朝5時から行列ができるクレイジーな朝市「備前岡山京橋朝市」で食べ歩き
岡山市で毎月第1日曜日に開催されている「備前岡山京橋朝市」には、まだ太陽が昇る前の暗いうちから多くの人々が集まります。旭川の河川敷には約120店舗がずらりと並び、飲食店を中心に、新鮮な果物や野菜、色とりどりの生花などが販売されています。
地元の人々から「朝5時から行列ができるクレイジーな朝市」と愛情を込めて呼ばれるほどの人気ぶりで、人気店では6時30分頃には商品が完売してしまうこともあります。今回は実際に食べ歩きを体験したお店を紹介しながら、この「備前岡山京橋朝市」が持つ独特の魅力と、そこで感じることができる日本の朝市文化の素晴らしさに迫っていきます。
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目次
- 備前京橋朝市とは
- 年2回開催される特別イベント
- 食べ歩きグルメ①:本場のベルギーワッフル「パトラッシュT.B.W.」
- 食べ歩きグルメ②:「オハヨー乳業」の懐かしい給食セット
- 食べ歩きグルメ③:リピーター続出「鬼笑 親鳥大串」
- 食べ歩きグルメ④:ふわふわクリームパン「エビスパン」
- 体験①:初心者歓迎!「京橋朝市体験カヌー教室」
- 体験②:頭にお灸で夏バテ予防「備前百会灸」
- まとめ
備前京橋朝市とは

「備前岡山京橋朝市」は、1989年(平成元年)に岡山市の市政施行100周年を記念して始まった、地元の人々によって運営される伝統的な朝の市場です。現在は地域住民が中心となって運営しており、訪れる人々に日本の四季の文化や季節の行事を体験してもらいたいという想いから、運営本部のテント前では毎月その時期にふさわしい季節のアイテムを無料で配布しています。
取材に訪れた7月には、七夕の季節にちなんで笹の葉を来場者に手渡しており、涼しげな風鈴の音色も会場を彩っていました。8月には鈴虫、秋には紅葉の葉、冬には体を温める甘酒(日本の伝統的な温かい飲み物)などを用意しているそうです。単なる買い物の場所ではなく、日本の伝統文化を身近に感じられる場所というのも、京橋朝市の大きな魅力の一つです。
年2回開催される特別イベント

2025年の1回目の特別催し物では、岡山の日本遺産(国が認定した地域の歴史的価値のある文化財や伝統)についての展示などが行われました。次回は11月に「岡山の歴史」をテーマとして、古代の吉備王国時代の古墳(昔の王様のお墓)にフォーカスした展示、子どもも楽しめる企画やワークショップが計画されています。
また2026年8月には、世界三大サーカスの一つで岡山発祥の「木下大サーカス」の4年に一度の巡業に合わせて、関連イベントが実施される予定です。地元の誇りでもある国際的なサーカス団との特別なコラボレーションが期待されています。
食べ歩きグルメ①:本場のベルギーワッフル「パトラッシュT.B.W.」

ここからは、実際に食べ歩いたお店や商品を紹介していきます。こちらは「本場のベルギーワッフル」の旗が目を引く人気店です。ワッフルの種類が豊富で、注文を受けてから作る出来立ての美味しさを提供してくれます。

プレーンワッフルはわずか180円、アイスコーヒーは200円と非常にリーズナブルな価格設定です。通常は岡山の有名な庭園「岡山後楽園」のバス停近くにあるお土産物店で営業しているそうです。2歳の娘も最後まで美味しそうに完食していました。
食べ歩きグルメ②:「オハヨー乳業」の懐かしい給食セット

朝に飲む美味しくて冷たい牛乳はいかがでしょうか?岡山に本社を構える「オハヨー乳業」が朝市に出店し、日本人にとって懐かしい学校給食セットを販売していました。ガラスの瓶に入った牛乳と揚げパン2つ(砂糖味ときな粉味)がセットで500円という価格です。

朝市で提供している牛乳は学校給食専用のオハヨー牛乳で、学校の給食以外では、この朝市でしか味わうことができない特別なものです。日本人には「懐かしい」、外国人観光客には「面白い」と評判で、リピーターも多く大変な人気を博しています。揚げパンは、地元のコッペパン専門店「つむぎコッペ」の焼き立てのもので、ふわふわの食感と優しい甘さが絶品です。
食べ歩きグルメ③:リピーター続出「鬼笑 親鳥大串」

