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地域で愛されるカフェ「coffee stand 早川亭」
東京、東中野駅から徒歩6分のカフェ「coffee stand 早川亭」を紹介します。 おいしさの秘訣は焙煎度合い。店主の技が光ります。
こんにちは。ナカノ観光レポーターの「ちいたん」です。ちびナカノさんも一緒です。今回紹介したいのは、「coffee stand 早川亭」。東京、東中野で愛され9年目(2024年現在)、自家焙煎のコーヒーが味わえるカフェ。JR総武線「東中野駅」東口から歩いて6分です。
季節の花々がカウンター席を彩っています。カウンター5席とテーブル2つの小さなお店ですが、居心地が良くゆったりできます。
黒板の似顔絵がマスターにそっくり!
店主の早川耕太さんにお話を伺いました。―開店の経緯を教えてください。「カフェが好きで、学生時代を含めて8年くらいいくつかのお店で修行しました。エスプレッソマシンをはじめて触ったときに面白いなと思って。働く中で、自分一人でできる小さいコーヒー屋さんがやりたくなり、開店に向けてお金を貯めました。焙煎や豆の販売のことも本やセミナーで勉強しました」
「カフェラテ」を目の前で作ってもらい、感激しました。ラテアートの手さばきは一見の価値あり。この技術は努力で身につけたものなのですね。
「チューリップ、ハート、葉っぱといった基礎的なものしかできないんですよ。あとは簡単な顔かな」と早川さん。
お店のエスプレッソマシンは発祥の地、イタリア製。「焙煎機は、日本製の『フジローヤル』を使っています。わりと多くのコーヒー屋さんで見かけると思います」
―焙煎機が違うと味は変わりますか?「そうですね。作りたいコーヒーによって、操作性や特徴を理解することが大切です」
早い時間に行くと焙煎中のいい香りに出会えるかも。
―どうして東中野を選んだのですか?「繁華街でも観光地でもオフィス街でもなく地域の人が来やすい場所がいいと思い、1年ぐらい探してここに決めました。客層は、小さいお子さんを連れた方からご高齢の方まで幅広いです。いらっしゃる方のお仕事もさまざま。いろいろな人が来てくれる環境が楽しいなと思いますね」インタビューの途中で通りかかった小学生に手を振る早川さん。お店は小学校の通学路に面していて、商店街全体で子どもたちを見守っているそうです。
コーヒーのメニューには、ブラジル、コロンビア(シティーロースト、フレンチロースト)、グァテマラ、エチオピア、インドネシア・マンデリンと豆の産地や品種が細かく書かれています。
早川さん「マイルドでバランスが取れているとか酸味があるとかしっかり苦いとか、焙煎度合いで違うので、好みに合わせて選べるラインナップにしています」
―シティーローストとフレンチローストの違いはなんですか?「豆の焼き加減です。同じ豆を煎り分けています」段階が進むと、酸味が減り、苦味が出てくるとのこと。焼いた豆を見せてもらいましたが、明るい緑色が深い色に変化していました。焙煎具合は色と音で分かるそうです。豆の販売もしているので、焙煎の差による味の違いを自宅でも楽しめます。
「早川亭マイルドブレンド(税込み500円)」をお願いしました。
コーヒーカップに興味津々のちびナカノさん。
唐津の土を使った焼き物のカップ。素朴な色合いに漆黒のコーヒーが際立っています。早川さんは陶芸が趣味で、このカップは陶芸教室の先生がお店のために焼いてくれたそうです。
味は、「マイルドブレンド」とあって酸味も苦味も絶妙。しっかりとしたコクが口の中に残ります。とても飲みやすく、たくさんの人に好まれているのがわかります。
早川さん「うちのブレンドは、ブラジル、コロンビア、グァテマラの3種類を使っているんですけど、豆ごとにそれぞれ焙煎しています。ベースとなるブラジルはビターチョコやナッツ感、コロンビアはベリー感が出るように、バランスを取るようにしています。グァテマラは焙煎度合いを浅くして、フルーティーにしています。オレンジのような、まったりした甘さが特徴。割合でいうと、ブラジル5、コロンビア3、グァテマラ2で、グァテマラの酸味が隠し味になっています。混ぜ合わせることでマイルドなコーヒーになります」
アイスコーヒーや自家製ジュース、日替わりデザートも。
―コーヒーをおいしく入れるコツは何ですか?「いろいろ飲んでみて、自分がおいしいと感じるコーヒーを探してください。あとは家でそれをどう再現するかです。好みによるので。焙煎してから1か月以内の豆をそのまま密閉容器で保管し、コーヒーを入れるたびに挽くのがオススメ。コーヒーの成分は揮発性なので、粉にするとどんどん逃げてしまうんです。いかに新鮮さを保つかが大切。お湯の温度も熱すぎずぬるすぎずです」自分好みの理想の一杯を見つけることからはじまるのですね。今日、ちいたんはその一杯に出会えたような気がしました。
―お店をどんなふうにしていきたいですか?「地域の人が気軽に立ち寄って気分転換できるような場所であり続けたいと思っています」BGMはお客さんが集めた曲を流しているとのこと。今日はジャズが流れていました。コーヒーの魅力を聞くと、「会話が生まれるところですかね」と話す早川さん。
「coffee stand 早川亭」は、ひとりで来てもカウンター席で落ち着けます。おいしいコーヒーを飲みながら、朗らかな早川さんとお話しするのも素敵ですね。早川さんの確かな技術とお店の雰囲気に「おいしさの秘密」を感じた、ちいたんとちびナカノさんでした。いやぁ、勉強になりました。 そうそう、お支払いは現金のみなのでお気をつけください。入口にかわいい注意書きが貼ってありました。
coffee stand 早川亭
所在地:東京都中野区東中野1丁目15‐7フラット東中野1F
アクセス:JR総武線「東中野駅」東口より徒歩6分
電話:03‐6908‐8528
営業時間:11時から19時
定休日:火曜日、水曜日
中野区は、東京都23区の西部に位置しています。サブカルチャーの「聖地」と呼ばれる「中野ブロードウェイ」が特に有名ですが、それ以外にも歴史ある神社・仏閣やグルメなど、多くの観光資源を有しています。 中野駅周辺で「100年に1度」とも言われる再開発が進み、まちの移り変わりが進む一方、昔ながらの人情味あふれる商店街が賑わっているなど、中野のまちは多様な面を持っています。そんなまちの多様性が、約1.7万人、約120カ国の人が住むというまちの特徴にもつながっています。