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暑中見舞い・残暑見舞いとは?違い・送る時期・例文について解説
暑中見舞いと残暑見舞いは送る時期と文面が異なりますが、いずれも暑い中暮らす相手の健康を気遣う内容をまとめた挨拶状です。この記事ではそれぞれの違いや送る時期、例文についてまとめています。理解することで普段会えない人やお世話になった人に向けた季節の挨拶状を作ることができます。
暑中見舞い・残暑見舞いの違いと例文について紹介
相手を気遣いながら、自身の近況を報告できるのが暑中見舞い(しょちゅうみまい)や残暑見舞い(ざんしょみまい)といった挨拶状です。この2つの違いやいつ送るべきなのか、どのような文章を書くべきなのかをご紹介します。例文も載せていますので挨拶文を書く際にぜひ活用してください。
暑中見舞い・残暑見舞いとは?
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「暑中見舞い」と「残暑見舞い」は、夏に送る挨拶状のことです。お世話になった人や、普段会う機会が少ない親戚や友人・知人などに向けて、「暑い夏に体調を崩すことなく元気でいてほしい」という願いを込めて、また自分の近況報告などを兼ねて送ります。
古くから、お盆の帰省の際に仏前へのお供え物を持参したり、お世話になった方へお中元を届けたりという風習がありました。しかし、郵便など通信手段の発達により段々と簡素化していき、書状で挨拶を交わすことが習慣となり定着しました。
目次
- 1.暑中見舞い・残暑見舞いの違いと例文について紹介
- 2.暑中見舞い・残暑見舞いとは?
- 3.暑中見舞いとは?
- 4.残暑見舞いとは?
- 5.暑中見舞いと残暑見舞いの基本的な書き方
- 6.暑中見舞い・残暑見舞いの文例
- 7.送る時期を守って、効果的に暑中見舞い・残暑見舞いを活用
暑中見舞いとは?
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暑中見舞いは、夏の暑い盛りの時期に送る挨拶状のことです。便箋やはがきを使って、郵便で送るのが一般的です。見舞いというと、病気や災難に遭った人に対して送ると勘違いする人もいるようですが、そうではありません。
相手の健康を気遣って送るのが目的なので、元気だとわかっている人に「暑さに負けずお互いに頑張りましょう」と送っても問題ありません。なお、暑中見舞いや残暑見舞いは、必ず送らなくてはならないというルールはありません。
手書きのほかに、プリンターで印刷して送る場合や、ビジネスで取引先に送る場合、メールで送信する場合もあります。
暑中見舞いを送る時期
二十四節気(にじゅうしせっき)でいう小暑(7月7日ごろ)から、立秋の前日(8月7日ごろ)までです。一般的に、夏の暑さが最も厳しい時期であるとされています。実際の気温だけを見て暑いかどうかを判断するのではなく、この期間内に送る挨拶状はすべて暑中見舞いとなります。
ただし、送る相手の地域が梅雨明けしてから送るほうがベターです。それは、梅雨の時期は梅雨寒(つゆざむ)が現れることがあり、梅雨が明けてから本格的な暑い夏になるとされているためです。
残暑見舞いとは?
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残暑見舞いも相手の健康を気遣って送る挨拶状で、立秋を過ぎても続く暑さの体調を気遣うものです。基本的なマナーは暑中見舞いと同じですが、送る時期と文面が異なります。暑中見舞いを送った相手には、あらためて残暑見舞いを送る必要はなく、どちらかを送るのが一般的です。
また、暑中見舞いを出すのが遅くなってしまったり、暑中見舞いを受け取って、返事を出すのが残暑見舞いの時期にさしかかったりした場合も、残暑見舞いで対応します。
残暑見舞いを送る時期
送る時期は、二十四節気の立秋(8月8日ごろ)から、8月末ごろの期間です。遅くても処暑(9月7日ごろ)までに届くように送ります。
この頃は、暦の上では秋になっていても、暑さが残っている時期でもあります。その年の気候を観察しながら、残暑が続くことを憂うる(うれうる)言葉を使ったり、朝晩が涼しくなってきて秋の気配がするといった内容を盛り込んだりしながら、相手を気遣いましょう。
暑中見舞いと残暑見舞いの基本的な書き方
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暑中見舞い・残暑見舞いともに、基本的な書き方や書式の構成は同じです。堅苦しく考える必要はありませんが、基本的な雛形を守るのがマナーです。
書き方の順序は、「①挨拶」→「②時候(じこう)の挨拶と主文」→「③結びの挨拶」→「④年月」です。それぞれ何を書くべきかについては、以下のとおりです。
①挨拶
冒頭に大きい字で書く言葉です。「暑中お見舞い申し上げます」または「残暑お見舞い申し上げます」と、お見舞いの言葉を書きます。文末の「。(句点)」は書きません。自分なりの言葉に変える必要はなく定型文で問題ありません。
②時候の挨拶と主文