しっかりとした弾力のある食感と凝縮された旨みが病みつきになる「鬼笑」の親鳥大串(600円)。いつも長い列ができている人気店の一つです。

私の夫はこの親鳥大串の大ファンで、毎月欠かさず購入するリピーターです。普段は岡山市東区で居酒屋(日本の伝統的な飲食店)を経営されているそうで、プロの味を朝市価格で楽しめるのも魅力です。
食べ歩きグルメ④:ふわふわクリームパン「エビスパン」

「エビスパン」は総社市にあるパン屋さんで、京橋朝市ではクリームパンのみを販売しています。プレーン、抹茶、バナナ、カフェオレなど種類が豊富に揃っています。クリームパンはふわふわで、優しい甘さが特徴的。つい何個も食べてしまいたくなる美味しさです。マーガリンやイーストフード(化学添加物)を使用していない、体に優しい製法にもこだわっています。
体験①:初心者歓迎!「京橋朝市体験カヌー教室」

朝市が開かれる京橋西詰め旭川河川敷では、カヌー体験も楽しむことができます。初心者でも簡単にチャレンジでき、家族連れや若い方にも大変人気があります。子どもは身長110cm以上から体験可能です。
岡山市内でカヌーができる場所は珍しく、水面から眺める「岡山城」は特別な景色として観光客にも大変好評です。カヌー体験は1人1,000円(30分間)で楽しむことができます。※カヌー体験期間は4月~10月まで
体験②:頭にお灸で夏バテ予防「備前百会灸」

帽子のように陶器を頭に乗せた大人たちの光景に、最初は少し驚いて足を止めてしまいました。お話を伺うと、岡山の伝統工芸品である備前焼で作られた専用のお皿を頭に乗せて、「百会」という頭頂部のツボにお灸をする「備前百会灸」の無料体験が行われていました。
この体験は血行促進、体温上昇、安眠効果など、疲労回復に効果があるとされている伝統的な健康法です。外国人観光客にとっても、独特の健康文化を体験できる貴重な機会となっています。
まとめ

この記事では紹介しきれませんでしたが、豆腐ドーナツやラーメン、豚まん、カレーなどのお店も長い行列ができるほどの人気を誇っていました。お話を伺ったボランティアの方が「朝5時から行列ができるクレイジーな朝市」と表現されていましたが、「備前岡山京橋朝市」は間違いなく岡山県で最も盛り上がりを見せる朝市と言えるでしょう。
地元サッカーチーム「ファジアーノ岡山」のJ1昇格により他県からの観光客が増加し、また外国人観光客の姿も多く見かけるようになりました。
「備前岡山京橋朝市」の最大の魅力は、100を超える多彩な店舗、豊富な飲食選択肢、新鮮な野菜や果物をお手頃価格で購入できることです。そして何より、運営を支える地元ボランティアの方々の「日本文化を多くの人に感じてもらいたい」という温かい気持ちが、この朝市を特別な場所にしているのではないでしょうか。

毎月第1日曜日は少し早起きをして、ぜひ岡山の活気あふれる朝市を訪れてみてください。きっと忘れられない日本の朝の体験となることでしょう。
【備前岡山京橋朝市】
開催日:毎月第1日曜日(1月は第2日曜日)、年末:12月29日(年間13回)
開催時間:5:00〜10:00頃
開催場所:岡山県岡山市北区京橋町、京橋西詰め旭川河川敷広場、および堤防緑地一帯
TEL:086-231-9373(京橋朝市実行委員会)
駐車場:近隣の有料駐車場を利用
※夏場は8時頃からお店を閉め始め、9時には撤退が始まる店舗もあるそうです。
※今回紹介したお店が出店していない時もあります。
岡山県は、西日本の中央に位置しており、1年を通して雨が少なくて温暖な気候から「晴れの国」と呼ばれています。京都、大阪、広島の有名観光地めぐりの中間地点でアクセス便利!瀬戸大橋を経由して四国に渡る際の玄関口でもあります。 また、「フルーツ王国岡山」とも呼ばれ、瀬戸内の温暖な気候の中、太陽を浴びたフルーツは、甘さ、香り、味ともに最高品質。 白桃をはじめ、マスカットやピオーネなど、旬のフルーツが味わえます! 「岡山城」や日本三名園の「岡山後楽園」、倉敷美観地区といった、歴史、文化、アートなど世界に誇る観光スポットもあります!