倉敷美観地区の珍スポット!?「山陽堂」屋根に並ぶニッパー犬と4つのミニ博物館

倉敷美観地区の一角に佇む「倉敷山陽堂」。屋根に並ぶビクター犬の姿は話題の写真スポット。館内には貴重なコレクションを展示する4つの小さな博物館が隠されています。
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目次
- 倉敷山陽堂とは?
- 大きな犬がお出迎え
- アンティークモール
- 貯金箱博物館 – 日本の貯蓄文化の歴史
- 昭和の町家を体験できるベランダ通路
- Dog資料館 – ニッパー犬コレクションの聖地
- おもちゃ博物館 – 日本のおもちゃの歴史を辿る
- まとめ – 倉敷観光の隠れた名所
倉敷山陽堂とは?

「倉敷アイビースクエア」(歴史的な紡績工場を改装した観光複合施設)の南側、道路沿いに立つ独特な雰囲気の「倉敷山陽堂」。屋根の上には多数のビクター犬のニッパーが仲良く並んでいます。
オーナーの安田さんが情熱を注いで集めているのは、音響機器メーカー・ビクター(現JVC)のマスコットキャラクターとなった犬の置物「ニッパー」です。これらは製品を購入した特典として贈られた非売品で、実在した19世紀末の英国の犬「ニッパー」がモデルになっています。特徴的な首をかしげるポーズは、蓄音機から流れる亡くなった飼い主の声に耳を傾ける様子を表現しているとされています。
大きな犬がお出迎え

店の入口では大きな犬のオブジェがお客様をお出迎えします。犬が大好きでニッパーコレクションを始めたという安田さん。この巨大な犬のオブジェは、長年交流のあったオブジェコレクター仲間の遺志を継いで、店の看板犬として迎え入れられました。強化プラスチック製で高さ約2.7メートルという堂々とした大きさですが、不思議と屋根の上のニッパーたちと調和しています。
アンティークモール

館内に入ると、まず目に飛び込んでくるのがアンティークモールです(入場無料)。約40店舗もの様々なジャンルのアンティークディーラーが出店しており、古美術品からレトロなおもちゃ、人形、アニメキャラクターグッズまで、幅広いコレクションが所狭しと並んでいます。まるで宝箱を開けたような空間は、掘り出し物を探す楽しさに溢れています。
日本全国のコレクターたちが定期的に訪れる隠れた名所でもあります。

床から天井まで時代の香りを感じさせるアイテムがぎっしりと並び、レトロな照明器具など、思わず手に取りたくなる宝物がたくさんあります。
貯金箱博物館 – 日本の貯蓄文化の歴史

アンティークモールから階段で2階に上がると「貯金箱博物館」があります(有料エリア)。ここには明治時代(1868-1912年)から現代までの日本製貯金箱約3,000個が展示されています。

日本では鎌倉時代(1185-1333年)に土製の甕(かめ)にお金を貯めたのが貯金箱の始まりと言われています。時代の流行や文化を反映して作られた様々なデザインの貯金箱は、日本の社会史を物語る貴重な資料です。子ども時代に使っていた懐かしい貯金箱に再会できる方も多いでしょう。

特に目を引くのは東京スカイツリー(2012年に完成した高さ634mの電波塔)の形をした貯金箱で、500円硬貨で60万円以上も貯められるという大容量です。また、高級ジュエリーブランドのティファニー製の豚型貯金箱など、珍しいアイテムも展示されています。
昭和の町家を体験できるベランダ通路

2階の「Dog資料館」へ行くには、一度ベランダに出て外側から隣の部屋へ移動します。この独特な動線は、昭和時代(1926-1989年)の伝統的な倉敷の町家建築を体験できる貴重な機会です。木造の風情ある外廊下を歩くことで、日本の伝統的な住居様式を肌で感じることができます。
Dog資料館 – ニッパー犬コレクションの聖地

「Dog資料館」(有料)はビクターのキャラクター「ニッパー」に関するグッズを集めた専門ミュージアムです。オーナーの安田さんが1980年代から毎年2~5体ずつ丁寧に収集し、現在では100体近くまでコレクションが成長しました。
安田さんによると、ディズニーアニメ「101匹わんちゃん」にちなんで101体を目指しているそうで、あと1体で達成(玄関の大きな犬オブジェは数に含まれていません)!コレクション完成の日が楽しみですね。

大小様々なニッパーたちは、昭和時代の日本の多くの家庭で見られた懐かしい存在です。どの犬も同じような表情をしていますが、特徴的な首をかしげるポーズが見る人の心を惹きつけ、それぞれが生き生きとした表情を見せています。
おもちゃ博物館 – 日本のおもちゃの歴史を辿る

「おもちゃ博物館」(有料)には江戸時代(1603-1868年)から明治、大正、昭和時代にかけての日本製おもちゃが3,000点以上展示されています。江戸時代の伝統的な木製おもちゃから、昭和時代の人気アニメキャラクターの玩具まで、日本のおもちゃの変遷を一望できる貴重なコレクションです。

訪れる人は必ず自分が親しんだ時代のおもちゃを見つけることができ、懐かしさを感じることでしょう。展示されている値札や宣伝資料からは、当時の貨幣価値や暮らしぶりも垣間見ることができます。
特に昭和時代の男の子たちに人気だった「超合金ロボット」シリーズや、時代を象徴するキャラクターグッズは、日本人にとって青春の思い出を呼び起こすアイテムです。これらの展示を通じて、日本の戦後の玩具産業の発展と文化の変化を感じることができます。
まとめ – 倉敷観光の隠れた名所

倉敷美観地区を散策中に見かけたら、思わず写真を撮りたくなる「倉敷山陽堂」。「店内も気になるけれど、入っていいのかな?」と躊躇している方は、ぜひ中に入ってみてください。懐かしさと驚きが詰まった4つのミニ博物館は、日本文化への理解を深める素晴らしい体験になるでしょう。
2階の「Dog資料館」からは、屋根の上に並んだニッパー犬たちの後ろ姿を間近で見ることもできます。日本の近代史と文化を楽しく学べる、倉敷観光の隠れた名所です。
【倉敷山陽堂】
所在地:岡山県倉敷市船倉町1224
TEL:086-425-4577(買取専用/0120-177-237)
営業時間:10:30~17:00
定休日:木曜日
入場料:高校生以上300円、中学生以下200円、未就学児無料(貯金箱博物館、Dog資料館、おもちゃ博物館)
駐車場:5台(店舗西側)
岡山県は、西日本の中央に位置しており、1年を通して雨が少なくて温暖な気候から「晴れの国」と呼ばれています。京都、大阪、広島の有名観光地めぐりの中間点でアクセス便利!瀬戸大橋を経由して四国に渡る際の玄関口でもあります。 また、「フルーツ王国岡山」とも呼ばれ、瀬戸内の温暖な気候の中、太陽を浴びたフルーツは、甘さ、香り、味ともに最高品質。 白桃をはじめ、マスカットやピオーネなど、旬のフルーツが味わえます! 「岡山城」や日本三名園の「岡山後楽園」、倉敷美観地区といった、歴史、文化、アートなど世界に誇る観光スポットもあります!