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軽井沢「万平ホテル」、10月のグランドオープンに向け宿泊予約始める
大規模改修のため休業していた軽井沢「万平ホテル」(軽井沢町軽井沢、TEL 0267-42-1234)が10月2日、グランドオープンする。リニューアルした「アルプス館」「碓氷館」の宿泊予約受付を9月2日に始めた。
初の大規模改修のため休業していた軽井沢「万平ホテル」(軽井沢町軽井沢、TEL 0267-42-1234)が10月2日、グランドオープンする。リニューアルした「アルプス館」「碓氷館」の宿泊予約受付を9月2日に始めた。
同ホテルは1894(明治27)年に創業。130年の歴史を持つ、日本の西洋式ホテルの草分けの一つともいわれるクラシックホテル。老朽化したため工事をしていた。正面建物でシンボルの「アルプス館」は1936(昭和11)年建築。国の登録有形文化財にも指定されている。そのため、木造の骨組みや天井を支える梁(はり)、ステンドグラス、照明などの部材は再利用し、できるだけ元の姿を残した。加えて今回の工事では耐震性や断熱性を高めたという。
8月16日より、建て替えた愛宕館と、アルプス館1階にあるメインダイニングルーム、カフェテラス、ショップを先行してソフトオープンしていたが、9月24日から再び休業し、「アルプス館」2階、碓氷館も10月2日に営業を再開し、全面グランドオープンする。
アルプス館は全12室で36平方メートル~57平方メートル。丸く温かみのあるペンダント照明をはじめ、ガラス障子、猫足バスタブ、この地を代表する伝統工芸品の軽井沢彫家具など、万平ホテルに受け継がれる「和洋折衷」をコンセプトにリニューアル。碓氷館は全44室で45平方メートル~90平方メートル。4タイプある客室とスイートルームやテラス付きの部屋も用意。愛宕館は全30室で45平方メートル~91平方メートル。全室に塩沢温泉の内風呂を備える。
同ホテルはザ・ビートルズのメンバーだったジョン・レノンが70年代後半、夏になると1カ月ほど家族と一緒に滞在していたことでも知られる。カフェテラスでレノンが食べた名物のアップルパイ(1,100円)やスタッフに作り方を教えたというロイヤルミルクティー(1,300円)も当時のままで、今回カフェテラスは73席から102席へ拡張した。
伝統を生かしつつも、リニューアルで新たな客の獲得も目指す。新料理長が就任した「メインダイニングルーム」で提供するフレンチのディナーコース「けやき」(2万1,000円)では、基本のソースやブイヨンは変えず、「地場の食材で地産地消にこだわりつつ、盛り付けは華やかなものにする」などしたという。
「ショップ」では新商品「万平ホテルプレミアムクッキー缶」(6,800円)、「伝統のフルーツケーキ」(2,800円)、ホテル看板をかたどった「木製キーホルダー」(1,500円)などを扱う。
大阪から訪れた60代と40代の家族は「娘夫婦が調べて、別荘滞在の合間に訪れた。カフェテラスでアップルパイとロイヤルミルクティーをおいしく頂いた。建物に趣があり、来られてうれしい」と話していた。
今回新たに就任した佐々木一郎総支配人は「休業前のスタッフを(別部署から)ぜひ戻したいと思い、実現した。以前と変わらない部分と新しくした部分が融合して、お客さまを迎えることができる」と話す。
西川真司支配人は「今年創業130周年。明治から令和へと歩んできた。新しいけれど懐かしいと、感動していただける建物になった。併せてこれまで培ってきたホスピタリティー的な部分も続けていきたい」と述べる。
森トラスト広報・マーケティング部の佐藤怜奈さんは「万平ホテルのような登録有形文化財や昔からあるものを大切にしつつ、それを生かしながら現代風にアップデートしていくことに力を入れており、万平ホテルはその象徴的なホテル。これまでお客さまの多くが常連の方だが、今後はインバウンド需要を高めたい。日本人宿泊客はこれまで年配客が中心だったが、若い方もレトロブームでクラシックなものに本物感を見いだす方が増え、今回のリニューアルを喜んでいただいていただけるのでは」と期待を込める。
グランドオープンを記念し、「グランドオープン記念クラシックプラン」を期間限定で販売する。アルプス館クラシックプレミアルームでの宿泊と、メインダイニングルームでのシグネチャーディナー「けやき」での夕食と朝食、部屋でのロイヤルミルクティーをセットにした。宿泊対象期間は10月2日~12月27日。宿泊料金は6万8,000円~(2人1室利用時、消費税・サービス料込み)。ウェブサイトと電話で受け付ける。
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