を感じることができます。
郡上八幡では町を歩いていると人の暮らしと水の近さをいろいろな場所で感じ取ることができます。川の随所にはくぼみがあり、人々はそのくぼみを活用して今でも果物を冷やしたりするそうです。
ちょっと一息。絶品そばを提供してくれる「そばの平甚(ひらじん)」
郡上八幡には飲食店や食べ歩きグルメを展開するお店があります。ここではその中でも「そば」で有名な「平甚」を紹介します。水がきれいな場所ではそばが美味しいとよく言いますが、郡上八幡にもいくつかのそば屋があります。ここ平甚は、そんな郡上八幡の中で、宗祇水のすぐ近くにある創業80年の老舗のそば屋です。郡上の名水と国産そば粉を使用したもちもちとした歯ごたえのあるそばを楽しむことができます。
2階には座敷席があったり、1階の窓際席に座れば、目の前に吉田川を眺めながらそばを楽しむこともできます。
こちらは名物の「飛騨牛自然薯ランチ」です。そばだけでなく、岐阜の特産「飛騨牛」、そして郡上の季節野菜の一つである自然薯も一緒に堪能できます。自然薯はそばと合わせても良し、そのまま食べても良し、飛騨牛にかけても良しと、万能選手です。
1階の川沿いの席からの眺めです。透き通ったきれいな川と山々を眺めながら落ち着いた店内で食事ができます。
町屋カフェ「団子茶屋」でお茶と団子を楽しむティータイムを
郡上八幡は全体的に町屋造りの建物が多いのですが、そんな町屋の構造を活かしたお店が多く立ち並んでいます。その中の一つ、「団子茶屋」では昭和の時代から親しまれた郡上八幡の五つ玉みたらし団子を提供しています。
郡上産のお米を丁寧に丸め、甘辛い特製のたれにつけて香ばしく焼き上げてくれたものをその場でいただくことができます。お店の近くを通ると香ばしい食欲をそそる香りがしてきます。
こちらは団子セットです。団子2本と好きな飲み物を頼むことができます。
郡上産のほうじ茶や同じく郡上産の煎茶など、いくつかの種類から選択することができます。写真からもわかりますが、ほうじ茶に入っている氷もお茶を凍らせたものでした。氷が溶けても味が薄くなることなく、最後までお茶の味を楽しめました。
店内は和の懐かしい雰囲気が漂います。囲炉裏が置いてあるテーブルや座敷などがあり、どの席でもゆったりとした時間を過ごすことができます。
夏の風物詩「郡上おどり」の魅力と体験
郡上を語るには「郡上おどり」は欠かせません。400年以上の歴史がある伝統行事で、徳島県の阿波おどり、秋田県の西馬音内盆踊りとともに「日本三大盆踊り」の一つに数えられています。
郡上おどりは毎年7月中旬から9月上旬にかけて約30晩開催される夏の一大イベントで、特に毎年8月13日~16日に行われる「徹夜おどり」では、毎年県内外から多くの人が集まり、文字通り夜通し朝が来るまで踊り続けます。
郡上おどりの魅力は何といっても、参加者全員が一体となって一緒に踊ることにあります。踊りの種類は10種類あり、それぞれ独自の振り付けと唄があります。生の演奏や歌声に合わせて踊りに参加する楽しさは一度体験すると抜け出せなくなると言われています。
踊りがわからなくても踊りの輪に入って見様見真似で踊っていると、ものの数分で踊れる初心者でも比較的覚えやすい構成なのもうれしいです。気軽に踊りながら感じる郡上の夏の風情と、参加する人々の温かさに触れる特別な時間をぜひ過ごしてみてください。
郡上おどりの歴史を知り、踊りの体験もできるミュージアム「郡上八幡博覧館」
郡上八幡博覧館は郡上八幡の魅力をぎゅっと詰め込んだ郷土ミュージアムです。今でこそ博覧館となっていますが、実は大正時代の税務署を改装して作られています。ここでは八幡の歴史や文化、伝統工芸についての展示を見ることもできます。また、郡上おどりの季節でなくても館内では郡上おどりの実演を見ることができ、踊り方のレッスンも受けられるというのも楽しいポイントの一つです。(開催日時は公式サイト等で要確認)
郡上おどりは通常開催日でも数千人ほど、お盆(徹夜おどり)の日になると最大5-6万人もの人が集まるそうです。
こちらは踊りで履いた下駄です。郡上おどりの下駄は通常よりも丈夫で良い音が鳴るようにとヒノキの木が使われますが、それでも2週間ほどでここまで(右手側の下駄)すり減ってしまうそうです。
郡上八幡博覧館ではこのように実演を見て体験をすることができ、郡上おどりについての様々な話を聞くことができます。より深く郡上おどりのことを知ってから実際に参加するとより楽しめそうですね。
また、館内では郡上ならではの特産品や工芸品の販売もされているので、お土産を買うのもいいですね。
ちなみに、2024年の郡上おどりの日程は既に公開されていますので、下記のリンクで確認の上、ぜひ予定を合わせて参加してみてください。下駄は現地でも買えるお店が何店舗かあるのでまずは足を運んでみるのが良いでしょう。
郡上八幡での宿泊におすすめ「郡上八幡ホテル積翠園」
郡上市で宿泊ができるところはいくつかありますが、今回特におすすめしたいのは、郡上八幡城のすぐ近くにある「郡上八幡ホテル積翠園(せきすいえん)」です。
郡上八幡ホテル積翠園の魅力
