【京都・宇治】昇苑くみひも宇治本店 手仕事と機械仕事の融合で織りなすくみひもの新境地
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こんにちは! CECメンバーの垂井美里(Misato Tarui)です。 今回の記事ではJR宇治駅から徒歩5分、京阪宇治駅から徒歩10分、宇治平等院への中ほどにある「昇苑くみひも宇治本店」と工房をご紹介します。
昇苑くみひも宇治本店
組紐が完成に至るまで
くみひもと聞くと、多くの人が木製の台に並ぶカラフルな糸を手作業で組む様子を思い浮かべるかもしれません。いわゆる伝統的な組紐の製法は手作業の手組みにあたりますが、昇苑くみひもさんでは手作業で紐をくむ手組み、と機械によってくまれる機械組みの二軸で生産されています。
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くみひもの形状には大きく分けて二種類あり、筒状のかたちをしているひもと平らな形状で薄く組まれているものがあります。
作る人のイメージひとつで、くみひもの印象が変わるといいます。くみひもの面白さは、デザインや象徴的な手組だけではありません!

機械組みのようす
工場での機械組みのようすを見せていただきました。
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組まれた糸は手組みが下に組まれていくのに対して、機械組みは上へ上へと組まれていきます。
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なにやら糸の横に重りがついており、80の文字が見えました。(写真下)
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実はこれは江戸時代中頃に設定された匁(もんめ)という重さの単位だそうです。一匁=3.7gほどの重さで、写真の重りは約300g。この重りは機械組の最中に、糸の残量がないことを伝える機能も果たしているそうです。
カラフルな糸の下にはレールがあり、組み合わせる糸の色数や配置を変えることでデザインも変化を帯びたものが出来上がるそうです。この変化こそ、くみひもの自由さであり魅力の一つです。

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「提案できる店でありたい。」
装飾は生活必需品ではないかしれません。しかし、伝統的な製法は担い手や知りたいと感じる誰かがいなければ消えてしまいます。
「提案できる店でありたい。」
そうお話してくださったのは、昇苑くみひもの八田俊さんです。作業場を見せていただく最中の風景や、くみひもに溢れた店内装飾。終始おだやかなお話の中から印象に残った八田さんの言葉があります。
“くみひもを今のだれかにマッチする形で親しみをもってほしい。”

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工芸品を現代に融合させる
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「提案できる店でありたい」そう語る八田俊さんのニーズへの「提案」が形となった作品の一例。2019年にOPENした日本のアートを世界に発信するアートホテル、BnA Alter Museumの2室にも昇苑くみひもの組紐が使われています。作品のコンセプトに沿ってオリジナルで組紐を制作し、作品に組み込まれました。
Artist: Sato Sugamoto Art Director: Hiroko Chino Interior Designer:Reiichi Ikeda | Takao Kondo
手組み体験コーナー
手組み体験コーナーでは、初心者の方でもくみひもの製作を肌で体感することができます。
一週間前の予約で、体験の所要時間は約40分~50分間程度。最大人数4名で参加することが出来ます。
(詳細はCECまでお問い合わせください。)
伝統と暮らす人たちとの出会い
昇苑くみひも宇治本店の近辺には、10円玉の裏に描かれている建物として有名な平等院鳳凰堂や世界遺産にも登録されている宇治上神社があります。世界で最も古い長編小説として知られる『源氏物語』に焦点をあてた宇治氏源氏物語ミュージアムも。1日で回りきるにはもったいないほど見どころが盛りだくさんです。
そんな宇治の私のご提案するテーマは、“宇治に訪れる際にはのんびりと。”です。
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昇苑くみひも宇治本店さんへお立ち寄りいただき、くみひもが持つ魅力や、その可能性の大きさを肌で体感し、伝統と暮らす人たちとの出会いをゆっくりと楽しんでいただきたいです。
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昇苑くみひも宇治本店
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昇苑くみひも宇治本店に到着すると、ガラスショーウィンドウにディスプレイされた「GloColor Cube」がお出迎えしてくれます。「GloColor Cube」とは、世界(Global)と地域(Local)そして色(Color)を組み合わせてネーミングされたもので、くみひもで表現された世界地図です。店内に入ると畳の部屋にはひもを組むための丸台がディスプレイされており、くみひもが完成に至るまでその過程がどのようなものなのか、心が躍る展示が目を惹きます。
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所在地: 京都府宇治市宇治妙楽146-2
電話:0774-66-3535
アクセス:JR奈良線・宇治駅から徒歩8分|京阪宇治線・宇治駅から徒歩12分
ウェブサイト:https://www.showen.co.jp/
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京都におけるガイドのご用命・ご相談については、こちら(https://www.cec-kyoto.jp/)から、お問い合わせください。
国内外から学生が集まるまち”京都で、わたしたちは世界各国から京都に居を置く留学生と日本人学生で活動をしている団体です。 私たち”アンバサダー”が、自身の体験や知識をもとに京都の文化観光を多様な言語でご案内します。 神社仏閣庭園、モダン建築、食文化、伝統芸能などの知識と体験、現地での出会いなど最高の思い出を作っていただくために、既存のコースから、オーダーメイドの特別な1日コースまでリクエストにお応えし、京都での忘れられない日々になるようお手伝いをいたします。 ガイドツアーだけでなく、ユニークベニューを活用したイベントから四季折々の京都文化を存分に楽しんでいただける企画まで、スペシャルな体験をご提供いたします。