【世界遺産】2つの合掌造り集落「白川郷合掌造り集落」「五箇山合掌造り集落」と、彫刻の町「井波」を満喫。金沢発の1泊2日バス旅へ
日本古来の木造家屋「合掌造り」の里で、心洗われるバス旅はいかがですか? 金沢から白川郷(しらかわごう)と南砺市(なんとし)を結ぶ「南砺金沢・世界遺産バスフリーパス」をフル活用した、1泊2日のバス旅をお届けします。
1泊2日
世界遺産「合掌造り集落」を目指すお手軽バス旅
2024年現在、日本には26もの世界遺産スポットがあります。
今回訪問するのはそのひとつ「白川郷・五箇山(ごかやま)合掌造り集落」。
富山県と岐阜県にそれぞれ集落があり、豪雪地帯ならではの原風景が魅力の小村です。
今回は北陸観光の玄関口「金沢駅」から、バスを乗り継いで世界遺産を巡る行程を組んでみました。
どこか懐かしい風景を求めて、1泊2日のバス旅へいざ出発!
世界遺産バスとは
加越能バス株式会社が運営する往復バスです。石川、富山、岐阜の3県を股にかけた、ダイナミックなルートを進みます。
金沢から白川郷を約3時間で結び、世界遺産の名勝を身近にしてくれます。
金沢駅から白川郷を目指して
旅のスタート/ゴール地点はJR金沢駅。まずは駅構内の案内所でフリーパスを購入します。
これ一枚で南砺金沢線、世界遺産バスの2路線が乗り放題になります。発券から3日間有効です。
このフリーパスはバス乗り放題に加えて、2つの追加特典があります。(詳細は本稿後半にて)
この特典はツアー2日目に実際に利用しました。
金沢駅を出るとバスロータリーがあり、乗り場が多く迷いがちです。
今回は港口の2番乗り場から乗車しました。
10:21 城端駅へ到着
古風な瓦屋根が目をひくJR城端駅。ここで世界遺産バスに乗り換えます。
世界遺産バスは大きめの車両で、シートもゆったり広々としています。バス内はフリーWi-Fiが利用可能です。
車内にはトイレがありませんので、乗車前に利用することをお勧めします。
11:45 白川郷バスターミナルへ到着
山々を抜けて庄川(しょうがわ)に沿って南下。緑深い景色に癒されました。
※ ここから先は世界遺産保全のため、ゴミの持ち帰りにご協力をお願いします。
バスターミナルで下車したら、白川郷の正面入り口はすぐ目の前。
次に乗るバスの発車時間まで、2時間40分ほどのフリータイムを楽しみます。
まずは大通りを歩いて、ランチスポットを探してみます。
集落入り口のお店は混んでいて、奥の人通りが少ない場所を探ってみました。
赤い提灯に惹かれて、中華そばのお店「白楽」に入店。
何となく入ったお店でしたが、大当たり。ピリ辛の中華そばでお腹を満たしました。
白川郷は初訪問だったので、ランチ後は案内板を頼りに散策することに。
集落はどこを切り取っても美しく、ただ散歩しているだけで心が満たされる時間でした。
写真撮影を楽しみながら進むと、展望台への登り坂を発見。
白川郷の必須訪問スポット「荻町城跡展望台」を目指してみます。
8分ほど坂を登ると、ノスタルジックな集落全景を見下ろす展望台へ。
取材当日は雨模様でしたが、霧に包まれた幻想的な風景に出会えました。
展望台から降り、バスターミナル近辺を探索して白川郷観光は終了。
2時間40分あれば主要スポットは網羅できると思います。
世界遺産バスで来た道を引き返し、もう一つの合掌造り集落「相倉(あいのくら)」へ出発。
15:30 相倉口バス停で下車
相倉口バス停から歩いて、本日2つめの展望台へと向かいました。
相倉集落は白川郷よりもコンパクトで、愛らしい景色。
この日は観光客もまばらで、静かな山村風景を味わいました。
この日の宿泊は、伝統と格式あふれる民宿「勇助」へ。
集落入り口に堂々と建つ、ひときわ大きな合掌家屋です。
たくさん歩いたので、まずはお風呂でリフレッシュ。
木の香りが芳しく、一棟貸切ならではの極上の癒し時間でした。
2階は展示室になっており、数々の歴史資料が陳列されています。
集落の歴史を今に伝える、稀少な空間です。
女将さん手作りの豪華な晩餐。
全て南砺で採れた食材を使い、ヘルシーで味わい深い滋味でした。
山村なので夜はとても静かで、ゆったりと和室で過ごすことができました。
南砺市で楽しむアクティブツーリズム
初日は、合掌造りの美しさや歴史を感じる充実時間となりました。
2日目はスポット訪問に加えて、アクティビティを多く取り入れてみました。
朝目覚めると、バスの発車時刻まで時間があったので少し散歩へ。
木陰は涼しく快適で、森林浴でリフレッシュできました。一歩踏み込めば極上の森林浴タイム。
豊かな自然のパワーをいただき、相倉集落を後にしました。
9:37 上梨バス停で下車
午前中は、五箇山エリアを巡るサイクリングに挑戦することに。
まずは「五箇山総合案内所」でレンタサイクルをお借りします。
ここでフリーパスの1つめの特典を利用。
フリーパスには、レンタサイクル1日利用無料特典が付与されています!(通常価格2,500円)
これは使わない手はありません!
