100%自然の花から作る。 やんばるの恵みが詰まった ホテルオリジナルのはちみつ
オリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパのクラブラウンジで提供している「屋我地島のはちみつ」生産者である屋我地島の養蜂家『おきなわBee Happy』三浦さんは、「いかにみつばちをストレスフリーの状態にしてあげられるか」をテーマにした養蜂を行っています。 餌を与えず、巣箱を動かさず、その土地に咲く様々な花の蜜や花粉だけを栄養源とする定置養蜂を行うことで、みつばちが元気になると思うとのこと。のびのびと働くみつばちたちは今日も元気に屋我地島の花の蜜を巣箱へ運びます。巣箱がある屋我地島のカフェ「CALiN cafe&zakka」では三浦さんのはちみつを使ったデザートが頂けます。このはちみつは「本当の花...
オリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパは、お客様が様々な利用シーンやニーズに合わせて選択できる宿泊プランや種類豊富なアクティビティを通じて、独自性のある滞在体験を提供する快適なホテルとして、皆様をお迎えいたします。
沖縄県北部、「やんばる」と呼ばれる地域に立つホテルとして、やんばるの奥深さや魅力を、やんばるの人々とともに、もっと伝えていきたい。そんな想いのもと2022年にスタートしたのが、名護市にある小さな離島、屋我地島(やがじじま)での養蜂だった。協力を仰いだのは、養蜂農家「おきなわBee Happy」の主宰、三浦大樹さん。三浦さんは、屋我地島を中心に自然界に咲く花だけを採取してはちみつを作る、いわば「やんばるの自然の恵み」を知り尽くした人。三浦さんとオリエンタルホテル沖縄は、「やんばる畑人(はるさー)プロジェクト」という、農家や飲食店、宿泊施設、加工企業が連携し、やんばるの食を軸に地域活性化を推進するプロジェクトに参加する仲間である。
三浦さんのはちみつを食べた人の多くが、「本当の花の蜜を味わっているようだ」と賞賛するという。なぜ花の蜜のような風味や香りを持つはちみつを作り出せるのか。その秘密を探りに、養蜂の現場を訪ねた。
沖縄随一。みつばちが住みやすい場所、名護。
一年を通して多種多様な花が咲き、はちが集う
青空が眩しい小春日和。屋我地島のカフェ「CALiN(カラン)」の庭に置かれた2台の巣箱には、みつばちがひっきりなしに行き来していた。「天気のいい日はみつばちの機嫌がいいんですよ」。みつばちにも機嫌の良し悪しがあるという、驚くべきことを話してくれたのは、養蜂家の三浦大樹さん。屋我地島で10年ほど前から養蜂を始め、ここCALiN(カラン)の2台の巣箱も三浦さんが設置。当ホテルとともに、蜂を育てている。
「晴れていると花に蜜がよく溜まるのでみつばちが活発に飛び回ります。この状態を『機嫌が良い』と呼んでいるんです。逆に雨だと羽が濡れて飛べないうえ、変温動物なので気温とともに体温も低下し、動きが鈍化します。雨天が続けば花から蜜が流れてしまうので餌がなくなり、ますます機嫌が悪くなってしまうんです」。みつばちが動かなければ蜜は採取されず、はちみつの収穫量が減ってしまう。このように天候に左右されるならば、台風の多い沖縄には適していないように感じるが…。
「確かに、台風の多い時期みつばちは動けなくなるので、はちみつの収穫量はぐっと減りますし、台風の後もしばらく影響を受け続けてしまいます。でも、それを補って余りあるほど、沖縄、なかでも名護は養蜂に向いているんですよ」と、巣箱の周辺に咲く花々を指差しながら、その理由を教えてくれた。
「みつばちは気温が15度以下になると活動を停止しますが、温暖な沖縄では一年中動くことが可能で。そのうえ蜜を採取できる花も年中咲いているので、みつばちにとっては最高の環境なんです。とりわけ屋我地島のある名護には里山と深山が広がっているので、どの季節でも多種多様な花が咲いている。これこそ、養蜂が盛んになった理由です。今や単位面積当たりのみつばちの巣箱の数は、日本一ですよ」。
センダングサやカユプテなど、豊富な野の花が一年を通して自生する屋我地島。その100%天然の花の蜜を吸い、花粉を食べて成長するみつばちの作るはちみつであれば、花のように豊かな香りがするのも、当然といえる。
みつばちをストレスフリーにするために
巣箱の置き場所、数、養蜂の方法。独自の工夫で質の良いはちみつを作る
屋我地島の地の利に頼るだけでなく、三浦さんは独自の工夫を凝らして、質の良いはちみつ作りに心血を注いでいる。その工夫の多くは、「いかにみつばちをストレスフリーの状態にしてあげられるのか」をテーマにしていて、その最たるものが、養蜂の方法だ。
