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日本で絶対的主食であるお米!旧武蔵で体験できる”羽釜を使ったかまど炊き"は、まさしく日本の最新の炊飯器が目指す「究極の美味しいご飯」の炊き方なのです。薪をくべて火加減を調整しながら、昔のくらしに近づく体験。しかも絶品ご飯!試してみませんか?
愛媛県松山市から車で約1時間の場所にある西予市宇和町。
宇和町にある江戸末期から昭和初期の町家が立ち並ぶ“卯之町の町並み”に、昔ながらのくらし体験ができる施設“旧武蔵”があります。
明治時代に“武蔵”という屋号で商いをしていたことから、旧武蔵と呼ばれています。
体験以外にも、レトロな物品の展示や四季折々のイベントを行っています。
海外からのお客さんも立ち寄られるようになってきました。
施設について、下のリンクで詳しく紹介しています。
旧武蔵の数ある体験の中で、1番おすすめの体験は“かまど炊き体験”です。
かまど炊き体験とは、かまどを使って昔ながらの方法でお米を炊く体験。
この体験では、一昔前にタイムスリップして、お米の計量からごはんの盛り付けまでを行います。
日本の食文化や先人たちのくらしの知恵を学ぶことができるユニークで唯一無二の体験です。
ここからは、体験の流れに沿って、かまど炊き体験をご紹介します。
まずは、 “枡”を使ってお米を量ります。
桝でお米をすくい入れた後、上側の盛り上がった部分を手で水平にならします。
桝の1杯を“1合” と呼び、1人分のご飯の量(お茶碗2杯くらい)です。
枡で量ったお米をボールに移します。
【民具】枡とは?
枡とは、液体や穀物の容量を量る、スギやヒノキで作られた四角い容器です。
約1,300年以上も前から使用されていると伝えられています。
現在では、お酒を入れる容器や日本の行事“節分”の豆まきで利用されています。
次に、お米を研ぎます。
美味しいお米を炊くために、お米に付いている胚芽と種皮が混ざった粉“ぬか”やゴミを取り除くことが目的です。
以下の①~③の手順を2~3回繰り返します。
①ボールに水をヒタヒタに入れます。
②手のひらでお米を下に押し付けるようにこすり合せて、お米を洗います。
③ボールの中に入った、白く濁った水“研ぎ汁”を捨てます。
※食器を洗う時に研ぎ汁を使用しますので、かまど炊き体験では研ぎ汁は残しておきます。
【豆知識】研ぎ汁とは?
お米の研ぎ汁には油分が含まれていて、昔は食器洗剤の代わりに使用されていました。
食器を研ぎ汁に浸しておくことで、油汚れまできれいに落ちます。
また、研ぎ汁にはビタミン・ミネラル・アミノ酸などの栄養素が含まれているので、今でも畑にまいて、畑の肥料として使われることがあります。
研いだお米を“羽釜”に移します。
羽釜にお米の1.2倍の量の水を入れ、15~30分ほど浸します。水をしっかり含ませることで、ふっくらと甘く美味しいご飯が炊きあがるのです。
なお、水の量は、計量カップでは計りません。
計量カップがなかった時代は、自分の身体が物を量る役割をしていました。
以下を目安に“手計り”(自身の手を使う)で水の量を量ります。
◎目安
子供の場合:くるぶしの上くらい
大人の場合:手の甲が隠れるくらい
※個人の手の大きさや厚みにより、微妙に目安が変わります。ベストを覚えておくと便利です。
【民具】羽釜とは?
羽釜とは、かまどに設置して炊飯に利用されていた釜です。
釜の周囲にぐるりと羽が付いており、特徴的な形をしています。
かまどの穴に釜がぴったり乗り、かまどの熱が逃げない仕組みになっています。
また、重たい木で作っている蓋も蓄熱効果があり、美味しくお米を炊き上げることができます。
お米を水に浸している間に、かまどの火を維持するための薪を準備します。
薪を効率よく使うことができるように、以下の手順で扱いやすい大きさに割ります。
①近くに人がいないことを確認します。
②利き手でナタを持ち、もう一方の手は滑らないように軍手をし、薪の下部分をしっかり持ちます。
③薪に対してナタの刃の中央部分を斜めに当てた状態で、薪を下へ打ち付けます。(重要:この時、ナタを持っている利き手は力を入れず薪の上部に当てているだけ。)
④ナタが薪に食い込み、外れないようになったのを確認できたら、ナタを両手に持ち替え、さらに下へ打ち付けて薪を割ります。
いよいよ、準備した薪を使って、かまどに火を点けます。
かまどの中の空気の流れが良くなるように、薪を組むことが重要です。
まずは、かまどの中の両端に太い薪を置き、その間にカラカラに乾いた杉の葉を多めに置きます。
その後、両脇の太い薪を渡すように、小さめの薪をバツ印に積み上げます。
杉の葉に火を付け、薪に燃え移ったら点火完了です。
点火したかまどの上に羽釜を乗せます。
火の様子を見ながら、火力を上げるために“火吹き竹”で空気を送ります。
火吹き竹とは、火を起こすために息を吹き込む竹筒です。
輪っかにした自分の手を口に当てて、息を送るようにします。
美味しくご飯を炊くコツは、炊き始めは火を強くしないで、沸騰してから強火にすることです。
強火で一気に炊き上げたら、火の点いた薪を隣のかまどに移すことで、消火します。
10分~20分間、ご飯を蒸らします。
蒸らしが終わったら、ご飯を羽釜から“お櫃”へ移します。
【民具】お櫃
お櫃とは、炊き上がったご飯を移し入れて保存するのに用いられた木製の器です。
お櫃に入れておくことで、時間が経ってもご飯の水分を一定に保ち、美味しいご飯が食べられます。
お茶碗にご飯をよそって、炊きたてご飯を食べます。
洗剤代わりにお米の研ぎ汁を使用して、茶碗やお箸、お櫃などをきれいに洗い、片付けます。
本記事では、旧武蔵のかまど炊き体験を紹介しました。
昔のやり方を再現しながら自分たちで炊いたご飯は格別な美味しさで、いつもよりたくさん食べる参加者が多いです!
また、昔のくらしの知恵を知って、食事への向き合い方が変わったと言われる参加者も。
今日も参加者が、かまど炊き体験をされて貴重な思い出を共有されています。
皆さんのチャレンジをお待ちしております!
所在地:愛媛県西予市宇和町卯之町3丁目229番地
お問い合わせ:0894-62-6700(宇和先哲記念館)
アクセス
高速松山道 西予宇和インターから車で5分
JR予讃線 卯之町駅下車 徒歩8分
🌸体験予約🌸
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