五箇山総合案内所から出て右に進めば、もう一つの世界遺産「菅沼合掌造り集落」へ続くルート。
左に進めば「道の駅たいら」まで続く一本道を探索できます。
道の駅たいらは世界遺産バスでは行けないので、自転車で目指してみます。往復20kmの五箇山サイクリングに出発。
このエリアは起伏が多いですが、電動アシスト自転車なので登りはラクラク。一本道なので迷いません。
下りは爽快にスピードに乗ることができます。
一本脇道に逸れて登り続けると、相倉を遠くに見通せる高台に到着しました。
ここは観光ブックにも無い「ただの道」ですが、圧巻の光景でした。庄川峡谷は、どこを切り取っても絶景です。
ここで水分補給と、お土産屋さんを観光しました。
道の駅たいらは五箇山和紙の手作り体験や、和紙を用いた工芸品が充実。
今回はスキップしましたが、甘いカボチャを使った名物「ぼべらソフトクリーム」もあります。
案内所に戻ると、フリーパスの2つめの特典が。
南砺の風景を詰め込んだ、オリジナルフォトブックをゲット!
ページは切り離し可能なポストカードになっており、郵送にも対応。ぜひ実物をお手にとってみてください。
レンタサイクルを返却したら、案内所から徒歩30秒のお食事処「拾遍舎(じっぺんしゃ)」へ。
サイクリングでしっかりカロリー消費したので、お腹はペコペコ。
ランチは定番、五箇山豆腐のフルコースをオーダーしました。
箸でしっかりと掴めるほど弾力ある五箇山豆腐は、ヘルシーで大豆の味が濃厚。食べ応え満点です。
蕎麦は細切りで喉越し良く、香り高い風味が特徴的。
山村由来の独自の発展を遂げた五箇山食、ぜひ観光には外せないポイントです。
ランチの後はバス2本を乗り継いで、井波(いなみ)を目指します。
山村から平野部の町へ、一気にワープ。
13:00 城端駅で下車
13:11 城端駅で「南砺金沢線バス」に乗り換え
13:31 瑞泉寺口交通広場バス停で下車
井波のメインストリート「八日町通り」には工房が並び、目に楽しいスポットです。
その伝統を評価され、井波の町は日本遺産に認定されています。
世界遺産から日本遺産へ、なんとも特別な旅です。
裏通りにひっそり佇む「黒髪庵(くろかみあん)」で、本格的な木彫刻に挑戦しました。
先生の手解きを受け、世界で一つだけのぐい呑みを彫り込んでいきます。
あらかじめ型取りされた素材を使うので、初めての木彫刻でも安心。
ノミと木槌で時に大胆に、時に繊細にヒノキ材を削り込んでいきます。
無心で彫り続けると、1時間の体験は本当にあっという間。最後に焼印を入れたら完成です!
かすかにヒノキの香るぐい呑みが、美味しい一杯を演出してくれます。削った跡の木端(こっぱ)は消臭効果があるそうで、持ち帰りも可能です。
黒髪庵をあとにし、八日町通りに面する「若駒酒造場」へ。徒歩1分で到着です。
若駒という富山名うての辛口酒で、価格も比較的リーズナブル。お土産にぴったりです。
ここでは彫ったばかりのぐい呑みで、若駒の試飲が可能です!
バス移動なのでアルコールを気にせず楽しめるのもポイント。
取り扱い銘柄はこちらをご参照ください。
八日町通りを奥まで進むと、井波のもう一つのシンボル「瑞泉寺(ずいせんじ)」へ。
見上げるほどの大きな山門に、感嘆の吐息が漏れます。
木彫刻の文化を具現化した、緻密な装飾に注目です。
瑞泉寺観光を終えたら、あとは帰りのバスへ乗り込むのみ。
最終バスへと乗り込み、約3時間の井波訪問をコンプリート。
午前はサイクリング、午後は木彫刻。体も心も満たされるアクティブツアーとなりました!
17:55 金沢駅到着
全日程終了
まとめ:世界遺産バスであなただけの旅へ
振り返ると、南砺金沢線・世界遺産バスフリーパスをフル活用して、心洗われる2日間を楽しめました。
合掌造り集落への道は長く遠いですが、バスであれば簡単快適に辿り着くことができます。
3,800円で乗り放題+特典のフリーパスは、まさにコストパフォーマンス抜群。
本稿のモデルルートに倣うも良いですし、あなただけのオリジナルルートを組んでみても良いでしょう。
また、発車時間と便数が決まっているので、バスのスケジュールに合わせてメリハリ良く動くとグッドです。
滞在先でついつい楽しみすぎて、乗り遅れにだけはご注意を!
世界遺産であなただけの旅を見つけてくださいね!
このモデルコースで紹介したスポット
私達は富山県南砺市の魅力を国内外に発信しています。 富山県南西部に位置する南砺市は、四季折々の豊かな自然に恵まれ、日本の原風景と、古き良き日本の伝統文化が今に色濃く残っている場所です。 合掌造り集落で知られる五箇山は、独自の文化を持ちながら人々が暮らす、まさに「生きた世界遺産」。田園に広がる散居村も、この地方独特の特別な風景のひとつです。中世から近世にかけて絹織物で栄えた城端や、木彫りで知られる井波には、薫り高い歴史と文化が息づき、棟方志功が暮らした福光、市場町として栄えた福野、椿の里の井口、 演劇と都市交流の利賀など、南砺の里山はいつも旅の魅力にあふれ、人々は温かい笑顔でむかえてくれます。