養蜂には大きく分けて、移動養蜂と定置養蜂の2つの方法がある。前者では、専業の養蜂家がみつばちを連れて、季節の花々を求めて各地を移動しながら養蜂する。後者は養蜂場を一か所にとどめて、そこに咲く様々な花の蜜を集めるスタイルだ。三浦さんは、定置養蜂の方がみつばちにストレスがかからない、と語る。
「みつばちの行動範囲は基本的に半径1㎞と言われていますが、定置養蜂だとその範囲が広がり、採取できる花の種類も数も増えるんです。恐らく同じ場所で暮らし続ける方が体に負担がかからず、みつばちが元気になるからだと思います」。みつばちが元気に飛び回ることで、より多く、より多様な花の蜜を採取でき、はちみつの味や風味はより複雑に、豊かになるのだ。
さらに三浦さんは、巣箱の置く場所や数にも気を配る。
「みつばちの限られた行動範囲の中に巣箱を多く置き過ぎると飽和状態になり、その範囲内で採れる花の蜜は不足してしまいます。それを防ぐために、一カ所当たりの巣箱の数を少なくし、代わりに設置場所を屋我地島内で分散させています」。
日本の養蜂場は一カ所に数十個の巣箱を設置する場合が多く、不足する花の蜜を補うため、砂糖水などのエサを人為的に与えているという。効率的な方法ではあるが、その反面、味のクオリティに影響を及ぼすことは想像に難くない。他方、三浦さんはよりおいしく、ナチュラルな味を追求するために、自然の花の蜜のみをエサにすることにこだわり、島内のあちこちに巣箱を置き、手間を惜しまず面倒を見る。
最も香り高く、風味豊かな収穫時期を見逃さない
料理人たちのサポートで、さらに高みを目指す
数多くの工夫と、たくさんの愛情を込めて作るはちみつは、収穫のタイミングも重要だ。糖度が最適といわれる78〜80度に達し、香りが最も立つ頃合いを見計らって採蜜しなければ、今までの苦労が水の泡になってしまう。「いつ採ればいいのかは季節や天候によって変わりますが、経験を重ねる中でなんとか会得していきました」。
三浦さんのたゆまぬ努力に加え、舌の肥えた取引先の料理人たちの助言によって、その味はさらに洗練されていったと言う。「こんな風味がいい、とか、この香りでは不十分、とか、要望が高いほど応えたいと思いますし、やる気になります」。このような妥協を許さない三浦さんの真摯な情熱によって、オリエンタルホテル沖縄のオリジナルはちみつも作り上げられたと思うと、感慨深い。
はちみつだけではない、みつばちからの贈り物
ティースプーン一杯のはちみつが伝える、やんばるの営み
みつばちを育てることで得られるものは、はちみつだけではない。ローヤルゼリーやプロポリス、蜜ろうなど栄養価や抗菌作用が高いものが多く、食用から化粧品の材料まで、その用途は幅広い。三浦さんはワークショップでの蜜ろうキャンドル作りや子供たちとの採蜜体験教室などを通し、みつばちやはちみつの魅力はもちろん、屋我地島、引いてはやんばるの自然の豊かさを伝える活動もしている。
「小さな島なので、屋我地島の子どもたちのほとんどが、大人になると島外へ羽ばたいていきます。だからこそ、自分たちの故郷の素晴らしい自然を覚えていてほしいんです。彼らが遠く離れた場所で暮らしたとしても、このはちみつの味を覚えていれば、その瞬間だけは屋我地島の風景を思い出せるはずです。味の記憶が『屋我地島の人間としての誇り』を呼び覚ましてくれる。そう願って、ここではちみつを作っているように思います」。
森と花と虫、全てがつながって初めて完成するはちみつは、早くて5月、6月中旬の梅雨明け頃には収穫され、ホテル内のラウンジで味わうことができる。ぜひこの機会に、ティースプーン一杯のはちみつを通して、屋我地島の自然が織りなす雄大なストーリーを体感してみてはいかがだろう。それが、やんばるのホテルとして贈ることができる、唯一無二の旅の醍醐味になるはずだから。
おきなわ Happy
養蜂家・三浦大樹さんによる自然養蜂プロジェクト。東京出身の三浦さんが沖縄移住後にネイチャーガイドを経て、屋我地島を中心としたやんばるエリアで、自然界の花の蜜だけを採取してはちみつを生産。その活動は養蜂にとどまらず、屋我地島の小学生たちへの教育プログラムのほか、県内外の各地でワークショップや講演会、イベント出店など積極的に行っている。こだわりのはちみつは、沖縄県内のホテルやカフェ等で販売中。
株式会社ホテルマネージメントジャパンは、国内22ホテル(総客室数6,445室)を展開するホテル運営会社です。独自ブランドである「オリエンタルホテル」と「ホテル オリエンタル エクスプレス」に加え、「ヒルトン」、「シェラトン」、「ホテル日航」など多様なホテル経営及び運営を行っています。