時候の挨拶(季節を表す語句を用いた一文)から始め、主文に続けます。まずは相手の安否を気遣う文章と、お世話になったお礼や日頃の感謝などを伝え、そのあとに、自分の近況を伝える文章を続けます。
③結びの挨拶
結びとして相手の健康を祈る言葉で締めます。「お体に気をつけて~~」「健やかに~~」「お元気で~~」など、相手の無事を祈る言葉を入れます。
④年月
最後に、主文よりも字下げしてやや下の位置に、いつ書いたお見舞い状であるかわかるように年月を入れます。詳しい日付まではいりません。「2024年8月」「令和6年盛夏」などと書きます。縦書きの場合は漢数字を使いましょう。
暑中見舞い・残暑見舞いの文例
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一般的な文例を紹介します。季節に合わせた表現や伝えたい内容などを加えて、自分らしい文章を書いてみてください。
暑中見舞いの文例
暑中お見舞い申しあげます
本格的な夏到来で猛暑日が続く昨今ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
すっかりご無沙汰しておりましたが、今年の夏こそは帰省したいと考えています。
機会があれば、ぜひお会いして明るい笑顔を拝見したいです。
暑さもこれからが本番ですので、くれぐれもお身体には十分お気をつけください。
令和6年 盛夏
暑中お見舞い申し上げます
冷たい飲み物が手放せない季節になりましたが、お元気でいらっしゃいますか。
先日は珍しいお土産を送っていただき、ありがとうございました。
近所に○○さんが好きな○○のお店を発見したので、一度暑気払いで集まりませんか。
先日のお礼に、ぜひご馳走させてください。
今後も暑い日が続きそうですが、楽しく健康で過ごせますようお祈りしております。
2004年8月
残暑見舞いの文例
残暑お見舞い申し上げます
立秋とは名ばかりでまだまだ暑い日が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
先日の夏祭りの写真で、お元気に活躍されている様子を拝見し、家族一同喜んでおります。
こちらは朝晩はようやく過ごしやすくなり、愛犬の散歩も足取りが軽くなってきました。
家族全員、仕事に、勉強に、部活動にと忙しく暮らしていますが、夏バテなどせず元気に暮らしておりますのでご安心ください。
夏の疲れが出るころですので、お身体にはお気をつけてお過ごしくださいますようお祈り申し上げます。
令和6年 立秋
残暑お見舞い申し上げます
暦では秋だというのに猛暑日の日もあり、まだまだ油断ができませんね。
皆様お元気でいらっしゃいますか。
初めての夏を迎える赤ちゃんのお世話は大変だったのではありませんか。
早く夜もぐっすり眠れるようになるとよいですね。
こちらは、子どもたちはプールで疲れて夜は早めに寝付くようになったので一安心です。
涼しくなり、また家族同士でお出かけできる日を楽しみにしております。
皆様健康にはくれぐれもお気をつけて、残りの夏を楽しんでくださいね。
2024年 晩夏
よくある質問
暑中見舞い・残暑見舞いはなぜ送る?
暑中見舞いや残暑見舞いは、めったに会えない人やお世話になった人に向けて、夏の暑い時期の健康を気遣い、元気に過ごしてほしいとの願いを届けるために送るものです。併せて、自分の近況報告なども伝えて、今後とも変わらぬ付き合いを願う意味もあります。
暑中見舞い・残暑見舞いはいつ送る?
暑中見舞いは、小暑(7月7日ごろ)から、立秋の前日(8月7日ごろ)までに届くように送ります。立秋(8月8日ごろ)を過ぎると残暑見舞いとして送りますが、8月末ごろ、遅くても処暑(9月7日ごろ)には届くようにしましょう。
暑中見舞いと残暑見舞いの境目はいつですか?
暑中見舞いと残暑見舞いの境目となるのは「立秋」です。立秋とは二十四節気のひとつで、暦の上ではこの日から秋が始まります。とはいえ、実際にはまだ暑い日が続くため時候の挨拶では「残暑」という言葉が使われます。
お中元と暑中見舞いと残暑見舞いの違いは?
お中元は、日頃からお世話になっている方へ感謝とお礼の気持ちを込めて贈る品物のことです。暑中見舞い・残暑見舞いは暑い時期の相手の健康を気遣い、健やかに過ごすことを願う気持ちを文章にまとめて手紙やはがきで送ります。ただし、品物に「暑中見舞い」や「残暑見舞い」ののし紙を付けて贈る場合もあります。
送る時期を守って、効果的に暑中見舞い・残暑見舞いを活用
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暑中見舞いや残暑見舞いをいつ送るべきかについては、最も暑い時期には「暑中見舞い」、立秋(8月8日ごろ)を境に秋の気配を感じるころに近づくと「残暑見舞い」と押さえておくとよいでしょう。ご紹介した例文を参考に、ご自身の気持ちや伝えたいことをアレンジしてまとめて、心のこもったお見舞いのご挨拶を送ってください。
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Written by Kakutama editorial team