周りにはお店などはない自然に囲まれた一軒宿となっています。2019年の7月にリニューアルされており、とてもきれいな客室、清潔感漂う館内、そして美味しい食事も楽しむことができます。宿のコンセプトは「暮らすように旅する」。コンセプトの通り、館内では広々とした部屋でくつろぐことができます。ウエルカムドリンクが用意されているのもうれしいポイントです。
ホテルは全21室となっており、一部客室には客室露天風呂もついています。大浴場はありませんが、各部屋に備え付けのお風呂はとても新しく広いため、何の問題もなくお風呂でくつろぐことができます。
食事はもちろん郡上の特産品を
旅で欠かせないものといえばやはり食事です。ここ郡上八幡ホテル積翠園では岐阜県や郡上の名産品や旬の食べ物が食事として楽しむことができます。
郡上八幡は長良川沿いにあり、有名な絶品の鮎、そしてメニューによっては飛騨牛の鉄板焼きなども楽しめます。『郡上の鮎』、『飛騨牛』、『郡上のお米』、『郡上の野菜』、『郡上味噌』と地元の食材にこだわって一番おいしい状態で食べられるようにと料理長のこだわりが詰まった食事を食べることができます。
飛騨牛の鉄板焼きのお肉です。分厚いですが歯でスッと切ることができあっさりと食べることができます。
鮎の塩焼き。食べ方がわからなければスタッフの方に聞くこともできます。ちょうど6月以降は鮎釣りが始まるのでとれたての鮎が食べられることも。
朝食のメニューです。朝は飛騨地方の名物「朴葉(ほうば)味噌」や地元の野菜などが提供されます。ついついご飯を何度もおかわりしてしまうほどおいしい食材がそろいます。
宿への行き方
宿は山の中腹ほどにあるので、歩いていくことも可能ですが少し大変です。車であれば問題はありませんが、そうではない場合には宿が出してくれている「シャトルバス」の利用をお勧めします。郡上八幡駅や城下町という主要な場所への送迎をしてくれていますので安心してホテルに向かうことができます。
シャトルバスについて詳しくはこちら
名古屋から郡上八幡へのアクセス方法
名古屋から郡上八幡に向かう場合、鉄道、車、高速バスでのアクセスが可能になっています。
ここではアクセス方法について3つの方法を紹介します。
鉄道:JR東海道本線→高山本線→長良川鉄道
名古屋駅から郡上八幡駅まではまず美濃太田駅までJRで向かいます。60分ほどあれば到着します。美濃太田駅からは長良川鉄道というローカル線へと乗り換えて郡上八幡駅まで90分ほど揺られます。長良川鉄道に乗ってしばらくすると緑に囲まれ、美しい川を横切り自然の中を走り抜けるので景色を楽しむことができます。
今回は取材が平日だったので紹介できなかったのですが、土日になると「観光列車ながら」にも乗車することできます。お食事付き、スイーツ付きなどプランも様々用意されています。お値段は通常の乗車と比べると高くなりますが、高級感のあるロイヤルレッドの車体、岐阜県産の木をふんだんに使用した車内、そして美味しい食事を楽しむことができます。お食事はありませんが運賃+510円でリーズナブルにご乗車できるビュープランもあります。ここでしか体験できないコンテンツなので、ぜひ一度は利用してみてください。
車(レンタカー):
自家用車やレンタカーであれば、名古屋高速や名神高速道路を利用しながら名古屋から一宮方面に向かったのち、東海北陸道を60分弱北上すると郡上八幡にたどり着くことができます。郡上八幡インターを降りてからも特に迷ったり困るようなシーンはないので、車があれば気軽に行くことができます。
高速バス:
名古屋駅の名鉄バスセンターからは郡上八幡行の高速バスに乗ることができます。所要時間はおよそ90分で、片道であれば2,400円ほどで郡上八幡まで行くことが可能です。城下町の中まで入ってくれるので、郡上八幡内での2次交通について考えなくても良いのが嬉しいポイントです。
いかがでしたか?今回は一部のみの紹介ですが、「水と歴史とおどりの町」郡上八幡の魅力はまだまだたくさんあります。自分の足に合わせて踊り下駄を作ってくれる下駄屋さん、クラフトジンを購入できるカフェ、鰻の名店に食品サンプルつくり体験など、ぜひ一度足を運んで郡上八幡を散策してみてください。きっとお気に入りのお店が見つかるはずです。
郡上市以外にも、岐阜県岐阜市では伝統漁法である「鵜飼の観覧」や和傘や提灯つくり体験などができます。どんな場所なのか見てみたいという方はこちらの記事もご覧ください。
私たちは、日本最大級の訪日・在日外国人向けメディア「MATCHA」を運営する、インバウンドリーディングカンパニーです。 たくさんの魅力にあふれた日本、そのすべてを世界に届けたい——。 すでに知られたものが、あたらしい視点で、より深く。 まだ知られていないものが、やさしいまなざしで、丁寧に。 全国に足を運び、地域の人々と言葉を交わす中で 見えてきたことがあります。 これからの日本の可能性が、すべての地域にある。 MATCHA という会社があることで、日本の魅力が世界に届き、人が動くことで変わりながら残っていくような世界をつくりたい。 そうした気持ちを胸に、わたしたちは、日本の魅力を世界に届けていきます。